欧州における自動車業界のリサイクル動向と、国内企業に求められる対応

セミナー趣旨

  EUのグリーンディールとサーキュラーエコノミー行動計画を受けて、EU使用済み自動車(ELV)リサイクル規則法案の審議が続いている。欧州の関連機関から提出されている修正案の状況や、欧州委員会原案における再生材含有義務に関わる基本的な考え方などを紹介する。また、EUの状況を踏まえて日本企業の対応について議論する。

受講対象・レベル

・自動車メーカー
・自動車部品メーカー
・自動車の素材メーカー

必要な予備知識

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・EUサーキュラーエコノミー行動計画
・EU ELV指令
・EU ELV規則法案

習得できる知識

・EUのサーキュラーエコノミー政策とELV規則法案の関係
・再生プラスチック含有義務に関わる欧州委員会の基本的な考え方についての詳細
・欧州議会、EU理事会からの法案修正案の概要と今後の議論のポイント
・自動車に再生プラスチックを取入れることに関するわが国における課題と議論

セミナープログラム

第一部　喜多川和典 氏　13:00～14:10(予定)
「EU使用済み自動車リサイクル規則法案(ELV規則案)の検討状況と関連業界の動向」

■講座のポイント
EUのグリーンディールとサーキュラーエコノミー行動計画を受けて、EU使用済み自動車(ELV)リサイクル規則法案の審議が続いている。欧州の関連機関から提出されている修正案の状況や、欧州委員会原案における再生材含有義務に関わる基本的な考え方などを紹介する。また、EUの状況を踏まえて日本企業の対応について議論する。

■受講後、習得できること
・EUのサーキュラーエコノミー政策とELV規則法案の関係
・再生プラスチック含有義務に関わる欧州委員会の基本的な考え方についての詳細
・欧州議会、EU理事会からの法案修正案の概要と今後の議論のポイント
・自動車に再生プラスチックを取入れることに関するわが国における課題と議論

■受講対象
・自動車メーカー
・自動車部品メーカー
・自動車の素材メーカー

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・EUサーキュラーエコノミー行動計画
・EU ELV指令
・EU ELV規則法案

■講演中のキーワード
サーキュラーエコノミー、自動車リサイクル、再生プラスチック、資源循環、使用済み自動車、ELV

■講演プログラム
１．第2次CE行動計画における政策目標の進化と新しい重点政策
２．EU ELV指令・規則改正におけるリサイクルからリソーシングへの転換
３．再生プラスチック供給に関わるサプライチェーン管理の変革
４．EU ELV指令・規則改正における「持続可能な製品政策」の導入

第二部　美藤洋平 氏　14:25～15:35(予定)
「自動車のサーキュラーエコノミーに向けた包括的な材料開発の取り組み」

■講座のポイント
車両の電動化や軽量化が進む中、より高価なレアメタルやアルミ、樹脂部品の使用量が増えている。これらの材料は製造時CO2排出をはじめとする環境負荷が大きいものが多く、資源枯渇への対応のみならず、CO2低減に向けて資源循環をはじめとしたサーキュラーエコノミーの必要性が高まっている。日産では、環境経営計画であるニッサン・グリーンプログラムにてサーキュラーエコノミーコンセプトを掲げ、①資源の有効活用の推進、②資源循環、③クルマの資源として最大活用、のアプローチで推進している。本講演では、材料に関係の深い①②に関する包括的な取り組みについて触れていく。

■受講後、習得できること
・自動車用材料でのCEアプローチの概要と必要性
・自動車用材料リサイクルの現状と課題
・国内ELVリサイクルの現状と課題
・リサイクル促進に向けて取り組むべき方向性

■受講対象
・自動車の解体～中間処理～資源化まで関わる皆様
・自動車部品/材料メーカーの皆様

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・欧州ELV規制、バッテリー規制
・国内：自工会　再生樹脂の中長期ロードマップ

■講演中のキーワード
カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、資源循環、リサイクル、ELV

■講演プログラム
１．日産自動車の環境戦略・CEコンセプト
　1-1.日産グリーンプログラムの概要
　1-2.ニッサン・CEコンセプト
２．CN時代のCEの必然性
　2-1.自動車のCN課題
　2-2.製造時CO2削減アプローチ
　2-3.CEの必然性
３．日産自動車のCEの取り組み
　3-1.資源循環の考え方
　3-2.アルミ板のCEの考え方と取り組み
　3-3.鋼板のCEの考え方と取り組み
　3-4.樹脂のCEの考え方と取り組み
　3-5.バッテリーのCEの考え方と取り組み
　3-6.モーター磁石のCEの考え方と取り組み
４．現状の廃車リサイクルの課題とありたい姿
　4-1.ELVリサイクルの概要、現状と課題
　4-2.ELV回収の現状と課題
　4-3.ELV解体の現状と課題
　4-4.ELV破砕・選別の現状と課題
　4-5.ELV関連の規制動向
　4-6.ELVリサイクルのありたい姿
５．今後、取り組むべき方向性
　5-1.部品毎のリサイクル性
　5-2.材料リサイクルにおける経済公理性向上
　5-3.リサイクル性の向上に向けて

