鮮度保持包材による開発事例と性能評価技術
開催日 |
10:00 ~ 17:00 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 技術情報協会 |
キーワード | 高分子・樹脂材料 食品包装 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【品川区】技術情報協会セミナールーム |
交通 | 【JR・地下鉄】五反田駅 【東急】大崎広小路駅 |
青果物の水分量変化と鮮度劣化のメカニズム!
包材の鮮度保持機構
セミナー講師
1.神戸大学 大学院農学研究科 食料共生システム学専攻
生物生産情報工学研究室 助教 黒木 信一郎 氏
2.住友ベークライト(株) フィルム・シート営業本部
P-プラス・食品包装営業部 評価CSセンター長 溝添 孝陽 氏
3.東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授 牧野 義雄 氏
4.フタムラ化学(株) 中部統括開発グループ グループリーダー 花市 岳 氏
セミナー受講料
1名につき60,000円(消費税抜、昼食・資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円〕
セミナープログラム
【10:00-11:30】
1.水分損失の観点から見た青果物の鮮度劣化メカニズム
講師 神戸大学 大学院農学研究科 食料共生システム学専攻
生物生産情報工学研究室 助教 黒木 信一郎 氏
【習得できる知識】
収穫後の青果物の水分損失メカニズムについて、外部環境との関係のみならず、
青果物内部の水移動に踏み込んだ知見を習得できる。
【講座の趣旨】
食料の不要な廃棄・ロスを削減するには、青果物の鮮度劣化を抑制する技術が必要である。
またそのためには、収穫後生理を理解する必要がある。本講演では、特に水分損失の観点から
見た鮮度劣化の測定手法について紹介する。
1.細胞間隙:水とガスの通路が収穫後にどう変わるか
1-1 細胞間隙の機能
1-2 X線CTによる細胞間隙の可視化
1-3 間隙閉塞がもたらす収穫後生理
2.水分損失の組織特異性
2-1 MRIによる水分布の経時変化の可視化
2-2 水の運動性の分布と収穫後生理
3.細胞膜の物性と鮮度劣化
3-1 細胞膜水伝導係数(水透過係数)
3-2 アクアポリンの関与とその収穫後の経時変化
3-3 細胞膜の化学変化と膜物性
3-4 細胞膜物性を指標とした青果物品質評価技術の開発に向けて
【質疑応答】
【12:10-13:40】
2.鮮度保持フィルムP-プラスの開発事例
講師 住友ベークライト(株) フィルム・シート営業本部 P-プラス
・食品包装営業部 評価CSセンター長 溝添 孝陽 氏
【習得できる知識】
青果物の呼吸と鮮度保持メカニズムが理解でき、野菜、果実、キノコ、
花などの開発事例に加え、最新の鮮度保持フィルムとして結露防止フィルム、
防カビフィルムなどの知識も習得できる。
【講座の趣旨】
鮮度保持の基礎から応用まで幅広く紹介する
1.鮮度保持のメカニズム
1-1 青果物の呼吸
1-2 呼吸抑制の方法
1-3 P-プラスの鮮度保持の仕組み
2.野菜の開発事例
・果菜類(エダマメ、コーン)
・葉茎菜類(ホウレンソウ、ブロッコリー)
・菌茸類(シイタケ、エノキ)
・根菜類(ジャガイモ、サツマイモ)
3.果実の開発事例
・カンキツ類(レモン、不知火)
・ブドウ(シャインマスカット)
・リンゴ(フジ、王林)
・柿
・熱帯性果実(バナナ)
4.カット野菜の開発事例
・コンシューマー用(千切りキャベツ)
・業務用(カットタマネギ)
5.花の開発事例
・リンドウ、カーネーション、キク
6.輸出の開発事例
・サツマイモ、イチゴ、柿、メロン、ブドウ
7.新製品、開発品
・結露防止フィルム
・防カビフィルム
【質疑応答】
【13:50-15:20】
3.青果物品質および鮮度の定量化技術
講師 東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授 牧野 義雄 氏
【習得できる知識】
青果物の品質・鮮度評価の考え方と評価用データの測定法並びにデータ処理法の習得が可能
【講座の趣旨】
青果物の品質・鮮度の評価基準は曖昧であり、主観的な手法に頼る傾向がある。
本講座では、青果物の特性を考慮した有力な客観的鮮度定量化技術を、
最新の研究成果とともに紹介する。
1.青果物品質・鮮度評価の重要性
2.青果物品質・鮮度に影響を及ぼす外的要因
3.青果物の鮮度保持・品質制御技術
4.青果物品質・鮮度の定量化技術(従来法)
4-1 品質・鮮度評価の考え方
4-2 主な鮮度評価指標
4-3 水分・目減り・萎凋
4-4 L-アスコルビン酸
4-5 硬度
4-6 細胞膜劣化
5.青果物品質・鮮度の定量化技術(最近の研究例)
5-1 インピーダンス
5-2 発現遺伝子
5-3 呼吸酵素
5-4 メタボロミクスと機械学習を併用した定量化技術
6.鮮度定量化の現状と課題
【質疑応答】
【15:30-17:00】
4.プラスチックフィルムを使った鮮度保持技術と脱プラスチック問題
講師 フタムラ化学(株) 中部統括開発グループ グループリーダー 花市 岳 氏
【習得できる知識】
鮮度保持包装の必要性。通気性と鮮度保持の関係。
鮮度保持フィルムの種類と原理。生分解性フィルムの種類。
プラスチック包装材をめぐる環境問題の概要と原因。
【講座の趣旨】
近年、スーパーだけでなくコンビニエンスストアでも青果物を積極的に扱うようになり、
一日でも長く品質を保つ技術は収益に直結する時代となった。今回は、プラスチックフィルムを
使った鮮度保持技術について他社技術を含め違いを解説し、同時に昨今の脱プラスチック問題に
どう対応していけばいいのかについても説明する。今後、包材を駆使してフードロスを取るか
環境を取るかの難しい判断が必要となることが予想され、その考え方の本質を理解していけるような
内容とした。
1.青果物包装の現状
1-1 3分の1ルール
1-2 賞味期限と消費期限
1-3 青果物販売の傾向
1-4 鮮度保持包装の市場規模
2.鮮度保持フィルムの種類
2-1 微孔フィルム
2-2 活性フィルム
2-3 無孔通気性フィルム
2-4 生分解性フィルム
3.フードロスか環境か
3-1 世界的な環境政策の動き
3-2 国内での環境政策の動き
3-3 包装材はどう対応していけばいいのか
4.おわりに
4-1 フィルム包装以外の鮮度保持手法
4-2 ハイブリッド思考
【質疑応答】