
セミナー趣旨
製品の低コスト化、軽量化に対する要求は高まるばかりです。それらの要求に応えるための有効手段の一つがプラスチックの活用でしょう。しかし、設計者がプラスチックの材料特性をしっかり理解した上で設計を行っているかというと、そうとはいえないケースが多いように感じます。
例えば、プラスチックには吸水性や劣化、粘弾性特性などの注意すべき特性があります。品質の高いプラスチック製品を設計するためには、そのような材料特性についてしっかり学んでおく必要があります。
しかし、設計者がプラスチックの材料特性について学ぶ機会は非常に少ないのが実情です。工学系の学校でも材料に関する授業は金属材料が中心です。企業内においてもプラスチックの材料特性について学ぶ機会は非常に少ないといわざるを得ません。プラスチックに関する書籍も多数出版されていますが、多くが材料自体の専門家や成形・金型の技術者に向けて書かれたものです。設計者が読むには難解すぎたり、知る必要のない内容だったりすることが多いといえます。
そこで、設計者を対象として、プラスチックの材料特性を学ぶセミナーを開催いたします。
本セミナーでは、設計において豊富な経験を持つ講師が、化学式などの難解な部分は極力省き、図や動画、多くの設計事例を用いてわかりやすく解説します。
本セミナーを受講することで、プラスチックを使った設計を行う際に注意すべき材料特性、さらに品質トラブルを低減するポイントを習得することができます。
受講対象・レベル
業務でプラスチックを使用する設計、生産技術、製造、品質部門の担当者
セミナープログラム
I.プラスチック材料の基礎知識
1. なぜこれほど使われるようになったのか?プラスチックのメリット
2. 市場で起きている不具合事例で考えるプラスチックのデメリット
3. これだけは押さえておきたい金属材料との違い
4. 熱硬化性プラスチックの種類と用途例
5. 熱可塑性プラスチックの種類と用途例
1-5-1 結晶性プラスチック/非晶性プラスチック
1-5-2 汎用プラスチック
1-5-3 エンジニアリングプラスチック
6. 環境配慮(リサイクル材料/再生材料)
7. 配合剤(添加剤)
II.プラスチックの基本特性と活用のポイント
1.物理特性と活用のポイント
2-1-1 MFR/MVRと分子量
2-1-2 成形収縮率
2-1-3 密度/比重
2-1-4 吸水率
2.機械特性と活用のポイント
2-2-1 引張特性
2-2-2 曲げ特性
2-2-3 衝撃特性
3.熱特性と活用のポイント
2-3-2 荷重たわみ温度
2-3-3 線膨張係数
2-3-4 熱伝導率
2-3-5 難燃性(燃焼性)
4.電気特性
III.トラブルを防ぐ!プラスチックの応用特性と活用のポイント
1.粘弾性特性と活用のポイント
3-1-1 クリープ
3-1-2 応力緩和2.劣化と設計のポイント
3-2-1 熱劣化
3-2-2 加水分解
3-2-3 紫外線劣化
3-2-4 劣化の寿命予測(アレニウスプロット)
4.耐薬品性と活用のポイント
5.加工特性と活用のポイント
セミナー講師
田口 宏之 氏
田口技術士事務所 代表
1976年長崎県長崎市生まれ。田口技術士事務所代表。技術士(機械部門)。
九州大学大学院修士課程修了後、東陶機器(株)(現、TOTO(株))に入社。
12年間の在職中、ユニットバス、洗面化粧台、電気温水器等の水回り製品の設計・開発業務に従事。金属、プラスチック、ゴム、木質材料など様々な材料を使った製品設計を経験。
また、商品企画から3DCAD、CAE、製品評価、設計部門改革に至るまで、設計業務に関するあらゆることを自らの手を動かして実践。それらの経験をベースとした講演、コンサルティングには定評がある。
セミナー受講料
33,000円(消費税込)
講師のプロフィール
中小製造業の製品設計の仕組み作りをお手伝いします!これからの時代、製品設計力強化が中小製造業の勝ち残る数少ない選択肢の一つです。
田口 宏之
たぐち ひろゆき / 福岡県 / 田口技術士事務所
受講料
33,000円(税込)/人
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