高分子複合材料設計に活用するレオロジーの基礎と制御

~複合化に関わるメカニズムとレオロジー物性との関係~

■高分子の粘弾性的現象論と分子論的メカニズムとの関係■
■材料設計に反映できる複合化による粘弾性的性質の改善■
■レオロジーの技術としての高分子複合材料の設計・制御への活用■

ブレンド、アロイ、分散系・・・複合化・混合を上手に行うための高分子のレオロジー特性、制御の理解
複合化による高分子材料の特性付与・機能性向上のためのレオロジーからのアプローチ
高分子レオロジーの基礎からはじめるので、これから高分子に携わろうとする方でも理解できるように解説
高分子の複合化に取り組んでいる方、これから取り組む方は是非
レオロジーを複合化の技術として活用するためのコツ

日時

【Live配信】 2023年5月30日(火) 13:00~16:30
【アーカイブ配信】 2023年6月7日(水) から配信開始予定(視聴期間:6/7~6/20)

セミナー趣旨

 レオロジーが主に扱うのは粘弾性という力学挙動であり、典型的な対象物質は高分子です。高分子は、単純化するとひものように長い分子であり、この鎖状分子の運動と粘弾性との関係解明を基盤としてレオロジーは発展してきました。
 本セミナーのテーマは高分子複合材料ですが、まずは基本となる無定形(ランダムな鎖状態)単分散(分子量分布のない)高分子の粘弾性につき理解いただくことからスタートします。工業材料として多くの高分子が多様な形態で使用されていますが、無定形単分散高分子に対して付加的な分子間相互作用の導入あるいは他の材料との混合などにより性能向上が図られております。これらの効果を本セミナーでは複合という言葉に含め、後半では技術的応用という観点から複合化に関わるメカニズムとレオロジー物性との関係について説明します。

受講対象・レベル

 固体、液体を問わず、材料科学的に高分子に関わる技術者が対象になりますが、特にその性能向上のための手段として複合化に取り組んでいるようであればいっそうわかりやすいと思います。受講に際して特別の予備知識は必要ありません。教科書に書かれている高分子レオロジーの基礎から始めますので、これから高分子に携わろうとする初心者でも理解できる構成になっています。

習得できる知識

・基礎科学として高分子の粘弾性的現象論と分子論的メカニズムとの関係が理解できるようになります。
・複合化による粘弾性的性質の改善に基づき材料設計に反映するための知識を得ることができるようになります。
・レオロジーを技術として活用するためのコツが把握できるようになります。

セミナープログラム

1.レオロジーの基礎
 1.1 連続体力学の基礎
  (1)ひずみ
  (2)ひずみ速度
  (3)応力
 1.2 粘度と非ニュートン流動
  (1)せん断粘度の定義
  (2)擬塑性流動
  (3)ダイラタント流動
  (4)降伏挙動
 1.3 粘弾性モデル
  (1)粘性と弾性の熱力学的意味
  (2)マックスウェルモデルと応力緩和
  (3)フォークトモデルと遅延弾性
 1.4 動的粘弾性
  (1)振動ひずみと振動応力
  (2)貯蔵弾性率と損失弾性率
  (3)動的粘弾性関数の周波数依存性
  (4)動的粘弾性曲線からの流体と固体の判別

2.無定形単分散高分子の粘弾性
 2.1 高分子溶液の粘度挙動
  (1)高分子鎖の統計的性質
  (2)低濃度高分子溶液のニュートン流動
  (3)粘度と高分子コイルの体積効果
  (4)濃厚高分子溶液の擬塑性流動
  (5)粘度曲線の普遍性
  (6)高分子の分子量と粘度挙動との関係
 2.2 高分子固体および溶融体の粘弾性挙動
  (1)高分子のガラス状態とガラス転移
  (2)高分子のガラス状態における粘弾性挙動
  (3)高分子鎖のミクロブラウン運動
  (4)時間―温度換算則
  (5)シフトファクターの温度依存性
  (6)からみあいと緩和時間
  (7)高分子の分子量とマスターカーブとの関係
  (8)Cox-Merzの経験則

3,高分子複合材料における高次構造および不均一構造と粘弾性
 3.1 会合性高分子溶液の粘度挙動
  (1)会合による過渡的分子間結合
  (2)会合性高分子水溶液のダイラタント流動
  (3)微粒子分散系の粘度コントロールへの応用
 3.2 結晶性高分子の粘弾性挙動
  (1)高分子鎖の結晶形態
  (2)結晶性高分子の粘弾性挙動
 3.3 ゴムの粘弾性挙動
  (1)ゴムの架橋構造と粘弾性
  (2)重合硬化反応とゲル化
  (3)パーコレーションと臨界挙動
 3.4 高分子ブレンドの粘弾性挙動
  (1)非相溶性高分子ブレンドの粘弾性挙動
  (2)高分子の相分離構造と粘弾性挙動
  (3)ブロック共重合体の相分離構造と力学物性
 3.5 微粒子―高分子複合系固体材料の粘弾性挙動
  (1)粘弾性挙動に及ぼす微粒子の充填効果
  (2)高分子複合材料の破壊挙動
  (3)ナノ粒子分散高分子の粘弾性挙動
 3.6 高分子の伸長流動
  (1)伸長流動の幾何学と伸長粘度
  (2)高分子の紡糸性と分子量分布
 3.7 生物由来高分子の興味深い粘弾性挙動
  (1)絹の紡糸と結晶化
  (2)ゼラチンの非線形粘弾性
  (3)でんぷんのゲル化と臨界挙動

□質疑応答□


[キーワード]高分子、複合材料、動的粘弾性、非ニュートン流動、ガラス転移、時間―温度換算則、ゴム弾性、結晶構造、不均一構造

セミナー講師

千葉大学 名誉教授 工学博士 大坪 泰文 氏
 
【略歴】
1978年 東北大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)
1978年 東北大学工学部助手
1982年 千葉大学工学部助手
1987年 米国 Princeton 大学招聘研究員(1988年まで)
2000年 千葉大学工学部教授
2015年 千葉大学定年退職(名誉教授)

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全国

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キーワード

高分子・樹脂材料   複合材料・界面技術   応用物理一般

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