レオロジーを特許にする方法~レオロジー量の権利化とパラメータ特許の留意点~

レオロジー数値を特許とするための要件を分かりやすく解説! レオロジー特許に関する実際の事件についても触れるため、権利解釈とその判断について理解を深めていただけます!

セミナー趣旨

 新材料の発明に際して特許を申請するとき、その請求項としては構造あるいは組成が主であり、物性はそれに付随するものとして取り扱われるのが普通です。しかし、ある機能を実現するためにレオロジー的性質が極めて重要で本質的である(臨界的意義を有する)場合、既存の材料であっても進歩性という観点から粘度や粘弾性などのレオロジー量が特許として権利化されることがあります。技術的対象を特定するために数値範囲を限定した特許はパラメータ特許と呼ばれていますが、権利化のためには機能と数値範囲との関係を定量的に説明できることが要件となります。
本セミナーでは、工業材料の代表として高分子と微粒子分散系に焦点を絞り、レオロジー数値を特許とするために必要な粘度や粘弾性量の定義、測定技術とデータ解釈、メカニズムの基礎理論について経験をまじえてわかり易く解説します。特許戦略という観点から実際の事件にも触れますので、権利解釈とその判断についても理解を深めていただけるものと考えます。

●キーワード
 数値限定発明、特許異議の申立て、非ニュートン流動、チクソ性、動的粘弾性、降伏応力、B型粘度計、高分子材料、微粒子分散系

習得できる知識

・特許要件としての進歩性に基づいてレオロジー値を評価する手法について習得できるようになります。
・レオロジー物性を的確に把握するための粘度および粘弾性測定に関するノウハウについて知見が得られるようになります。
・高分子材料と微粒子分散系について粘弾性的現象論と構造論的メカニズムとを関係づけて解釈する基礎がわかるようになります。

セミナープログラム

1.パラメータ特許の概要

2.粘度および粘度曲線の特許化
 2.1 粘度挙動の基礎
  1)粘度の定義とニュートン流動
  2)非ニュートン流動(擬塑性流動とダイラタント流動)
  3)粘度の時間依存性挙動(チクソトロピー)
  4)技術用語「チクソ性」のあいまいさ
 2.2 粘度測定における留意点
  1)JISに規定されている粘度測定法の特徴
  2)B型粘度計における粘度測定
  3)粘度の履歴現象と平衡流動曲線
  4)降伏応力の測定と評価
 2.3 高分子と分散系の粘度挙動に関する材料科学の基礎
  1)高分子の分子運動と分子形態
  2)低濃度高分子溶液のゼロせん断粘度と分子量
  3)高分子鎖のからみあい
  4)高濃度高分子溶液の非ニュートン流動
  5)微粒子分散系のおける粒子間相互作用と凝集
  6)凝集分散系の非ニュートン流動
 2.4 粘度挙動に関する特許の例
  1)粘度値による特許
  2)流動曲線による特許
  3)粘度特許の解釈と技術的あいまいさ

3.動的粘弾性値の特許化
 3.1 粘弾性の基礎
  1)弾性と粘性の基礎
  2)粘弾性モデル(マックスウェルモデルとフォークトモデル)
  3)動的粘弾性(複素弾性率)の定義
  4)動的粘弾性曲線の特徴
  5)動的粘弾性曲線による固体と液体の判別
 3.2 高分子と分散系の粘弾性挙動に関する材料科学の基礎
  1)高分子の分子運動と温度
  2)無定形高分子における時間―温度換算則
  3)高分子の粘弾性挙動と分子量
  4)高分子における高次構造性と粘弾性
  5)分散系における微粒子の凝集と三次元網目構造の形成
  6)凝集分散系の動的粘弾性曲線
 3.3 粘弾性に関する特許の例
  1)粘弾性値に関する特許
  2)粘弾性特許の解釈と技術的あいまいさ

4.レオロシ゛―特許に関わる具体例(事件)の解説
 4.1 権利解釈と判断
  1)異議申し立てに対する対応と判断事例
  2)効果(発明の課題)とレオロジー量との関係についての判断事例
 4.2 レオロシ゛―特許取得に際しての経験と留意点
  1)権利化(公表)しない選択
  2)米国特許取得の経験談
  3)学術論文と特許

<質疑応答>

セミナー講師

千葉大学 名誉教授 工学博士 大坪 泰文 先生

セミナー受講料

【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
 *1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円

【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
 *1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

※本講座は、お手許のPCやタブレット等で受講できるオンラインセミナーです。

配布資料・講師への質問等について

  • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
    (開催1週前~前日までには送付致します)。

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    (土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
  • 当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
    (全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。)
  • 本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり、
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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:30

受講料

41,800円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   応用物理一般   知的財産マネジメント

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