耐指紋・防汚性材料の設計,評価,応用,今後の展望

AR/VR/XR,車載タッチパネルなどの新デバイスの耐指紋ニーズとは? 
耐熱性,繰り返し耐久性,光学特性への影響,耐指紋とPFAS問題との関係性は? 

セミナープログラム

【10:00〜11:30】第1部 指紋・汚れの付着メカニズムとこれから求められる耐指紋・防汚材料への機能性付与 

 ●講師 南保技術研究所 所長 工学博士 南保 幸男 氏

【講座の趣旨】
携帯端末や家電,ショールーム,照明器具のような最近の持ち運びでの人が触れること による汚れが目立つようになり,衛生的で見た目にも清潔な表面の美観維持の技術が必要となっている。今回,指紋汚れの成分とその付着機構の解析により,その汚染対策について評価実例を 交えて紹介する。

【セミナープログラム】
1.指紋汚れ成分について
  1.1 皮脂由来の汚れについて
  1.2 発汗,皮膚代謝物,粉塵汚れについて
  1.3 指紋汚れの油性構成,酸性度,について

2.指紋汚れの付着機構について
  2.1 皮膚の構造 皮丘,皮溝について
  2.2 指紋の構造とその表面の汚れについて
  2.3 指紋汚れの付着するメカニズムについて

3.指紋汚れ防汚機構(付着防止)について
  3.1 撥水,撥油機能膜による加工
  3.2 付着しにくい表面構造の設計

4.指紋汚れを脱落,洗浄の方法について
  4.1 洗浄剤の選定
  4.2 その洗浄システムと装置
  4.3 再汚染防止での加工

5.トータル的な指紋汚れへの対策について
  5.1 はじく--汚れを寄せ付けない
  5.2 取れやすい--付着するがすぐ落とせる
  5.3 目立たせない--汚れが拡散し見えにくくする

6.耐指紋,防汚性の評価方法について
  6.1 撥水,撥油性,親水性,接触角測定
  6.2 汚染物(汗,水性,皮脂,油性,酸,アルカリ,界面活性剤)スポット試験
  6.3 耐久,耐候性(促進試験,暴露試験,実用試験)
  6.4 実使用条件との汚れ具合の相関性,まとめ

7.最近の評価実例についての紹介
  7.1 携帯端末表面への加工
  7.2 家電器具への加工
  7.3 ショールーム,照明器具等への加工

【質疑応答】



【11:40〜12:40】第2部 「フッ素フリー撥水撥油材」の構造,機能,防汚材料などへの可能性 

 ●講師 (株)KRI スマートマテリアル研究センター ハイブリッドマテリアル研究室 技術士(化学部門) 伊藤 玄 
 

【講座の趣旨】
昨今のPFAS規制の議論もありフッ素フリー材料の需要が高まっている。 株式会社KRIで開発した,有機−無機ハイブリッド技術の適用により 撥水撥油性や防汚性を発現するフッ素フリー材料について解説する。 

【セミナープログラム】
1.KRIとは(会社紹介)
2.PFAS規制の動向
  2.1 フッ素規制の概要
  2.2 PFAS規制に該当するフッ素化合物
  2.3 国内外の動向

3.一般的な撥水撥油材について
  3.1物理因子
  3.2化学因子

4.フッ素フリー撥水撥油材について
  4.1ハイブリッド系
  4.2メチルシラン系
  4.3防汚性

【質疑応答】



【13:30〜14:30】第3部 シリカナノ粒子を用いた指紋や汚れの対策技術

 ●講師 DIC(株) R&D統括本部 アドバンストマテリアル開発センター 無機材料開発グループ マネジャー 田淵 穣 氏

【講座の趣旨】
 表面を親水化することにより,汚れの易除去性(水のみで洗浄可能),防曇性(水滴を作らず濡れ広がる),帯電防止性(空気中の湿気を吸着して静電気を抑える)などの特性を付与することができる。また,親油化によっては油(脂)汚れを目立たなくすることができる。本セミナーでは親水性物質であるシリカナノ粒子について,基礎,作り方の一例について紹介し,応用としてこれを用いた超親水膜について述べる。

【セミナープログラム】
1.親水性膜と親油性膜
  1.1 親水性,疎水性
  1.2 親水性膜と親油性膜
  1.3 撥水性(撥水撥油,撥水親油)
  1.4 超親水性膜

2.超親水膜とその特長
  2.1 超親水性膜の特長
    2.1.1 汚れを落としやすい
    2.1.2 視認性向上
    2.1.3 速乾性
    2.1.4 冷却性
    2.1.5 帯電防止性
    2.1.6 各種塗料やインクの濡れ性,密着性向上
  2.2 超親水性膜の課題

