★ 高機能製品に向けた実際の分散、複合化開発事例と今後の展望

セミナープログラム

<10:00〜11:10>
1.ウォータージェット技術を活用したセルロースナノファイバー製造プロセスの開発と応用展望
(株)スギノマシン 近藤 兼司 氏

【講演ポイント】
 セルロースナノファイバー(以下CNF)をはじめとするナノファイバーは、高強度、高弾性軽量、低熱膨張などの優れた特性を有し、様々な分野でそれぞれの特徴を生かした用途開発が進んでいる。
 本講座では、当社が生産をしているバイオマスナノファイバー“BiNFi-s”の展開事例について解説する。
 当社のバイオマスナノファイバーは、バイオマス原料と水だけでナノファイバーを作製しており、薬剤を使わない点が大きな特徴である。その応用事例として、ゴム、化粧品、CFRP、セラミックスへのCNF添加効果を、またナノファイバー上に金属ナノ粒子を担持させた素材をはじめ、表面のみをファイバー形状にしたセルロース粒子といった開発品の機能性を紹介する。これらが受講者の用途開発の一助になればと考えている。

1.バイオマスナノファイバー BiNFi-sの製造
 1-1「ウォータージェット法について」
 1-2 バイオマスナノファイバーBiNFi-sのラインナップ

2.応用事例
 2-1 水溶性高分子樹脂への効果
 2-2 天然ゴムラテックスとBiNFi-sの複合化
 2-3 CFRPへの効果
 2-4 BiNFi-s表面に銀ナノ粒子を担持させた「BiNFi-s/銀ナノ粒子」
 2-5 BiNFi-sシルクを使ったオイルゲル化剤機能
 2-6 表面繊維化セルロース粒子
3.まとめ

【質疑応答】


<11:20〜12:30>
2.セルロースナノファイバー研究の最先端:精密構造解析と成形加工技術の革新
東京大学 齋藤 継之 氏

【講演ポイント】
セルロースナノファイバー(CNF)の量産体制も整い、機能用途を中心に商品化にいたる事例も出てきました。
 演者らは、TEMPO酸化法と呼ばれるCNF生産プロセスを世界に先駆けて開発しています。
 本講座では、セルロースの高次構造とTEMPO酸化法を含めた化学改質法について解説した後、CNF1本の精密構造と固有特性、そして、フィルムやエアロゲル等のCNF集積体の形成と物性へと進み、樹脂等との複合化および理想的な補強に要する界面構造、および、現状解決が急務とされる課題とその対策案など、CNF研究の要点を最新の研究事例を順次解説していきます。

1.セルロースの高次構造と特性、化学改質
 1-1 樹木におけるセルロース合成と高次構造
 1-2 TEMPO酸化による化学改質、反応条件と改質物の高次構造
 1-3 その他改質法の概要:リン酸エステル化、次亜塩素酸ナトリウム酸化など

2.セルロースナノファイバー(CNF)の基本特性:単繊維および分散体の特性
 2-1 CNF1本の精密構造解析:結晶性、表面官能基、欠陥分布
 2-2 CNF分散体の粘度解析、長さとの相関
 2-3 CNF分散体の自己組織化、液晶相の形成

3.分散体から集積体へ:プロセス−構造−特性相関
 3-1フィルム(透明な紙)
  3-1-1 フィルムの基本特性
  3-1-2 成膜プロセスとナノ構造及び物性との相関
  3-1-3 厚みのある透明板材への展開、高強度・熱的異方性・耐水性・難燃性
 3-2エアロゲル(透明な断熱材)
  3-2-1 エアロゲルの基本特性
  3-2-2 蒸発乾燥によるエアロゲル形成、高強度・自己消火性
  3-2-3 凍結乾燥によるエアロゲル形成、透明性・断熱性

4.複合化:界面構造と相互作用の制御
 4-1 プラスチックとの均一複合化、理想的な補強に要する界面構造、界面の厚みと密度
 4-2 プラスチック複合化の最新動向、Pickeringエマルションの活用
 4-3 無機ナノ粒子との複合化、機能性の発現、担体としてのポテンシャル
 4-3 その他の複合化事例

【質疑応答】


<13:10〜14:20>
3.セルロースナノファイバーによるレオロジーコントロール・乳化・分散と様々な分野への適用事例
第一工業製薬(株) 後居 洋介 氏

【講演ポイント】
水系で添加剤としてCNFを利用する際の機能や特徴を網羅的に知ることができる。
CNFの実際の適用事例について知ることができる。
企業がCNFのどのような性能に着目し、研究開発を実施しているかを把握できる。

