ナノカーボン材料の分散とその評価について〜液体中のCNT・グラフェン〜
開催日 |
10:30 ~ 16:30 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 情報機構 |
キーワード | 炭素系素材 化学反応・プロセス 薄膜、表面、界面技術 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【品川区】きゅりあん |
交通 | 【JR・東急・りんかい線】大井町駅 |
ナノカーボン材料を液体中に分散させるための手法を
まとめて解説!
セミナー講師
山形大学 大学院有機材料システム研究科 教授 理学博士 佐野 正人 先生
セミナー受講料
1名43,000円 + 税、(資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき33,000円 + 税
※消費税につきましては講習会開催日の税率にて課税致します。
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
セミナー趣旨
カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボン材料を液体中に分散させるには、
まず凝集体をほぐし、続いて個々に遊離したナノカーボンを再凝集させないように液体中で
安定化させる必要がある。ほぐすには、ナノカーボンの凝集エネルギーよりも高いエネルギーを
加えればよいが、ナノカーボン自体を破壊しないようにしなければならない。また、安定化の
万全策はないので、これまで培われてきた手法の長所・短所を見極めて、目的に合った
最適手法を選択する必要がある。
ここでは、これらの手法に関する物理化学の基礎をまとめて解説する。
また、ナノカーボンが分散液体中でどのような状態にあるのかを評価することも重要である。
しかし、多くの顕微鏡手法では、ナノカーボンを基板表面上に固定して、乾燥した状態でしか
観察することができなかったため、試料作製時の固定化や溶媒除去プロセスが観察される構造に
影響していた。最近、我々は、液中に浮遊しているグラフェンを直接観察することのできる
顕微鏡の開発に成功した。通常の光学顕微鏡のように簡便・容易な操作で、観察には数分を
要するだけである。この最先端技術を適応することで、液中に漂う個々のグラフェン片の
「ありのまま」の形状、大きさ、厚さ(層数)などがリアルタイムでその場観察できる。
また、各片の酸化度の違いなども識別できる。
必要な予備知識
大学の物理化学入門レベルを学習した人
習得できる知識
・分散法の適正性や限界の予測
・最先端の分散評価技術
セミナープログラム
- ナノカーボンの種類
- なぜナノカーボンがおもしろいか
- フラーレン
- 単層および多層カーボンナノチューブ
- 極細炭素繊維
- グラフェン
- ナノカーボン分散の基本的操作
- 凝集体をほぐす
- 遊離したナノカーボンの分散安定化
- どのくらい強く凝集しているのか?
- ファンデルワールス相互作用とは?
- ナノカーボンのファンデルワールス相互作用
- 単層カーボンナノチューブ
- 多層カーボンナノチューブ
- グラフェン
- 疎水性相互作用
- どのくらいのエネルギーでCNTは切れるのか?
- 長さ依存性
- CNTの引張り強度
- ほぐす操作はどのくらいのエネルギーを与えているのか?
- ポリマーとの混錬
- 超音波照射
- 超音波照射の効率化
- グラフェンをほぐす
- 超音波法
- 酸化法
- インタカレーション法
- 速度論的安定化
- DLVO理論
- 単層CNTのShultz-Hardy則
- 高粘性媒体
- 希薄化
- エネルギー的安定化
- 静電的斥力
- 界面活性剤の臨界表面凝集濃度
- 立体障壁
- 汎用分散剤の例
- ナノカーボン特有分散剤の例
- 疎水性相互作用の最小化
- 表面粗さ
- 親水基の導入
- ポリエチレングリコール鎖の不思議
- 分散に向けたナノカーボンの化学反応
- 再現性の確認された反応
- マイクロ波応用
- 市販ナノカーボンの分散
- 形状の影響
- 欠陥の影響
- 不純物の影響
- 汎用分散評価法
- 各種顕微鏡
- パーコレーション閾値
- 紫外―近赤外吸収分光
- レイリー散乱とミー散乱
- トワイライト蛍光顕微鏡
- 液中分散ナノカーボンの観察原理
- 顕微鏡の構成
- 観察条件の最適化
- 観察例1:超音波照射
- 観察例2:還元反応