世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸を中心に新規素材・技術・市場開発の最前線を探査

バイオプラを取り巻く背景から、各種次世代バイオプラスチックの最新動向と
事業・商品化で“ダーウインの海”を泳ぎ切るためのイノベーションについても、講師自身の経験も踏まえて提言!

好評だった前回開催時のご要望にお応えして
幅広いバイオプラをより詳しく学べるように、1.5日になって再登場です。

■特典:Live受講に加えて、アーカイブでも1週間視聴できます■
このセミナーはアーカイブ付きです。セミナー終了後も繰り返しの視聴学習が可能です。
視聴期間:開催翌営業日~4月28日まで

 

日時

[1日目] 2023年4月19日(水)  13:00~16:30
[2日目] 2023年4月20日(木)  10:30~16:30

セミナー趣旨

 20世紀前半に初めてナイロンが発明されて以降、安価な石油を原料に数多くのプラスチックが開発されてきたが、地球環境・資源・廃棄物問題が顕在化した今日、持続可能な開発目標(SDGs)としてのバイオプラスチックに係るグリーイノベーションが渇望されている。しかるに、シュンペーターにより初めて提唱されたイノベーションなる概念は単なる技術革新と誤解され、その本質が正しく理解されていないように思われる。従来の既成概念や価値観を根底から覆す真の創造的破壊に繋がる破壊的イノベーションは顧客ニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。
 本セミナーでは、次世代バイオプラスチックの中でも世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸を中心に、新規素材・技術・市場開発の最前線を探査する。技術開発における“死の谷”を乗り越え、“ダーウインの海”を泳ぎ切ることのできるイノベータに求められる資質と能力、そして次世代バイオプラスチック事業とは?

習得できる知識

・イノベーションの正しい理解と遂行するために求められる資質と能力
・21世紀の地球環境保全と資源循環型社会に向けての国内外動向
・新規バイオプラスチックの素材・技術・市場開発最前線
・ポリ乳酸の高性能・高機能化技術の進展と新規製品開発動向

セミナープログラム

 1日目:2023年4月19日    (水)    13:00~16:30 
1.イノベーション(Innovation)とは?
1.1 J.A.シュンペーターによるイノベーションの概念提唱
  …イノベーションとは需要家側のニーズから生まれるのではなく、
  供給者である企業家側がイニシアティブを握り需要家側の目に見えないニーズを創発することである!
1.2 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
1.3 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?
  …企業家の責務とは秩序を破壊し解体する創造的破壊である!
1.4 C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
  …なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?
1.5 イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をブレイク・スルーするには!?
  ・チャレンジング・スピリット…挑戦者魂、鈍感力、挫折力
  ・フロンティア・スピリット…好奇心、開拓者魂
  ・リーダーシップ…統率力、人間的魅力
1.6 イノベーションプロセスと技術経営
1.7 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?
  …WhyやWhatを語らない「How to病」の日本!
1.8 「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くための「OODAループ」とは?
1.9 イノベーションとビジネスモデル
 
2.持続可能な開発目標(SDGs)としてのグリーン・イノベーション 
2.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  1) 石油由来合成高分子化合物が内包する地球環境・資源・廃棄物問題とは
   ・原料枯渇問題…50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係から価格高騰必至
   ・地球温暖化問題…焼却に伴う温暖化ガスの増大
   ・廃棄物問題…海洋プラスチック汚染問題等
  2) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と生分解性プラスチックの役割
   ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
   ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
   ・海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度…ポジティブコントロールとは
  3) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  4) 自然生態系が有する真のリサイクルシステムとしての炭素循環へのリンク
2.2 バイオプラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
  1) 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度(2021年改訂)
    ①生分解性プラ ②生分解性バイオマスプラ ③バイオマスプラ
  2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
2.3 世界の法規制と業界動向


