光解体/剥離型高分子材料の原理、設計と応用
★ リサイクル可能な架橋樹脂の開発に向けて! 安定した接着性と易解体性の両立!
セミナー趣旨
強固な共有結合で構成される架橋樹脂の分解は環境や資源保護の観点から重要な課題である。本講では,近年加熱で結合交換することで分解や再利用が可能な架橋樹脂の例を紹介すると共に,O-アシルオキシム(オキシムエステル)ユニットの結合交換や光,熱反応を利用した架橋樹脂の合成と分解例を解説する
光と酸を用いた協働的分解性材料の原理・設計とその応用例について、易解体性材料を交えながら解説する。
私たちの社会はいま、資源・エネルギーの逼迫、廃棄物問題、気候変動といった未曾有の課題に直面しています。こうした状況を打開する鍵として、世界はすでに“リニア型経済(Take?Make?Waste)”から、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への転換へと大きく舵を切り始めています。その中でも、近年問題が顕在化している「海洋プラスチック」「マイクロプラスチック」などを背景として、プラスチックの資源循環と高度リサイクル技術の開発が強く求められています。特に、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂は“溶けず・戻らず・再利用できない”という特性を持つため、いまだ確立したリサイクル技術がなく、産業界共通の大きな課題となっています。本講演では、この問題に対するブレークスルーとして、“高分子ネットワーク制御”を活用した資源循環型接着剤の最新研究をわかりやすく紹介します。動的共有結合、光応答性ネットワーク、再利用可能な接着技術など、次世代の接着剤設計の未来を紹介します。
習得できる知識
・架橋樹脂の長所と短所
・加熱で組み換え可能な共有結合からなる架橋樹脂の例
・ビトリマーの原理と制御例
・o-ニトロベンジル誘導体型光塩基発生剤の特性
・O-アシルオキシムの特徴と使用例
セミナープログラム
【10:30-12:00】
1.加熱で組み換え可能な共有結合からなる架橋樹脂の使用後光分解
大阪公立大学 国際基幹教育機構 教授 博士(工学) 陶山 寛志 氏
【専門】高分子化学
【講座の趣旨】
強固な共有結合で構成される架橋樹脂の分解は環境や資源保護の観点から重要な課題である。本講では,近年加熱で結合交換することで分解や再利用が可能な架橋樹脂の例を紹介すると共に,O-アシルオキシム(オキシムエステル)ユニットの結合交換や光,熱反応を利用した架橋樹脂の合成と分解例を解説する。
【習得できる知識】
・架橋樹脂の長所と短所
・加熱で組み換え可能な共有結合からなる架橋樹脂の例
・ビトリマーの原理と制御例
・o-ニトロベンジル誘導体型光塩基発生剤の特性
・O-アシルオキシムの特徴と使用例
1.加熱で組み換え可能な共有結合からなる架橋樹脂
1.1 共有結合による強固な架橋樹脂とその分解例
1.2 組み換え可能な共有結合のバリエーション
1.3 加熱で組み換え可能な共有結合からなる架橋樹脂の分解例
2.O-アシルオキシムの化学
2.1 O-アシルオキシムの物理的,化学的性質
2.2 O-アシルオキシムの光反応機構
2.3 O-アシルオキシムの光重合開始能
2.4 O-アシルオキシムの光塩基発生能
2.5 o-ニトロベンジル誘導体型光塩基発生剤との比較
3.側鎖のO-アシルオキシム部位の熱交換を利用した架橋形成と解架橋
3.1 高分子の合成
3.2 側鎖の熱交換反応による架橋形成
3.3 架橋体の光解架橋
4.光塩基発生剤によるビトリマーの制御
4.1 光制御のコンセプト
4.2 ビトリマーの合成
4.3 光塩基発生剤とビトリマーの熱反応
4.3 光塩基発生剤含有ビトリマーへの光照射の影響
【質疑応答】
【13:00-14:30】
2.光と酸で分解するポリマー材料の開発と易解体性材料への応用
東京大学 大学院工学系研究科 准教授 博士(工学) 正井 宏 氏
【専門】機能性高分子科学・光化学・超分子化学
【講座の趣旨】
光と酸を用いた協働的分解性材料の原理・設計とその応用例について、易解体性材料を交えながら解説する。
1.背景
1.1 分解性材料の原理
1.2 分解性材料における課題
1.3 二刺激を用いた材料分解
2.金属錯体を用いた光・酸協働分解性材料
2.1 分子設計
2.2 協働反応性
2.3 材料における協働分解性
2.4 発光材料の微細制御
2.5 二刺激制御による形状加工
2.6 光接着剤の協働分解
3.ケイ素化合物を用いた光・酸協働分解性材料
3.1 分子設計
3.2 協働反応性
3.3 材料における協働分解性
3.4 エラストマーに対する協働分解性
3.5 光造形材料に対する協働分解性
4.水と光を鍵とする協働分解性材料
4.1 材料設計
4.2 材料における協働分解性
4.3 接着材料に対する水・光協働分解
5.まとめ
【質疑応答】
【14:45-16:15】
3.ネットワーク制御による資源循環型接着剤の開発
— サーキュラーエコノミー時代の新しい材料設計とは —
(国研)物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門 データ駆動高分子設計グループ 内藤 昌信 氏
【講演主旨】
私たちの社会はいま、資源・エネルギーの逼迫、廃棄物問題、気候変動といった未曾有の課題に直面しています。こうした状況を打開する鍵として、世界はすでに“リニア型経済(Take?Make?Waste)”から、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への転換へと大きく舵を切り始めています。その中でも、近年問題が顕在化している「海洋プラスチック」「マイクロプラスチック」などを背景として、プラスチックの資源循環と高度リサイクル技術の開発が強く求められています。特に、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂は“溶けず・戻らず・再利用できない”という特性を持つため、いまだ確立したリサイクル技術がなく、産業界共通の大きな課題となっています。本講演では、この問題に対するブレークスルーとして、“高分子ネットワーク制御”を活用した資源循環型接着剤の最新研究をわかりやすく紹介します。動的共有結合、光応答性ネットワーク、再利用可能な接着技術など、次世代の接着剤設計の未来を紹介します。
1.サーキュラーエコノミーと接着剤
1.1 グローバルで加速するサーキュラーエコノミー
1.2 プラスチック材料と資源循環の最新動向
2.“易解体接着剤”の材料設計
2.1 熱・光・化学刺激で分解可能な技術の紹介
2.2 材料革新をもたらす「動的共有結合(Dynamic Covalent Bond)」とは
3.具体的な事例紹介
3.1 動的共有結合を含む資源循環型接着剤
3.2 光によってON/OFFできる次世代接着剤
3.3 バイオミメティクスを用いた最新設計例
4.まとめと展望
・資源循環社会を支える新しい材料像
【質疑応答】
セミナー講師
1.大阪公立大学 国際基幹教育機構 教授 博士(工学) 陶山 寛志 氏
2.東京大学 大学院工学系研究科 准教授 博士(工学) 正井 宏 氏
3. (国研)物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門 データ駆動高分子設計グループ 内藤 昌信 氏
セミナー受講料
1名につき 60,500円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円〕
受講について
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受講料
60,500円(税込)/人





