高分子系自己修復材料の設計、修復メカニズムと応用展望
開催日 |
10:00 ~ 16:30 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 技術情報協会 |
キーワード | 高分子・樹脂技術 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【品川区】技術情報協会セミナールーム |
交通 | 【JR・地下鉄】五反田駅 【東急】大崎広小路駅 |
★今回は高分子系に焦点をあて、その機能やメカニズム、今後の開発ニーズを探っていく
受講料
1名につき55,000円(消費税抜き・昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき50,000円(税抜)〕
<10:00〜12:10>
1.高分子材料、コーティングの自己修復メカニズムと材料設計
(国研)物質・材料研究機構 新谷 紀雄 氏
【講演概要】
自己修復材料の研究は、部材や機器の損傷や破壊による事故を未然に防ぐことを目的として着手され、その効果が広く認識されるようになった。開発された自己修復機能は、機器やシステムの目的達成や安全保持だけでなく、生活環境の快適化にも大いに貢献するものであることが認識されるようになった。それが、高分子材料コーティングの自己修復化であり、自動車車体コーティングの市場化である。高分子材料コーティングは多様な機能をもつことが可能で、少量で機能を発現できるので、コストパフォーマンスがよいため、可能性が広がっている。いろいろな素材の使用、機能の発現、これまでにない応用・商品の開拓が可能である。
1.高分子材料コーティングの自己修復化研究・市場化の経緯
1.1 バルク材に対する高分子材料コーティング自己修復の特徴
1.2 高分子材料コーティング自己修復の応用・市場化の現状
2.高分子材料コーティングの擦り傷(細かい凹凸)の自己修復のメカニズムと応用
2.1 弾塑性変形回復と水素結合の再結合による高分子材料コーティングの擦り傷の自己修復メカニズム
2.2 擦り傷の自己修復自動車車体コーティングの市場化の成功と他用途への展開
2.3 ポリウレタンコーティングにおける事例
3.高分子材料コーティングの切り傷(表面のクラック)の自己修復メカニズムと応用
3.1 修復剤内包カプセル分散による高分子材料コーティングの切り傷の自己修復メカニズム
3.2 架橋の再結合による高分子材料コーティングの切り傷の自己修復
3.3 高分子材料コーティングの切り傷自己修復の自動車車体や透明パネル等への応用
4.高分子材料コーティング自己修復の新たな試み
4.1 低表面エネルギー潤滑性物質の表面への自己補給による自己クリーニング化
4.2 リソグラフィによる3次元導管を用いた表面傷の自己修復
4.3 介護ロボット等の人に接する機器表面の自己修復化
4.4 ポロタキサン等の新たな素材を用いた高分子コーティングの自己修復
【質疑応答・個別質問・名刺交換】
<13:00〜14:40>
2.ネットワーク再構築による高分子ゲルの自己修復性とそのメカニズム
日本大学 原口 和敏 氏
【講座概要】
傷や切断面を自発的に修復する自己修復性が注目されている。本講座では、各種人工材料において検討されてきた自己修復性について紹介した後、高分子ヒドロゲルの自己修復について講義します。特に、高強度ヒドロゲルの開発および自己修復性について、ナノコンポジットゲルを中心に、自己修復性の制御および発現メカニズムについて解説します。
1.はじめに
1.1 自己修復性の意義
1.2 人工材料の自己修復
2.高分子ヒドロゲルの自己修復性
2.1 高強度ヒドロゲルの開発
2.2 高分子ヒドロゲルの自己修復
3.ナノコンポジットゲルの創製
3.1 ナノコンポジットゲルの合成
3.2 ナノコンポジットゲルの構造解析
3.3 ナノコンポジットゲルの物性
3.4 ナノコンポジットゲルの機能
4.ナノコンポジットゲルの自己修復性
4.1 ナノコンポジットゲルの自己修復
4.2 ナノコンポジットゲルの自己修復メカニズム
4.3 異種ナノコンポジットゲルの接合
【質疑応答・個別質問・名刺交換】
<14:50〜16:30>
3.分子運動を利用した自己修復性高分子の設計
北陸先端科学技術大学院大学 山口 政之 氏
【講座概要】
化学反応を用いない自己修復について、その概要を説明します。
1.分子拡散による自己修復
1.1 基本的な考え方
1.2 クラックヒーリング
1.3 ソルベントヒーリング
2.臨界点近傍ゲルの自己修復
2.1 基本的な考え方と材料設計例
2.2 高弾性率材料への応用
3.最近の研究成果
3.1 結晶性高分子の自己修復性
3.2 熱可塑性エラストマーの自己修復性
3.3 ガラス状高分子における表面傷の治癒方法
【質疑応答・個別質問・名刺交換】