意識下に潜んでいる顧客ニーズを知る CS経営(その16)

前回のその15に続いて解説します。
 

◆本物の顧客満足の話をしよう

5.「不満足度調査」の実力 : ロスコストを撃て

 サポーターとしての私の立場は、組織内の社員ではないのですが、社員よりもサポートする会社を愛し、そのために精一杯社員以上に深く考えるのです。したがって、各部門はもとより、全部署に横断的に関わらせていただけるポジションにあり、各部署が一つのトラブルを起こしたときに要するロスコストの全費用が算定できます。また、取締役会議にも出席させていただくことが多く、ここでもトップマネジメントにおける意思決定に知見が提供できます。
 
 これによって、大きなコストダウンの手を打つことができるし、CSMの会議は、トップ層が参加するから必然的にマネジメント会議で実態の説明が可能になります。
 
 下手なコストダウン、節操のないコストダウンが引き起こす一つのトラブルが、見えないところで、どれはどのロスコストを生んでいるかについては、トップといえども把握することがほとんど不可能に近く、意外にも企業は認知していないのです。結果、事件が発生し、後の祭りとなってしまうのです。
 
 「不満足度調査」はひそかにこれらの兆候を数値化したうえで、しかも取り組み優先順位分析まで実施します。そのため、コストダウンにも大きく貢献することになります。
 
 事が起こる前に未然に手を打ち、さらに顧客の潜在意識に対して「こんな商品、こうしたサービスがほしかったのではないですか」といった事前の提案を行います。顧客は「なるほど、たしかにこんな商品、こんなサービスがほしかった」と購入する。顧客の意識下に潜んでいるニーズの提案型提供が喜ばれるのです。
 
 多少、私どもの取り組みの自慢めいた話になってしまいましたが、CSの重要性のために、あえて書くことにしました。「不満足度調査」を導入するか否かにかかわらず、このような取り組みをそれぞれの企業が行なうことが、ロスコスト撲滅の一番の近道、そして業績向上に大きく貢献できる手法であると確信しています。
 
 
 
 次のような取り組みからも顧客の意識下に潜んでいる顧客ニーズを知ることができるでしょう。
 

(1) 一言情報キャッチ活動

 顧客の何気ないて一言をメモにする「顧客の一言情報キャッチ活動」は最初はなかなかうまくいかないのですが、継続するうちにうまく流れるようになります。
 

(2) コールセンター・お客様相談室に集まる顧客の声

 顧客のクレームや相談事が集まる部門であり、機能であるのです。奥行きはあるものの範囲は限られるが、分析を行なうと、非常に役立つ要件が把握できます。この部門はこれからの企業の頭脳と心臓に当たる貴重な役割を持っているので、ここを大切にしない企業・組織に明日はないとまで言い切れます。
 

(3)...

ミステリー(覆面)調査
 顧客の立場に立ち、顧客になりすまして自社の調査をひそかに行なうことで、実態が浮き彫りになります。具体的には電話をする、買い物に行く、時にはクレームを持ちかけるなど。ちなみに、大手のシティホテルの場合、約750項目のチェックを行なっています。
 

(4) インタビュー調査

 顧客に対して具体的な社名を出してその感触、印象を聞く方式。
 
 次回は、第4章 技術力で勝る海外勢が、なぜ、日本の「おもてなし」に負けるのか。から解説を続けます。
 
【出典】 武田哲男 著 なぜ、あの企業の「顧客満足」は、すごいのか PHP研究所発行
筆者のご承諾により、抜粋を連載
 
 

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