セラミックス材料を扱うための実践的な総合知識

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開催日 13:00 ~ 16:30 
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主催者 サイエンス&テクノロジー株式会社
キーワード 電子デバイス・部品   無機材料   生産工学
開催エリア 全国
開催場所 Live配信セミナー(会社・自宅にいながら受講可能)

~積層セラミック電子部品の開発のために~

■セラミックスに関する基礎知識
■電気伝導、長期信頼性、焼成雰囲気制御
■セラミックスラリーの作成・焼成・乾燥等のノウハウ
■積層セラミック製造プロセスの基礎知識

積層セラミック電子部品の開発に必要な要素技術と材料技術、プロセス技術・・・
セラミックス材料の総合的な知識を提供致します
電子セラミックス部品の高性能化、高機能化に対応するために
焼結、金属の酸化、酸化物の還元、酸化還元の熱力学、格子欠陥制御、粒成長、等のセラミックスの基礎知識
スラリー組成設計、分散性、シート成形、スラリーの乾燥、内部電極の組成・焼結性・積層工程、金属粉末性状、焼成雰囲気制御等の積層セラミック製造プロセスの基礎知識

セミナー講師

和田技術士事務所 代表 和田 信之 氏
元(株)村田製作所 技術士(化学部門) APEC Engineer (Chemical Engineering) 
 
【略歴】
1978年 九州大学大学院 理学研究科地質学専攻修士課程 終了
1978年 播磨耐火煉瓦株式会社 (現,黒崎播磨)入社
    兵庫県高砂市 本社技術研究所に勤務。
    主に製鋼、製鉄用耐火物の材料開発、主に、不定形耐火物の開発に従事
1986年 株式会社村田製作所 入社
    京都府長岡京市本社および滋賀県野洲市野洲事業所に勤務。
    電子セラミックス材料、主に積層セラミックコンデンサ用誘電体材料の研究開発に従事。
    その後、電子セラミックス材料研究開発、分析センター、故障解析センターの部門長に
    就任、知的財産部門で先行技術調査を経験。
2005年~2012年 日本セラミックス協会 電子材料部会役員
     国際協力・AMECおよびナノクリスタル研究会の各委員として部会活動に参加
2014年 株式会社村田製作所 定年退職
2016年 和田技術士事務所設立

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セミナー趣旨

 積層セラミックコンデンサ(MLCC)に代表される積層セラミック電子部品は小型化、高性能化が進んでいます。スマートフォーンなどの小型電子機器から、自動車のEV化、自動運転化、また、5G、IoTの進展に伴い、生活のあらゆる分野で、その需要の大幅な増大が見込まれています。積層セラミック電子部品の小型化、高性能化は用いるセラミックス材料の材料設計、製造プロセスに負うところが大きく、また、スラリーの分散、シート成形、焼成工程などセラミックス製造プロセス技術の高度化によるところも大きいのですが、実はノウハウの世界が多くあり、開発の中で、躓いてしまう、教科書では学べない世界でもあります。
 本セミナーでは、積層セラミック電子部品の生産や開発に直接に携わる技術者、研究者の方、およびセラミック材料、電極材料、有機バインダー材料、有機溶剤など積層セラミック電子部品に関係する素材の技術者、研究者の方にMLCCの材料設計やプロセス技術を例にし、材料に必要な要素技術、積層セラミック製造プロセス技術を概説します。電子セラミックスの設計指針として、相図、格子欠陥の生成、異種元素置換による格子欠陥制御など、材料組成開発に係わる組成設計を熱力学的考察を踏まえて説明します。積層セラミック製造プロセス技術では、セラミックスラリー作成から、内部電極ペースト、電極印刷、積層、脱バインダー/焼成工程など、最近の技術動向を踏まえて、プロセス上のポイントを学習できるようにしています。 
 以上、積層セラミック電子部品の開発に必要な材料の基礎知識から重要な積層セラミック製造工程まで、トータルな視点で理解することで、個々の担当技術課題が明らかになると考えています。このセミナーで全体像を理解して頂き、積層セラミック電子部品に直接ないし間接的に係わる技術者の日々の技術的な課題に対して、ご参考になれば幸甚です。

受講対象・レベル

 積層セラミック電子部品に使用される材料(セラミックス材料、電極材料、バインダーなど有機材料)の研究開発に係わる技術者、および生産の第一線で商品開発に従事される開発担当者、製造に係わる技術者、品質管理や故障解析に係わる技術者の方に聴講していただければと思っています。特に第一線で苦労され、全体を通したセラミックスに関する知識を得る機会、経験が多くない若手の技術者に、電子セラミック材料の特徴、プロセス技術の全体像を知っていただければと考えています。また、積層セラミック電子部品に係わるさまざまな素材、部材を供給され、研究開発されている技術者の方々には、セラミックスの特徴や積層製造プロセスの概要を理解することで、皆様の研究開発や生産の方向性や課題解決に役立つ事を確信します。

