
データセンタ(DC)やAI、基地局向けの放熱/冷却技術の最新動向について詳細に解説して頂くことによって、関連業界の方々の今後の事業に役立てていただくことを目的とします。
セミナー趣旨
ChatGPTやDeepSeekをはじめとするAIの活用が広がり、コンピュータの処理量や通信量は急激に増加しています。いわゆるAIチップと呼ばれるNVIDEAのGPUの発熱量は1kW超に達し、冷却が最大の課題となっています。
これらデバイスの多くはデータセンターに置かれ、ラック当たりの消費電力が膨大になるため、空冷から液冷、沸騰冷却へと熱対策が進んでいます。
また、ユーザが利用するスマホやパソコンなどのエッジ機器に加えて常時接続車(コネクティッドカー)の増加によりデータセンター間のトラフィックが急増し、ネットワークや基地局の負荷も増大します。5Gも現在の低周波帯であるサブ6から高周波のミリ波帯へと移行することで熱問題はいよいよ深刻化します。
これらエレクトロニクス機器はスマホのような密閉ファンレス機器から強制空冷、水冷、沸騰冷却まで幅広い冷却技術を採用しており、これらを支える放熱材料やデバイスがキー技術になります。
本講ではこれらの新しい冷却手法について、伝熱の基礎から熱対策の実践方法まで幅広く解説します。
セミナープログラム
1.データ処理量の増加による冷却へのインパクト
・各分野の今後の動向 ~サーバー、通信、自動車、家電、生産~
・CASEやエッジコンピューティングによるエッジ機器の発熱増加
・5G機器は多様な冷却技術を駆使 伝導冷却・冷却デバイス、空冷・水冷
・なぜ熱対策が重要か? 熱を制しないと機能・性能が発揮できない時代に
2.熱設計に必要な伝熱知識
・熱移動のメカニズム ミクロ視点とマクロ視点、熱の用語と意味
・すべての伝熱現象をオームの式で統一して扱う
・4つの基礎式から熱対策パラメータを導く
・機器の放熱経路と熱対策マップ
・放熱ルートは2つ
3.エッジ機器(スマホ・基地局)はファンレス主体の伝導冷却
・スマホの主要熱源と今後の予測
・スマホ(iPhone13~16)の構造と放熱ルート
・グラファイトシートとべーパーチャンバーソフトの活用
・基地局(スモールセル)の構造と放熱(RRHとBBU)
・今後要求される冷却デバイス、材料の性能
4.放熱材料(TIM)・放熱デバイスの特徴と選定法
・TIMの種類と特徴
・TIMの選定における注意点、評価方法、ポンプアウト対策
・新しい材料のトレンド(ギャップフィラ、PCM、液体金属)
・冷却デバイス(ヒートパイプとベーパーチャンバー)の種類と動作
・ヒートパイプの種類と使用事例、使用上の注意
5.高集積高速デバイスや電源(パワーデバイス)の冷却
・チップレットや3次元実装によるインパクト
・空冷ヒートシンクとファン、冷却デバイスを使った基本構造
・使用するヒートシンクの種類と性能
・強制空冷ファンの特性と選定方法、使い方
・PUSH型PULL型の選定とメリット・デメリット
6.データセンターの熱問題と今後のサーバー冷却
・データセンターの熱問題とその解決策
・水冷化のメリット・デメリット
・間接液冷の注意点、コールドプレートの設計
・最新冷却技術とその課題
・浸漬冷却、沸騰冷却の現状と今後、冷媒の課題
10:00~12:00 前半
12:00~13:00 休憩 (1時間)
13:00~16:00 後半
※講演中、適宜休憩(5分~10分程度)を設けます。
※質疑応答(5分程度)を設けます。
セミナー講師
株式会社サーマルデザインラボ 代表取締役 国峯 尚樹 氏
セミナー受講料
1名様 49,500円(税込) テキストを含む
受講料
49,500円(税込)/人
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