 2日目:2023年4月20日    (木)    10:30~16:30 
3.次世代バイオプラスチックの創製と技術開発最前線 
3.1 バイオマス資源
  1) 可食バイオマス…デンプン他(トウモロコシやサトウキビ他)
  2) 非可食バイオマス…リグノセルロース(茎や葉、雑草、稲わら、廃木材)、ヒマシ油、廃植物油、その他
3.2 バイオリファイナリーと新規プラットホームケミカルの進展
3.3 バイオポリエチレン(bio-PE)
3.4 バイオポリプロピレン(bio-PP)
3.5 バイオポリエステル(bio-PES)
  1) 生分解性バイオポリエステル
    ①ポリ乳酸(PLA)
     ・生分解性が求められるバイオリサイクル材と長期使用耐久性構造材料の両面展開が可能、
     世界的に新設・増産計画が相次ぐ(3年後に約50万トン/年)
    ②ポリブチレンアジペート・テレフタレート系(PBAT, PBAT+PLA)
    ③ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)
    ④微生物産生ポリエステル(PHBV, PHBH)、その他
     ・過去40年間、数多くの企業が微生物産生ポリエステルへの参入と撤退を繰り返し、
     未だ本格的に工業化されない核心的理由とは?
  2) 非生分解性バイオポリエステル
    ①バイオポリエチレンテレフタレート(bio-PET)
    ②ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)
    ③ポリエチレンフラノエート(PEF)
     ・PET対比でガスバリア性に優れるPEFはPETボトル分野を制覇できるか否か?
3.6 バイオポリアミド(bio-PA)
    ①ポリアミド11 ②ポリアミド10T ③その他(ポリアミド4, 56)
     ・超高耐熱性や低吸水率、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラの呼び声高いPA10Tとは
3.7 バイオポリカーボネート(bio-PC)
     ・光学特性や表面硬度に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
3.8 バイオポリウレタン(bio-PU)
 
4.ポリ乳酸(PLA)の高性能・高機能化/分解制御技術と製品開発最前線 
4.1 PLAの基本特性
 1) 植物由来生分解性樹脂/熱可塑性脂肪族ポリエステル(Tm:170℃, Tg:58℃)
 2) 安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
4.2 PLAレジンメーカー
 1) ニートレジン…ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他
 2) コンパウンドレジン(高性能・高機能化PLAレジン)…ユニチカ
4.3 PLAの高性能・高機能化技術…石油系汎用プラスチックと同等以上
 1) 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
 2) 耐熱性、成形加工性…分散型又は溶解型核剤、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
 3) 寸法安定性(低熱収縮率、経時変化なし)…造核・結晶化促進剤
4.4 PLAの分解(開始・速度)制御技術…製品寿命の制御(短期使用から長期使用まで)
 1) 生分解機構…非酵素分解/加水分解型(2段階2様式の特異的な生分解機構)
 2) 分解開始の制御…自動スイッチオン機構内蔵(Tg=58℃ ← 堆肥化温度)
 3) 分解速度/製品寿命の制御
    ①Sタイプ(残留ラクチド:多)…分解速度速い/製品寿命短い
    ②Mタイプ(残留ラクチド:少)…中程度
    ③Lタイプ(COOH末端基封鎖)…分解速度遅い/製品寿命長い
4.5 ポリ乳酸の様々な使用環境下への応用展開と使用後のリサイクル過程における(非)分解挙動
 1) 生体内…生体内分解吸収性医用材料(タイプS)→自然消滅
 2) 自然環境下(土壌、海水中)…農林・園芸・土木・水産資材(タイプM)→自然消滅
 3) 通常環境下
    ①短期使用(使い捨て~3年前後)…容器・包装資材、生活・衛生雑貨、衣料(タイプM)
     →バイオリサイクル(堆肥化、バイオガス化)又はケミカルリサイクル(原料ラクチドへの還元)
    ②長期使用(5~10年、10年以上)…
     リターナブル食器、産業資材、電気・電子機器筐体・部品、自動車内装材(タイプL)
     →マテリアルリサイクル

  □質疑応答□
 
※1日目と2日目のプログラムの区切りは多少前後する可能性もございます。

セミナー講師

望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学 特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)

【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
 
[紹介]
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ(株)入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ(株)定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞

[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数

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