固体高分子の破壊とタフニング【オンデマンド配信】
高分子は何故壊れるのか?壊れないようにするにはどうすればよいのか?
約12時間にわたってじっくり徹底的に解説します!
本セミナーでは、高分子材料の破壊メカニズムと高い耐衝撃強度あるいはタフネスを付与する方法について解説する
本セミナーは、講師が2023年2月~7月にかけて作成した音声とポインターの動きが記録されているパワーポイントを再生し、その模様を録画・編集した動画となります。
日時
2024年3月28日(木) まで申込受付中/※ 映像時間 約12時間
※主催者でお申込み受付後、30日間ご視聴いただけます。
セミナー趣旨
プラスチック、ゴムあるいはその複合材料の固体高分子に高い耐衝撃強度あるいはタフネスを付与することはそれらの製品の信頼性を確保するためには基本的である。繊維の高い強度から推察されるように高分子は分子鎖を構成する共有結合に由来して優れた強度を持ち、その重量は小さい。軽く高い強度をもつ構造体が期待出来る。そのような固体高分子の優れた機能を効率よく実現するにはどのように設計するかについては、十分に理解されているとは言えない。
本セミナーでは固体高分子のぜい性破壊は高分子に存在する欠陥によるひずみの拘束による高い応力集中に起因することを理解し、そのような高分子のタフネスを改善するにはそのひずみの拘束を高分子の複合構造を調整して小さく設定することにより実現出来ことを解説する。
受講対象・レベル
基礎的な材料力学、及び高分子材料の基礎的な力学の知識を持っている方が望ましい
習得できる知識
・高分子材料の破壊の機構
・破壊を抑制し、信頼出来る強度設計の概念
・ひずみの拘束の解放の概念による高分子材料のタフネス改善の為の種々の具体的手段
・高い剛性とタフネスが両立した高分子複合材料の強度設計
セミナープログラム
0.はじめに
1.材料強度の基礎
1.1 固体の変形と強度
1.2 固体の変形と応力集中
1.2.1 せん断変形が支配的な変形
1.2.2 体積変形が支配的な変形
1.2.3 ひずみの拘束による応力集中の機構
1.3 応力集中の緩和とタフニング
2.高分子材料の変形と破壊
2.1 せん断変形支配の高分子材料の変形と破壊
2.1.1 高分子固体の塑性変形
2.1.1.1 結晶性高分子材料の塑性変形
2.1.1.2 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
2.1.2 高分子材料のソフトニングとネッキング
2.1.3 配向硬化
2.1.4 せん断変形支配の下での破壊
2.1.4.1 熱可塑性高分子の破壊
2.1.4.2 熱硬化性高分子の破壊
2.1.5 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
2.1.6 クリープ負荷での塑性変形
2.2 体積変形支配の高分子材料の変形と破壊
2.2.1 球殻におけるボイドの拡張とその安定性
2.2.1.1 ボイドの塑性変形による拡張とその安定性
2.2.1.2 ボイドの非線形弾性変形による拡張
2.2.2 ひずみの拘束の下でのボイドの拡張と安定性
2.2.3 ひずみの拘束の下でのボイドからの破壊挙動
2.2.3.1 純粋伸張試験におけるゴムの破壊
2.2.3.2 切り欠きによるひずみの拘束の下での熱可塑性高分子の破壊
2.2.4 切り欠き用いたひずみの拘束の下での非晶性ガラス状高分子のぜい性破壊の開始条件の評価
2.2.5 結晶性高分子の不安定変形とその温度依存性
2.2.6 変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
2.2.7 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
2.2.8 アルミニュウム合金の破壊との比較
3.高分子構造体の強度設計とその評価
3.1 高分子構造体の強度設計とタフニング
3.2 非線形解析による高分子の強度設計
3.2.1 非晶性ガラス状高分子(PC))の強度設計
3.2.1.1 PCの真応力-ひずみ曲線の推定
3.2.1.2 PC構造体の破壊条件の推定
3.2.1.3種々の境界条件でのPC構造体のタフネスの予測
3.2.1.3.1 切り欠き先端半径の効果
3.2.1.3.2 リガメントの厚さの効果
3.2.1.3.3 試験片の幅の効果
3.2.2 結晶性高分子(POM))の強度設計
3.2.2.1 POMの真応力-ひずみ曲線とボイドの形成と拡張状態の推定
3.2.2.2 POMの破壊条件の推定
3.2.2.3 種々の境界条件でのPOM構造体のタフネスの予測
3.2.2.3.1 切り欠きの先端半径の効果
3.2.2.3.2 リガメントの厚さの効果
3.2.2.3.3 試験片の幅の効果
3.3 プラスチックのタフネスの評価方法と境界条件
3.4 高分子材料の破壊条件と破壊力学
4.微細構造の調整によるタフニング
4.1 数平均分子量がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
4.2 分子量分布の幅がクレイズ強度と粘度に及ぼす影響
4.3 i-PPの立体規則性がクレイズ強度に及ぼす影響
4.4 共重合がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
5.ひずみの拘束の解放によるタフニング
5.1 体積弾性率の低減によるひずみの拘束の解放と応力集中の緩和
5.1.1 ボイドによる体積弾性率の低減機構
5.1.2 ひずみの拘束の解放による応力集中の緩和
5.1.3 Gurson モデルを用いた非線形解析(関連流動則) によるポリマーアロイのタフネスの予測
5.1.4 修正Gurson(非関連流動則) モデルよるポリマーアロイのタフネスの予測
5.2 エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
5.2.1 分散相の強度がタフネスに及ぼす影響
5.2.2 ボイドの分散状態が塑性不安定に及ぼす影響
5.2.3 マトリックス樹脂の配向硬化とタフネス
5.2.3.1 部分架橋による配向硬化の調整
5.2.3.2 結晶化条件による配向硬化の調整
5.2.4 複合構造のエラストマーをブレンドした樹脂のタフネス
5.2.5 熱可塑性エラストマーと樹脂の相溶性がタフネスに及ぼす影響
5.2.6 流動による分散相のエラストマーの配向がタフネスに及ぼす影響
5.2.7 表面劣化によるぜい性化のエラストマーブレンドによる抑制
5.3 他の体積弾性率の緩和につての試み
6. 高い剛性とタフネスが両立したプラスチック複合材料の強度設計
6.1 無機微粒子のブレンドによるタフニング
6.2 繊維の充填によるタフニング
6.2.1 繊維と樹脂が強い界面強度を持つ場合
6.2.2 繊維と樹脂の界面が適切な強度ではく離
6.2.3 界面強度の調整によるタフネスの改善の例
6.2.3.1 酸変性低分子量PE改質材によるガラス繊維充填PCのタフニング
6.2.3.2 アラミド繊維によるPLAの弾性とタフネスの改善
7.終わり
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