次世代AIデータセンターにおける冷却インフラと熱循環システム~NVIDIAGPUアーキテクチャの進化に伴う材料の考察~

○データセンターのボトルネックである“熱問題”を解決するための冷却インフラ最前線を徹底解説!
○現行の冷却技術と課題から、次世代データセンターの具体的な要求スペック、液冷・液浸冷却技術の最新動向、最新の「45℃温水冷却」に焦点を当てた排熱利用の可能性まで!

【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナー趣旨

      「AIはソフトウェアの進化である」――。その認識は、ハードウェアの物理的限界によって今、大きな転換期を迎えている。 NVIDIAのGPUアーキテクチャは、H100からBlackwell、そして最新のVera Rubin(ヴェラ・ルービン)へと驚異的なスピードで進化を続けている。しかし、計算能力の爆発的向上は、同時に「熱」という巨大な物理的課題を突きつけている。  GPU1基あたりの熱設計電力(TDP)は、かつての数百ワットから、最新世代では1,400Wを超え、データセンターの設計思想は「空冷」の限界を超えて「液冷」、さらには「熱循環」へとシフトしている 。  本セミナーでは、材料、素材、化学工学の第一線で活躍する方々を対象に、AIデータセンターを「知能を製造する巨大な化学プラント」と定義し、その冷却インフラを支える材料科学の最前線を三つの世代にわたって解説する。
    ○第1世代(現行): ダイレクト・ツー・チップ(DLC)や液浸冷却において、熱界面材料(TIM)や冷却液の化学組成がいかにチップの寿命と性能を左右しているのか。相変化材料(PCM)を用いたPTM(Phase Change Materials)の重要性を記述する 。
    ○第2世代(AI Factory): NVIDIA Omniverseを用いたデジタルツイン上で、IT(情報技術)とOT(運用技術)をいかに物理的に高精度にシミュレートし、材料選定の最適化を行っているのかを解説する 。
    ○第3世代(Blueprint DSX): GTC 2026で発表された最新の「45℃温水冷却」という破壊的パラダイムに焦点を当てる。もはや排熱は廃棄物ではなく、水素製造(SOEC)の熱源や高度な蓄熱システム(PCM-TES)のエネルギー源へと昇華される 。  データセンターのボトルネックは、もはや演算速度ではない。熱をどう運び、どう変えるか、その材料が決め手となる。

    受講対象・レベル

    ■材料・素材・化学メーカーの研究開発・技術者
    ・放熱材料・熱界面材料 (TIM) 開発者:
     NVIDIA Blackwell/Vera Rubin世代で不可欠となる高熱伝導相変化材料(PCM)や、ポンプアウト現象を抑制する
       ポリマー複合材料の開発に携わる方。
    ・冷却液・機能性流体開発者:
     ダイレクト・ツー・チップ(DLC)や液浸冷却に用いられる、誘電体流体、低GWP冷媒、インヒビター(腐食抑制剤)の
       組成設計を行う方 。
    ・高機能樹脂・エラストマー開発者:
     45℃以上の温水冷却環境下で、長期的な耐熱・耐加水分解性が求められる配管・シール部材の開発者 。
    ・触媒・水素技術開発者:
     データセンター排熱をエネルギー源とする高温水蒸気電解(SOEC)用電極材料や、蓄熱用PCMの研究者 。
    ■ハードウェア・インフラ設計エンジニア
    ・サーバー筐体・冷却デバイス設計者:
     GPUサーバーの熱設計電力(TDP)上昇に伴う、コールドプレート、ヒートシンク、ファン、CDU(冷却液分配ユニット)の
       材料選定や構造設計を担当する方。
    ・データセンター設備設計・施工者:
     水冷・液浸冷却システムへの刷新や、排熱回収・地域暖房連携システムの機械・配管設計に携わる
       ゼネコン・サブコンの技術者。
    ■データセンター運用・企画・マネジメント層
    ・ITインフラ・AIプラットフォーム選定者:
     NVIDIAのロードマップ(Blackwell、Vera Rubin)に基づき、次世代AI Factoryの構築・運用管理を担当する
       情報システム部門の方。
    ・サステナビリティ・施設管理担当者:
     PUE(電力使用効率)の改善や、カーボンニュートラル実現のために排熱有効活用の技術評価を行う担当者 。
    ■戦略投資・事業開発担当者
    ・新規事業開発者:
     AIデータセンター市場の急拡大を背景に、冷却インフラ市場や熱利用ビジネス(水素、地域暖房)への参入を
       検討している企業の企画担当者 。

    習得できる知識

    ■次世代GPU(Blackwell/Vera Rubin)が求める材料要件の把握
     NVIDIAの最新ロードマップに基づき、1,400Wを超える超高熱密度チップを冷却するために不可欠な、高熱伝導相変化材料
       (PCM)や熱界面材料(TIM)への具体的な物理的・化学的要求スペックを概観できる(リサーチした内容のご報告) 。
    ■液冷・液浸冷却における化学組成と腐食制御技術
     ダイレクト・ツー・チップ(DLC)や液浸冷却で用いられる冷却液(冷媒)の最新トレンドを習得。異種金属が共存する環境下での
       電食防止に向けたインヒビター・パッケージの選定や、環境負荷の低い低GWP冷媒の特性について概観できる
       (リサーチした内容のご報告) 。
    ■45℃温水冷却がもたらす排熱利用のパラダイムシフト
     「Vera Rubin DSX」世代が提唱する45℃温水冷却の意義を理解。チラーレス設計によるコスト削減のみならず、
       65℃以上に達する戻り水を活用した高度な熱管理戦略を概観できる(リサーチした内容のご報告)。
    ■水素製造・蓄熱技術とデータセンターの産業共生モデル
     データセンターの排熱を「資源」として捉え、高温水蒸気電解(SOEC)による水素製造や、
       PCM蓄熱システム(サーマルバッテリー)へと統合する化学工学的なアプローチと、そのビジネス可能性を知ることができる
     (リサーチした内容のご報告) 。
    など 