第三部　野田修嗣 氏　15:50～17:00(予定)
「経済合理性を超えるケミカルリサイクルが描く未来」

■講座のポイント
日本・世界の廃プラスチックの事情やリサイクル手法による違い、触媒を使用した油化技術、マスバランス方式やトレーサビリティ制度を活用した不正防止の仕組み、今後必要となる可能性が高い第三者による製品認証制度、ケミカルリサイクル技術を活用した日本型の循環型社会(公益的な資本主義)、経済合理性を超えたケミカルリサイクルを実現させるために必要なお金の成り立ちや財政出動などの貨幣観、理想となる世界を実現するために必要な具体的な方法論や公益資本主義についてなど幅広い視点から講演します。

■受講後、習得できること
・廃プラスチックの油化について
・ケミカルリサイクルの現状について
・マスバランス方式とトレーサビリティについて
・今後必要となる可能性が高い第三者による製品認証制度
・経済合理性を超えたビジネスモデルに必要となる貨幣観と公益資本主義

■受講対象
・廃プラスチックのリサイクル事業者
・市町村/各省庁関係者
・金融関係者/投資業界

■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・廃掃法
・消防法

■講演中のキーワード
廃プラスチック油化、ケミカルリサイクル、貨幣観、マスバランス方式、製品認証、公益資本主義

■講演プログラム
１．触媒を使用した廃プラスチックの油化技術とは
　1-1.廃プラスチック油化の歴史
　1-2.単純熱分解と触媒を使用した油化技術の違い
２．廃プラスチックのケミカルリサイクル技術とは
　2-1.ケミカルリサイクル技術とは
　2-2.油化技術の特長
３．世界と日本の廃プラスチック事情
　3-1.世界の廃プラスチックとリサイクル状況
　3-2.規制と事業化について
４．事業化のために必要となる制度
　4-1.マスバランス方式とトレーサビリティ
　4-2.第三者による製品認証制度
５．貨幣観について
　5-1.お金の成り立ちについて
　5-2.財政出動と税の本質
６．未来の理想像
　6-1.通常のビジネスモデル
　6-2.ケミカルリサイクルが描く未来の理想像

＊途中、小休憩を挟みます。

セミナー講師

公益財団法人日本生産性本部 コンサルティング部 エコ・マネジメント・センター長    喜多川 和典 氏
日産自動車株式会社 材料技術部 環境・サーキュラーエコノミーGr. 主管    美藤 洋平 氏
環境エネルギー株式会社 代表取締役     野田 修嗣 氏

喜多川和典 氏
■ご経歴
長年にわたり、行政・企業の環境に関わるリサーチ及びコンサルティングにあたる。
上智大非常勤講師、NEDO技術委員、JARC監事、自動車リサイクル高度化財団業務委託委員、
(一社)資源リバランス研究会理事、経済産業省循環経済ビジョン研究会委員(平成30年度～令和元年度)、
ISO TC323 Circular Economy 国内委員会委員(2019年～2023年3月)。
おもな著書に、「サーキュラーエコノミー　循環経済がビジネスを変える」勁草書房、
「環境・福祉政策が生み出す新しい経済“惑星の限界”への処方箋」岩波書店、
「プラスチックの環境対応技術」情報機構、「材料の再資源化技術事典」日本工業出版、
「プラスチックのケミカルリサイクル技術」シーエムシー出版(いずれも共著)がある。
■ご専門および得意な分野・ご研究
資源循環政策、サーキュラーエコノミービジネスモデル、プラスチックリサイクル
■本テーマ関連学協会でのご活動
廃棄物資源循環学会正会員　環境経済・政策学会正会員

美藤洋平 氏
■ご経歴
2005年に応用化学を修了後、日産自動車材料技術部に入社。
バイオ燃料対応や省燃費エンジン油開発といった燃料・油材開発を担当。
将来ニーズを捉えた材料技術開発戦略や資源価格高騰抑制のための開発戦略、
Renaultとのアライアンス技術企画を経て、2018年から主担としてCNやCEに関する全社環境戦略やTCFD対応などを担当。
その後、CN、CEに向けた材料開発戦略やバッテリーリサイクル材開発、車両プロジェクトでの製品含有化学物質管理など、
環境課題を幅広く担当。2024年に環境・CE材料開発グループ主管として、
CN、CE戦略、化学物質や車室内VOC管理に加え、金属、樹脂、電動PT用レアメタルに関するリサイクル材料の開発をリーディング。

野田修嗣 氏
■ご経歴
慶應義塾大学商学部卒業。IT関連会社を経て、家業である株式会社野田修護商店(木材輸入業)に入社。
同社にて環境エネルギー事業部を設立し、プラント事業を開始。その後、2013年5月環境エネルギー株式会社を設立。
廃プラ油化、SAF/バイオディーゼルの研究開発を行い、廃プラスチック、廃タイヤ、バイオ燃料関連の事業化を進めている。
■ご専門および得意な分野・ご研究
ケミカルリサイクル、プロセス開発

セミナー受講料

【オンライン受講（見逃し視聴なし）】：1名 46,200円(税込（消費税10％）、資料付)
＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円

【オンライン受講（見逃し視聴あり）】：1名 51,700円(税込（消費税10％）、資料付)
＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき40,700円

＊学校法人割引：学生、教員のご参加は受講料50％割引。

受講について

• 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
  （開催1週前～前日までには送付致します）
  ※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
  （土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。）
• 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
• Zoomを使用したオンラインセミナーです
  →環境の確認についてこちらからご確認ください
• 申込み時に（見逃し視聴有り）を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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