生産の柔軟性による小ロット高効率を追求するセル生産

 セル生産とは、変種変量時代を勝ち抜くための経営戦略やビジネスモデルと一体不可分な生産方式で、一人ないしは数人の作業者、または、その複合的組み合わせで製品を造り上げる自己完結性の高い生産です。

 国内製造業では1995年頃から、大手企業を中心に各種「セル生産」が開発され、生産現場に導入・改善が進みました。それは、当初、多くの試行錯誤でしたが、15年以上経過した現在、主要な大手企業へ確実に定着し、その導入可否は、元気な企業のリトマス試験紙といってもよいくらいです。

 

1.環境変化:変種変量生産の意味

 1990年以降、いわゆる製造業の「空洞化」が進み、量産品の生産は東南アジアや中国等へ海外移転が進みました。かつての量産品の特徴は、安定数量、安定品質、長い納期(見込み生産)でした。一方、国内では、海外に移転できない小ロット、短納期、高度な技術を要するもの、開発品等が生産の主力となりました。こうした、生産ニーズの著しい変化の中で、苦難の末に生まれてきたのが「セル生産」なのです。            

 1990年代までの「多品種少量生産」は、市場ニーズの多様化に対応して多くの品種数を小ロットで生産する形態です。一方、セル生産で言われるのは「変種変量生産」という考え方であり、ここでは、多品種少量はもちろん、これに顧客の必要なときに納める“タイミング”という概念が加わります。すなわち、毎日変化する顧客のニーズに速やかに対応する生産というコンセプトです。

 

2.セル生産の必要条件

 変種変量生産に対応するためには、必要なときに必要なものだけをタイミング良く生産する仕組みが必要です。しかもこれには、効率化を徹底的に追求した価格競争力が必須となります。進化したセル生産では、必要なものだけを...

タイミング良く生産することが可能となりますが、作業者には一連の部品をムダなく加工・組立できる技能習熟が求められます。

 

 

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