    セミナープログラム

    【セクション1】第一世代:現行AIデータセンターの冷却技術と現場の材料課題
     リサーチ報告の視点:
      「現在、日米で稼働・建設中の施設では何が起きているのか。空冷から液冷への移行期における材料のトラブルと対策の現状」
    1.GPUの熱設計電力(TDP)の急上昇と物理的限界
     ・H100(700W)からBlackwell(1,000W〜1,400W)への進化がもたらした「冷却の義務化」 。
     ・空冷の限界点と、ダイレクト・ツー・チップ(DLC)および液浸冷却の採用事例(さくらインターネット等の国内事例含む) 。
    2.冷却ループを支える「化学」の現状報告
     ・冷媒の組成: 脱イオン水に添加されるエチレングリコール(EG)や防食剤、殺生物剤の役割と、10MW規模でのコストインパクト 。
     ・熱界面材料(TIM): 従来のグリスから、Blackwell世代で標準化しつつある「相変化材料(PCM)」への移行。
          ポンプアウト現象を防ぐ材料設計の重要性 。
    3.低品位排熱(30〜45℃)の再利用事例
     ・北欧や日本での地域暖房、農業利用の現状と、ヒートポンプによる昇温技術 。
    【セクション2】第二世代:Omniverse Blueprintによる「AI Factory」の設計変革
     リサーチ報告の視点:
      「NVIDIAは、データセンターを物理的に建てる前にデジタル空間で『完結』させようとしている。
         材料の物性がデジタルツイン上でどう扱われているか」

    1.AI Factoryの定義とデジタルツインの衝撃
     ・計算機を「製造工場(Factory)」と捉えるNVIDIAの思想 。
     ・Omniverseを用いた1ギガワット(GW)級データセンターのシミュレーション 。
    2.材料・流体データのデジタル資産化(SimReady)
     ・ポンプ、CDU、配管材料が持つ物理特性(熱伝導率、比熱、粘度)をデジタルツインに統合し、
          故障予測や熱流体解析(CFD)を行う手法 。
    3.ITとOT(運用技術)の融合による効率化
     ・「DSX Exchange」による冷却設備とGPU負荷のリアルタイム連動。外気温に合わせた計算負荷の動的制御 。
    【セクション3】第三世代:Blueprint DSXと「45℃温水冷却」が拓く化学の新領域
     リサーチ報告の視点:
      「GTC 2026の発表で見えてきた、AIインフラの終着点。排熱を捨てずに『水素』や『蓄熱』に変える、
         エネルギー循環のハブとしてのデータセンター」

    1.Vera Rubin世代と「45℃温水冷却」のパラダイムシフト
     ・45℃の入口水温(出口65℃)が実現するチラーレス設計の経済性 。
     ・材料への過酷な要求: 恒常的な高温水循環下での、プラスチック・ゴム部材の加水分解、酸化防止、クリープ耐性材料の必要性 。
    2.データセンター排熱による水素製造(SOEC)の可能性
     ・65℃以上の温水を熱源とした「高温水蒸気電解(SOEC)」の熱力学的優位性 。
     ・電気エネルギーを熱エネルギーで代用し、水素製造効率を100%超にする化学プロセスとの統合 。
    3.ギガワット級の熱管理:PCMサーマルバッテリーの導入
     ・再生可能エネルギーの変動を吸収するための、大規模相変化蓄熱システム(PCM-TES)の設計指針 。
    4.「DSX Flex」:電力網(グリッド)の調整弁となるAIインフラ
     ・データセンターが地域の電力需要を調整し、水素や蓄熱を介してエネルギー供給の安定化に寄与する未来図 。
    <質疑応答>


    *途中、小休憩を挟みます。

    セミナー講師

     株式会社インフラコモンズ 代表取締役  今泉 大輔 氏

    ■ご略歴
    インフラコモンズ代表。リサーチ歴30年。
    米シスコシステムズのコンサルティング部門で7年間、金融・流通・電力・自動車業界の経営層向けレポートを担当。
    その後、ネットベンチャーを創業するなど、テクノロジーと経営の両面で実務経験を積む。
    近年はロボティクスと自動運転、そしてNVIDIAが提唱する「フィジカルAI」を重点テーマにリサーチを展開。
    北米・中国・欧州の先端ロボット企業などについて、
    ChatGPT + Deep ResearchやGemini Pro + Deep ResearchなどAIの能力をフルに活かす
    新しいタイプの調査手法を考案し、毎週数多くの調査結果を公開している。
    著書に『電力供給が一番わかる』『再生可能エネルギーが一番わかる』(技術評論社)。
    20年以上にわたり執筆を続ける業務ブログ「ITmediaオルタナティブブログ」では、
    「経営者が読むNVIDIAのフィジカルAI/ADAS業界日報」を運用。
    https://blogs.itmedia.co.jp/serial/

    セミナー受講料

    【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 40,700円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき29,700円

    【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
    *「見逃し視聴あり」でお申込の場合、当日のご参加が難しい方も後日セミナー動画の視聴が可能です。

    学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。

    主催者

    開催場所

    全国

    受講について

    • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
      (開催1週前~前日までには送付致します)
      ※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
      (土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
    • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
    • Zoomを使用したオンラインセミナーです
      →環境の確認についてこちらからご確認ください
    • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
      →こちらをご確認ください

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    13:00

    受講料

    40,700円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込、コンビニ払い

    関連記事

    もっと見る