ジョン・グッドマンの法則 クレーム対応とは(その1)

 
 
 

1. 顧客が腹を立てている

 

(1) 不満顧客の96%が「口にしない」恐ろしさ

 
 
 企業規模が比較的小さい企業であっても、顧客から、1日平均で5~6件の電話やFAXやメールが飛び込んでくるのです。ライバル商品ではなく自社の商品を選択し、財布の紐をほどいてくれた顧客が、なんらかの意思表示をしようと企業にアプローチを繰り返すのです。1日5件の連絡ならば、1か月で(営業日数22日として)110件、1年間では1320件の顧客の声が寄せられることになります。
 
 これがナショナルーブランドのような人気商品を販売する大企業ともなれば、1日で500件を超える問い合わせ、クレーム、コンプレイン等々が入ってくるのです。1日500件ならば、1年間で132000件です。たった一人の「顧客の声」が集積された結果は、膨大な「顧客の大合唱」になっていくのです。
 
 ここで、極めて重大な現実を紹介します。マーケティングーリサーチの権威であるジョン・グッドマン氏(アメリカの調査会社経営者)は、各種の調査結果をもとにして、次のような「法則」を導き出しました。
 

(2) ジョン・グッドマンの法則

 
 「商品を購入した直後の顧客の40%が、なんらかの不満を抱いている」とは、ジョン・グッドマンの法則と言われるものです。自社の顧客が抱く不満のあまりの多さにショックを受けた人も少なくないかもしれませんが、そのショックを倍加させる、もう一つの驚くべき事実があります。
 
 「不満足顧客の4%だけが、クレーム顧客として不満を口に出して言う」、ジョン・グッドマン氏は、この4%に注目して顧客と不満の関係を分析しました。
 
 仮に、1日に300人の購入顧客がいたとします。1日で300人ならば、1か月22日の営業日として、6600人の購入になります。これが1年ならば79200人の顧客が自社商品を購入してくれることになるでしょう。ところが、ジョン・グッドマンの法則によれば7920...
0人の顧客の40%に相当する31680人がなんらかの不満を抱き、さらにその4%に当たる1267人顧客が不満を口にするのです。
 
 次回に続きます。
 
【出典】 武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント。 ダイヤモンド社発行
             筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者