「失敗学と創造学」濱口哲也著
投稿日 2011/10/04
失敗学の元祖であり、福島第一原発の事故調査特別委員会トップに就任し
た畑村洋太郎教授のまな弟子である東京大学濱口教授の初単著です。
本書では失敗事例から原因の上位概念を探索し、類似の失敗を広く未然防
止する失敗学を解説した後、全く新しい機能を実現する創造学についても
同様の構造を使って可能になると主張します。すなわち、思考展開図とい
う形式により現在の要求機能を下位概念に展開してゆき、それでも新規性、
優位性がなければさらに下位に分解したり、並列の機能に移動したりして
競争優位のポジションを探索するというわけです。筆者は弁証法にも似る
この考えを「土俵ずらし」と呼び、大発明のためにはQFD/TRIZ以上
に有効であると訴えます。