実践的マニュアル作り クレーム対応とは(その53)

 
  
 
 前回のその52に続いて、解説します。
 

【マニュアル作成のヒント】

 
 マニュアル活用で、意外に気づいていない落とし穴があります。それは、マニュアルの定期点検です。
 
 マニュアルを作成した企業や組織には、手間ひまかけて作成したマニュアルをそのまま使い続けているところがほとんどです。3年前、5年前、ひどい場合には10年前のマニュアルをそのまま延々と使い続けている企業もあります。
 
 企業理念や顧客に対する姿勢を打ち出したマニュアルが、長年にわたって使い続けられていくことは、決して悪いことではなく、むしろ、顧客に対する企業の姿勢を守り続ける努力に、尊敬の念を感じるかもしれません。
 
 ところが、「業務マニュアルは現場の事情を反映したものでなければならない」というマニュアル原則に照らし合わせてみると、定期点検のないマニュアルを使い続けることは、それだけで「顧客志向を放棄」した姿勢と認識されかねません。
 
 なぜならば、顧客の要求はつねに進化しているものであり、数年前には当たり前たった顧客対応が、現在は顧客満足度を下げてしまうということもあるからです。または新商品が開発されると、その商品に対応した新たな業務マニュアルも必要になります。
 
 お客さま相談室のマニュアルは、顧客の意識、感情、目線とつねに一体化したものでなければなりません。顧客の意識をベースにしたマニュアルで業務が遂行されるからこそ、顧客満足度の高いサービスを提供できるのです。
 
 マニュアルは、企業の経営環境やお客さま相談室...
を取り巻く市場環境、さらには顧客意識の進化など、つねに変動する現場(市場)に即した形で適時修正、追加されていかなければならないことを、インプットしておきましょう。
 
 次回は、「25の顧客対応、ここがポイント」です。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
              筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

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