環境に優しいプラスチック加飾技術の最新技術と今後の展望

低環境負荷の各加飾方法を解説!今後用途展開が広がるバイオマスプラスチックへの加飾技術も紹介!

セミナー趣旨

【第1部】
 低価格指競争から高付加価値競争に移行する中で、プラスチック加飾は、単なる加飾から、「機能性付加加飾」へと発展している。今後の加飾は、SDGs、パリ協定、自動車におけるCASEなど国際的な目標に即したものに展開していくことが求められる。
 本講演では、加飾の概要、ならびに、代表的な加飾例を簡単に説明した後、国際社会、自動車メーカーの目標に対応した今後の加飾技術の展望を、塗装代替加飾、その他の環境対応加飾(植物由来材料使用の加飾、軽量化と加飾等)、高付加価値製品に結び付くその他の加飾(機能付加加飾、バイオミメテクスと構造色加飾、3Dプリント加飾等)、など具体的な項目別に解説し、さらに、自動車内外装部品への展開、および、自動車以外の採用例を示す。

【第2部】
 SDGsやカーボンニュートラルに対する取り組みが全世界で本格化する中、「加飾と言う側面からどのようなアプローチが出来るか?」が今講演のポイントとなる。当社は環境加飾技術(EDT:Environmental Decorating Technology)を提唱しており、その中でインモールド成形転写(IMR:In Mold Release)やアウトモールド加飾(OMD:Out Mold Decoration)による加飾技術を紹介する。バイオマスプラスチック開発が樹脂メーカー各社で進められているが、その開発の先には加飾需要が発生するといっても過言ではない。そういった需要が出てくる前にバイオマス樹脂を使用したフィルム加飾技術を確立する事で、需要が本格化した際の実現スピードを上げる事が狙いである。これらの技術を確立する上で重要なFactorは、フィルムメーカーによるバイオマスプラスチック対応の加飾フィルム開発と、成形加工メーカーによるEDT推進活動の拡大である。また、オンデマンド技術を活用した無駄が発生しない加飾フィルム生産システムについても紹介する。

【第3部】
 プラスチックは日常生活に浸透しており、その廃棄物量から「プラスチック資源循環促進法」が立ち上げられている。加飾された成形品も例外ではなく、リサイクル可能なことが求められつつある。然しながら製造時の加飾不良品は、リサイクルできず廃棄されることが多い。
 三次元ホットスタンプ法は、プラスチックのめっき調加飾もできるが、不良品は現場で再加飾による良品化が可能であり、廃棄物はほとんど出ない。さらに加飾時に良品化ができない成形品は、粉砕再成形で材料に戻すことが可能である。また使用後においても粉砕再成形によるマテリアルリサイクルが適用できる加飾方法である。その加工方法・必要治具類・量産使用例及び、リサイクル再成形後の物性などについてご報告する。

受講対象・レベル

・樹脂メーカー、フィルムメーカー、成形加工メーカーの開発・生産技術・製造関係者
・電子機器、スマートフォン、自動車関連メーカーなどの研究者・開発者・技術者

習得できる知識

・各種加飾プロセスの基礎知識(環境対応加飾技術を中心に)
・加飾フィルムの種類、特長
・バイオマスプラスチック加飾技術
・三次元ホットスタンプ工法の概要、めっきとの比較、用途
・三次元ホットスタンプ品がリサイクルできるデータ紹介
・プラスチック資源循環促進法及びプラスチック製品のリサイクルなど