3.シリカナノ粒子とそれを用いた超親水性膜
  3.1 ゾルゲル法(アルコキシド法)の基礎
  3.2 シリカナノ粒子の合成方法例
  3.3 シリカナノ粒子の作製例
  3.4 シリカナノ粒子分散液の調製
    3.4.1 シリカナノ粒子の合成
    3.4.2 濃縮および溶媒置換
    3.4.3 表面シラノール基密度の測定方法
  3.5 超親水性膜の作製

4.応用例
  4.1 市販親水性膜の紹介
  4.2 超親水性膜の応用展開

【質疑応答】



【14:40〜15:40】第4部 「無機 有機ハイブリッド技術による防汚性付与について」

 ●講師 (地独)東京都立産業技術研究センター 研究開発本部 機能化学材料技術部 プロセス技術グループ 研究員 佐熊 範和 
 

【講座の趣旨】
種々のシランカップリング剤を反応中心とし,無機ナノシリカと有機ポリマーの共有結合型ハイブリッド樹脂を 開発し,機能性コーティング分野へ展開した。 その中で,撥水・撥油,親水,親油のハードコート設計について解説する。 

【セミナープログラム】
1.無機.有機ハイブリッド材料
  1.1 無機.有機ハイブリッド樹脂の基礎(ハイブリッドとは)
  1.2 種々のハイブリッド樹脂(熱硬化,UV,水性)
  1.3 UV硬化型無機.有機ハイブリッド樹脂(複合架橋,UV硬化機構)

2.ハイブリッド型ハードコート材料
  2.1 ハードコートを考える
  2.2 ハイブリッド型ハードコート材の樹脂設計(粒子ハイブリッドの考え方)
  2.3 " 硬さ" の測定方法(JIS k7317)
  2.4 表面硬度と耐擦傷性
  2.5 硬さが出る原料,出ない原料
  2.6 見える傷と見えない傷
  2.7 もっと硬く,更に硬く

3.機能性ハードコーティング
  3.1 ナノ粒子を使いこなす
  3.2 機能性ハードコートの設計
  3.3 種々の機能性ハードコート

4.ハイブリッドコーテイングによる防汚技術
  4.1 親水性ハイブリッドコーティング
  4.2 撥水性ハイブリッドハードコーティング
  4.3 親油性ハイブリッドコーティング
  4.4 撥水・撥油,汚染除去性UV硬化型ハイブリッドハードコーティング

【質疑応答】



【15:50〜14:00】第5部 〜中国,新興国,欧米など〜 耐指紋・防汚に関する材料や開発のマーケットおよびトレンド

 ●講師  HAEWON T&D Ltd. 顧問 桐原 修 氏


【セミナープログラム】
1.「指紋」を気にする世代や地域に傾向はあるのか?

      ●老若男女での意識の差
      ●富裕層と中産層との意識の差
      ●日米欧中などの地域性,気候条件など

2.海外での「指紋付着性防止」,「指紋拭取り性向上」に対するニーズや
  市場規模はどのくらいか? どちらの機能が求められているのか?
      ●「指紋付着性防止」か?「指紋拭取り性向上」か?
      ●欧米,中国,その他

3.携帯機器,電化製品,交通機関やATM,自動車など「耐指紋」材料の
  使われる製品や場所で,日本と異なるケースはあるのか?
      ●欧米,中国,その他

4.海外メーカーと日本のメーカーとでは,耐指紋に関する意識の差,
  採用するにあたっての要求特性や求める物の違いはあるのか?
      ●欧米,中国,その他

5.「指紋」を含めた汚れや耐キズ性なども含め,保護マテリアルに関する
  研究開発に積極的な海外メーカーや海外の研究機関はどこか?
      ●欧米,中国,その他

【質疑応答】

   

セミナー講師

【第1部】南保技術研究所 所長 工学博士 南保 幸男 氏 
【第2部】 (株)KRI スマートマテリアル研究センター ハイブリッドマテリアル研究室 技術士(化学部門) 伊藤 玄 氏 
【第3部】DIC(株) R&D統括本部 アドバンストマテリアル開発センター 無機材料開発グループ マネジャー 田淵 穣 氏
【第4部】(地独)東京都立産業技術研究センター 研究開発本部 機能化学材料技術部 プロセス技術グループ 研究員 佐熊 範和 氏
【第5部】HAEWON T&D Ltd. 顧問 桐原 修 氏

セミナー受講料

1名につき66 ,000円(消費税込み,資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につ60,500円〕

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10:00

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66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

無機材料   ナノ構造化学   塗装・コーティング

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