1.企業におけるセルロースナノファイバー(CNF)への関心
 1-1 CNFの種類、特徴とサプライヤー
 1-2 CNFに求められている機能と期待される用途

2.第一工業製薬のCNF「レオクリスタ®」の機能と特徴
 2-1 ネットワーク構造を生かしたユニークなレオロジーコントロール
 2-2 油への吸着による乳化〜ピッカリングエマルションの形成〜
 2-3 微粒子への吸着による分散

3.適用事例の紹介
 3-1 塗料、インク分野への適用事例
 3-2 化粧品分野への適用事例
 3-3 セラミック分野への適用事例
 3-4 電池用途への適用事例
 3-5 その他の応用例

4.最新の研究開発動向

【質疑応答】


<14:30〜15:40>
4.CNFの製造技術と食品・化粧品、工業用品、エラストマー・樹脂への応用展開
日本製紙(株)  野々村 文就 氏

【講演ポイント】
 再生可能な天然資源である木材パルプから製造される日本製紙のCNF・セレンピアシリーズは、カーボンニュートラル、減プラスチック等の実現をサポートし、持続可能な社会に貢献できる素材です。
 超極細セルロース繊維であるため、その機能は多種多様で、非常に広い範囲の製品について性能向上、新機能付与、ユーザーへの訴求効果アップなどを実現します。
 セレンピアシリーズを是非お試し下さい。

1.日本製紙のCNF(セレンピアシリーズ)について製造方法と用途展開をご説明する
 1-1 セレンピアCS-01、01C:CM化CNF…食品・化粧品へ展開
 1-2 セレンピアTC-01A、02X:TEMPO酸化CNF工業用品全般へ展開
 1-3 セレンピアプラス:CNF強化樹脂(PP、PA6)自動車等モビリティー部品、家電部品に展開
 1-4 セレンピアエラス:CNF配合天然ゴム各種ゴム製品へ展開
  ○その他、CNF以外のセルロース系新規素材についても紹介する

【質疑応答】


<15:50〜17:00>
5.高分子材料とセルロースナノファイバー(CNF)の複合化技術と特性評価
(地独)京都市産業技術研究所 仙波 健 氏

【講演ポイント】
 2022年4月に施行されたプラスチック資源循環法は,バイオマスプラスチックの導入,サーキュラーエコノミーなどの低環境負荷に向けた取り組みを加速させるものです。 このような中CNF強化プラスチックへの期待は高まっています。
 本講演では,CNFとプラスチックの複合化方法,得られた材料の特性を紹介し,待ったなしで取り組まねばならない低環境負荷材料の研究開発にお役 立ていただける内容をお伝えできればと思います。できる範囲で最近の研究成果も盛り込みます。

1.高分子材料とセルロースナノファイバーの複合化技術
 1-1 CNF強化プラスチック一貫製造プロセス-京都プロセス
  ○原料樹種,成分分離,予備解繊,化学変性,複合化について
 1-2 複合化における使用装置とその特徴,使い分け
  ○混練機の種類:二軸、石臼型、コニーダー
  ○セルロースの分散、解繊を促進する練り方

2.高分子材料とセルロースナノファイバーの特性評価
 2-1 CNF/エンジニアリングプラスチック-相容性と加工温度の折衷点を見出す必要
 2-2 CNF/ポリアミド-様々なポリアミドとの複合化
 2-3 CNF/汎用プラスチック-塩化ビニル系、及び(可能であれば)高耐衝撃PPコンポジット
 2-4 CNF/バイオプラスチック-低CO2排出、マイクロプラ対応

3.まとめ:動向と今後の取り組みについて

【質疑応答】

セミナー講師

1. (株)スギノマシン 経営企画本部 新規開発部 開発プロジェクトグループ アシスタントマネージャー 博士(農学) 近藤 兼司 氏

2. 東京大学 大学院 農学生命科学研究科 教授 博士(農学) 齋藤 継之 氏

3. 第一工業製薬(株) 研究本部 研究カンパニー部 レオクリスタ開発グループ グループ長 博士(農学) 後居 洋介 氏

4. 日本製紙(株) 研究開発本部 富士革新素材研究所 所長 野々村 文就 氏

5. (地独)京都市産業技術研究所 産業支援グループ ユニットリーダー 博士(学術) 仙波 健 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕

受講について

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開催日時


10:00

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66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

紙・パルプ・セルロース技術   高分子・樹脂材料   複合材料・界面技術

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