セミナープログラム

-----【第1部】10:30~12:30-----
「加飾概要とSDGs対応プラスチック加飾技術の展開」
MTO技術研究所 所長 桝井 捷平 氏

1. 加飾技術の概要(プラスチック加飾の意義と課題など)
2. 国際社会、自動車メーカーの目標と今後の加飾概要
 2-1 国際社会、自動車産業の目標(SDGs、パリ協定、CASE、Maasなど)
 2-2 国際的な目標に即した今後の加飾の概要(一覧表)
3. 今後の加飾の展開
 3-1 塗装代替加飾と自動車の外装などへの展開
  3-1-1 塗装代替加飾のニーズと塗装代替自動車外装への展開
  3-1-2 主要塗装代替候補技術とその展開(フィルム加飾、原着樹脂加飾、インモールド塗装)
 3-2 その他の環境対応加飾
  3-2-1 植物由来プラスチックおよび植物由来繊維複合材料の利用加飾
  3-2-2 軽量化材料、技術と加飾
  3-2-3モノマテリアル、易分離、リサイクル材使用加飾
 3-3 高付加価値製品につながるその他の加飾
  3-3-1 機能付加加飾
  3-3-2 バイオミティクスと構造色加飾
    ~自然界に存在する素晴らしい機能をもった動・植物の機能を加飾にも展開~
  3-3-3 3Dプリント加飾
  3-3-4 3次元曲面への直接インクジェット印刷
4. 自動車内外装への適用
 4-1 自動車内装への適用と今後の展開
  4-1-1 自動車内装への適用事例
  4-1-2 今後の内装キャビン・コックピット、ディスプレィ等
 4-2 塗装代替以外の自動車外装への適用と今後の展開
  4-2-1 今後の自動車外装イメージ
  4-2-2 今後のフロントモジュール、フロントパネル、その他
5. その他の用途への主要適用事例
6. まとめ(今後の展開予想)
≪質疑応答≫

 

-----【第2部】13:15~14:45 -----
「環境にやさしい加飾技術開発とバイオマスプラスチックへの適用」
エヌアイエス(株)ご担当者様

1. 会社案内
2. 加飾技術
 2-1.工法名の紹介
 2-2.インモールド成形転写技術紹介
 2-3.アウトモールド加飾技術紹介
 2-4.加飾事例紹介
3. バイオマスプラスチック加飾の取り組み
 3-1.様々なバイオマスプラスチック
 3-2.バイオマスプラスチックの活用シーン
 3-3.加飾事例紹介
4. フィルムの種類とトレンド
 4-1.インモールド転写フィルム
 4-2.アウトモールド加飾フィルム
 4-3.オンデマンドフィルム
5. 最後に
≪質疑応答≫

 

-----【第3部】15:00~16:30-----
「リサイクル可能な三次元ホットスタンプの加飾機構と今後の展望」
(有)ニュープラント 近藤 浩子 氏

1. ホットスタンプ(HS)とは
 1.1 原理
 1.2 ホットスタンプ箔
 1.3 平面ホットスタンプ
  1.3.1 ロール転写ホットスタンプ
  1.3.2 アップダウンホットスタンプ
 1.4 三次元ホットスタンプ
2. 三次元ホットスタンプ
 2.1 加工方法特徴
  2.2 加工手順
 2.3量産
  2.3.1エアコン
  2.3.2 小物類
 2.4 試作 など
3. 鏡面加工他加工例写真
4. 三次元ホットスタンプを構成する「型・材料・設備」
 4.1 凸型
 4.2 凹型
 4.3 受け治具
 4.4 プラスチック三次元形状品
 4.5 ホットスタンプ箔
 4.6 三次元ホットスタンプ機
  4.6.1 小型機
  4.6.2 大型機
 4.7 付属品
  4.7.1 シートヒーター
  4.7.2 箔カッター
5. 三次元ホットスタンプ機量産時の動き
 5.1 一連動作
 5.2 加工の特徴
 5.3 加工のポイント
  5.3.1 高温
  5.3.2 高圧
  5.3.3 短時間
6. 三次元ホットスタンプ品のリサイクル性
 6.1 粉砕成形品物性試験
 6.2 物性試験方法
  6.2.1 引張試験
  6.2.2 曲げ試験
  6.2.3 アイゾット試験
 6.3 リサイクル可能な三次元ホットスタンプ回数の見極め
7. めっきとの比較
 7.1 物性
 7.2 加飾価格
8. 三次元ホットスタンプの位置づけ
 8.1 加飾方法として
 8.2 特許及び実用新案 
9. 治具のコストダウン方法確立
10.まとめ
 10.1 プラスチック製品の取り扱い
 10.2 プラスチック資源循環促進法
 10.3 今後の可能性
 10.4 終わりに
≪質疑応答≫


