＜バイオインフォマティクスで注目！＞シングルセルＲＮＡ-ｓｅｑ解析の基礎からＲなどを用いた解析手法

日本では日本語で書かれた詳しい解説が乏しい状態の
シングルセルＲＮＡ-ｓｅｑ解析を、基礎から学ぶ！

講師

筑波大学 医学医療系 バイオインフォマティクス研究室 / 人工知能科学センター
准教授 　尾崎 遼 先生

■ ご略歴：
2010年　東京大学生物化学科卒業
2015年　東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻博士後期課程修了
 （博士（科学））
2015年　理化学研究所情報基盤センター
　バイオインフォマティクス研究開発ユニット特別研究員
2016年　理化学研究所情報基盤センター
　バイオインフォマティクス研究開発ユニット基礎科学特別研究員
2018年6月より現職

■ ご専門および得意な分野・研究：
バイオインフォマティクス、次世代シーケンサーデータ解析、シングルセル解析

■ 本テーマ関連学協会でのご活動：
日本バイオインフォマティクス学会 理事（2019年）

受講料

1名41,040円(税込（消費税8％）、資料付)
＊1社2名以上同時申込の場合 、1名につき30,240円
＊学校法人割引 ；学生、教員のご参加は受講料50％割引。

セミナーポイント

■ はじめに
　シングルセルRNA-seqデータ解析の需要が急速に高まる一方で、日本では日本語で書かれた詳しい解説が乏しい状態です。また、チュートリアルや解説記事に従ってソフトウェアを動かすことができても、そもそもソフトウェアの選択や解析結果が妥当なのか自分では判断がつかないこともあります。結果として、「やったけどよくわからない」「上司や顧客に対して解析結果をきちんと説明できない」といったボトルネックが生じています。
　本講座では、シングルセルRNA-seqデータ解析のソフトウェアの選択と使用方法の紹介を通じて、主に統計言語環境Rを用いて自分で解析できるようになることを目指します。また、シングルセルRNA-seq解析を含むバイオインフォマティクス解析一般の暗黙知になっている「行列思考」と呼ぶべき考え方についても解説します。これらの内容を通じて、自分で解析作業を進められるだけでなく、結果の妥当性を自ら説明できるようになることを目指します。

■ ご講演中のキーワード：
　バイオインフォマティクス
　シングルセルRNA-seq解析
　行列思考
　行列分解
　統計言語環境R

■ 受講対象者：
・シングルセルRNA-seq解析についての知見を得たいと考えている方
・シングルセルRNA-seq解析に取り組んでいるが、どう進めるべきか困っている方
・バイオインフォマティクスのウェブツールやソフトウェアを動かしてみたけど、
　結果が妥当か判断がつかなかったり、上司や顧客にどう説明すればわからない方
・PCAやt-SNEについてちゃんと理解したい方

■ 必要な予備知識や事前に目を通しておくと理解が深まる文献、サイトなど：
・大学レベルの生命科学の基礎知識。
・Rを触ったことがあると理解が深まる。
・書籍「バイオインフォマティクス入門」
　（日本バイオインフォマティクス学会著・慶應義塾大学出版会・2015/8）
 「Dr. Bonoの生命科学データ解析」
　（坊農秀雅著・メディカルサイエンスインターナショナル・2017/9）
　などを一読すると更に理解が深まる。

■ 本セミナーで習得できること：
　シングルセルRNA-seq解析の基礎知識
　シングルセルRNA-seq解析のノウハウ
　行列思考

セミナー内容

■ ご講演プログラム

1. シングルセルRNA-seq解析入門
　1. 実験デザインをどうすればいいか
　2. シングルセルRNA-seqの実験技術は何を選べばいいか
　3. 遺伝子発現量行列としてのシングルセルRNA-seqデータ
　4. 計算環境を整えるノウハウ
　　1. RStudio
　　2. Rパッケージの生息地（CRAN、Bioconductor、GitHub）

2. 目的別シングルセルRNA-seq解析
　1. バイオマーカーを発見する
　2. 細胞型の構成比を定量する
　3. 新しい細胞型を発見する
　4. 主観的時間・系譜を推定する
　5. 細胞状態を推定する
　6. 細胞間相互作用を推定する
　7. 転写制御関係を推定する
　8. RNAの転写構造を発見する

3. 行列思考
　1. 行列分解を手で描いて理解する
　2. PCA（主成分分析）
　3. NMF（非負値行列分解）
　4. MDS（多次元尺度構成法）
　5. t-SNE
　6. テンソル分解
　7. データ統合への応用