習得できる知識

セラミックスに関する基礎知識:
 相図、焼結、金属の酸化、酸化物の還元、酸化還元の熱力学、格子欠陥制御、粒成長、
積層セラミック製造プロセスの基礎知識:
 スラリー組成設計、分散性、スラリーの乾燥、内部電極の組成、金属粉末性状、内部電極の焼結性、積層工程、焼成雰囲気制御

セミナープログラム

前半部
 積層セラミック電子部品に用いられる内部電極種に対応した酸化物セラミックス原料の酸化物としての性質、安定性、
格子欠陥の生成・制御、セラミックスの構造的特徴を説明し、積層セラミック電子部品を製造する場合に気を付けておくべき材料的な視点を概説します。

1.積層セラミックス電子部品の概要
 ・電子セラミックスの種類、組成、チップ形状変遷、将来技術動向

2.セラミックスの基礎知識
 ・セラミックスの微構造、結晶構造、粒界構造、単位格子、サイト
 ・セラミックスの焼結現象、表面拡散、体積拡散、粒成長
 ・相平衡と状態図、固溶体、共晶系、包晶系、焼結助材 液相形成

3.金属酸化物の熱力学的安定性と格子欠陥
 ・金属の酸化と酸化物の還元、ギブス生成自由エネルギー、平衡酸素分圧、酸化物の安定性
 ・CuあるいはNi内部電極可能な酸素分圧
 ・代表的酸化物の酸化還元の安定性
 ・格子欠陥表記、酸素空孔、酸素分圧依存性
 ・元素置換型格子欠陥、アクセプター元素、ドナー元素

4.電子セラミックスの原料粉合成(MLCC用BaTiO3原料を例に)
 ・主成分原料の微細化、固相法、水熱合成法、シュウ酸法
 ・セラミックス原料の設計指針
 ・セラミックス原料の製造工程、添加元素の添加方法
 ・添加元素の分散性

5.電子セラミックスの焼結現象(MLCC用BaTiO3を例に)
 ・コアシェル構造、粒界、偏析
 ・焼結時の粒成長と歪
 ・粒界の制御、酸素拡散、微量添加物の偏在

6. 酸化物セラミックスの電気伝導
 ・バンド図、バンドギャップ、欠陥準位
 ・バンド伝導、空間電荷制限電流、プールフレンケル放出電流、ショットキー放出電流

7.長期信頼性の材料設計(MLCC用BaTiO3を例に)
 ・高温寿命、酸素空孔、加速評価
 ・酸素空孔、偏在、分析、分子動力学計算
 ・酸素空孔移動抑制、信頼性向上

後半部
 積層セラミック電子部品を製造する際に、製品の品質、および長期信頼性に影響する主な製造プロセスでの技術ポイントを取り上げ、各製造プロセスで用いられる各種材料、製造技術の中で、どのような技術課題があって、どのように対応しているかを概説します。

8.積層セラミック電子部品の製造プロセス概要
 ・積層コンデンサ(MLCC)、不具合例;内部欠陥、クラック、マイグレーション
 ・積層インダクタ
 ・積層サーミスタ
 ・積層圧電体
 ・電池 リチウム二次電池、全固体電池

9.シート成形用スラリーの設計
 ・シート剥離機構
 ・シート組成、スラリー作成プロセス、バインダー/可塑剤比、バインダー強度
 ・分散材の酸点、塩基点、 分散材添加量、 チクソ性 

10.スラリーの分散プロセス
 ・分散方法 ボールミル、回転速度、ビーズミル、ビーズ径、周速
 ・スラリーの分散性評価、沈降体積
 ・粒度分布、メディアン径、分散不良による初期故障

11.シート品質
 ・恒率乾燥、シート品質
 ・シート表面粗さ、添加物の分散性、信頼性の影響

12.内部電極ペーストの設計
 ・内部電極の薄層化、焼結性、収縮、カバレッジ
 ・微粒金属粉 CVD法、液相法
 ・Niペースト組成、内部電極印刷、塗布形状 ネガパターン印刷
 ・内部電極収縮、共材の効果、異物の影響
 ・内部電極組成と信頼性

13. 脱バインダーおよび焼成での留意点
 ・焼成雰囲気調整ガス、バインダーの熱分解、残留炭素
 ・エリンガム図、雰囲気制御ガス
 ・アニール、酸素拡散、非平衡

14. 外部電極形成の例
 ・バレル研磨、焼成前バレル、焼成後バレル、強度劣化
 ・塗布方法、浸漬法、

15.長期信頼性(MLCC、BaTiO3を例に)
 ・信頼性試験の例、試験方法
 ・バスタブ曲線、初期故障、高温寿命、加速評価

16. 積層セラミック電子部品の故障要因
 ・ボイド、剥離、クラック
 ・樹脂電極、金属端子
 ・マイグレーション、耐湿不良

  □質疑応答□キーワード:セラミックス,焼結、微構造、粒界、拡散、相図、格子欠陥、粒成長、歪、酸素空孔、熱力学、信頼性、スラリー組成、分散性、PVC、シート品質、内部電極収縮、共材、雰囲気制御、相平衡