10:30~12:30 第1部
12:30~13:15 昼食休憩
13:15~14:45 第2部
14:45~15:00 休憩
15:00~16:30 第3部
※進行上、多少前後する可能性がございます。
※ご質問はチャットか音声でお受けします。

セミナー講師

【第1部】MTO技術研究所 所長 桝井 捷平 氏
《専門》
 プラスチックおよび成形加工、加飾技術
《略歴》
 1965年 住友化学工業(株)【現:住友化学(株)】入社 技術開発部長
  ※プラスチック材料、成形加工技術の研究・開発、販売、ライセンスなどに従事
 1999年 LPM(株)入社 取締役 研究開発部長、ライセンス部長
  ※同上
 2005年 MTO技術研究所設立 所長
  ※プラスチック材料、成形加工技術のコンサルタントとして、
   執筆、講演、プラスチック関係の顧客の社内教育・技術相談・
   特定技術開発などに従事。
 2020年 加飾技術研究会 副会長(現特別顧問)
《受賞》
 1990年 合成樹脂新聞 第21回プラスチック大賞受賞
 1992年 SPI Structure Plastics Division Conference Best Award受賞
 1996年 成形加工学会 第1回青木固賞受賞

【第2部】エヌアイエス(株) GT部 部長 柴田 直宏 氏
《略歴・活動等》
1993年3月 日本福祉大学 社会福祉学部(バリアフリー建築専攻)修了。
2008年9月 ナビタス(株)入社。各種加飾機器の販売に従事。
2015年4月 3次元加飾に特化した営業活動に従事。
2018年6月 加飾技術研究会 理事就任。
2020年4月 エヌアイエス(株)入社。各種加飾に必要な設備、フィルム、金型等の物品及び受託加工の受注業務に従事。3次元加飾についてはナビタスから引き継いで営業活動継続。

【第3部】(有)ニュープラント 近藤 浩子 氏
《略歴・活動等》
 大学卒業後、総合化学技術商社に入社。以来、一貫して新技術開発・新製品開発に携わる。治具・金型設計歴20年。国城金型工業(株)時代に樹脂加飾用プレス機を設計、3次元ホットスタンプ法を発明し、加飾量産を行った。樹脂加工法関連で特許提出10件、権利化3件取得した。同社閉鎖後パテントを外資に買われ、ともに研究開発し、その後国内の加飾メーカーに技術売却した。自身は樹脂複合材料の新加工法開発を自動車メーカーで行った。
 再度射出成形を手がける決意をし、名古屋精密金型(株)に入社した。同社では研究開発室室長として、経済産業省管轄サポートインダストリーにエントリーした。プロジェクトリーダーとして取りまとめ、金型構造解析・樹脂流動解析などを行った。このサポインでは、アルミ金属に関する表面処理を検討し、アルミ鏡面金型を完成させた。

セミナー受講料

55,000円(税込、資料付)
■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合44,000円、
  2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
(セミナーのお申し込みと同時に会員登録をさせていただきますので、
   今回の受講料から会員価格を適用いたします。)
※ 会員登録とは
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  すべて無料で年会費・更新料・登録費は一切かかりません。
  メールまたは郵送でのご案内となります。
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受講について

Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順

  1. Zoomを使用されたことがない方は、こちらからミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
  2. セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。
  3. 開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。
  • セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
  • 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。
  • 受講にはWindowsPCを推奨しております。
    タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂加工/成形   自動車技術   地球温暖化対策技術

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55,000円(税込)/人

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キーワード

高分子・樹脂加工/成形   自動車技術   地球温暖化対策技術

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