量子ドットの物性・合成法と応用・実用化に向けた耐久性向上指針<会場/オンライン選択可>

47,300 円(税込)

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開催日 10:30 ~ 16:30 
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主催者 株式会社 情報機構
キーワード 電子デバイス・部品   半導体技術   ナノ構造化学
開催エリア 東京都
開催場所 [東京・京急蒲田]大田区産業プラザ(PiO)1階 A会議室

・【量子ドット】を体系的に学ぶ:実用化の要、耐久性の問題に挑む!
・合成法や評価法、ガラスマトリックスへの分散・安定化方法!

セミナー講師

 村瀬 至生 先生   (株)量子材料技術 執行役員 CTO/産業技術総合研究所 関西センター(兼業)博士(工学)

■講師紹介
東京大学理学系研究科化学専攻修士課程修了(分子分光学)、日立製作所中央研究所(超高密度光メモリ)にて
博士号取得後、現在の産業技術総合研究所に入所(関西センター、池田)、量子ドットの合成と機能化の研究に従事。
大阪電気通信大学、関西学院大学、中国 済南大学の客員教授を経験。研究成果をもとに、産総研から兼業許可を得て
本年4月に技術移転ベンチャーを設立。執行役員CTOに就任。
・専門研究分野:
蛍光性量子ドットの合成、ガラスコートによる機能化、分光学的評価

セミナー受講料

1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

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セミナー趣旨

  量子ドットは、色素や希土類イオンとは違った特徴を持つ新しいタイプの蛍光体として知られるようになりました。4Kディスプレイとして実用化され、医療分野では診断薬としての検討も進み、太陽電池への応用も考えられています。また、植物工場用の照明用途としても有望です。この10年間で性能が飛躍的に向上しただけでなく、価格も2桁低下し、実用化が本格的に始まりました。
  本講座では、量子ドットの合成や評価といった基礎事項を体系的に説明するとともに、実用化を考えた際に必ず直面する耐久性の問題を解説します。分子1000個程度からなる量子ドット結晶は、表面の割合が大きく、表面の僅かな欠陥で発光特性が変化します。また、表面は、太陽電池や電界発光のように励起電子が通過する応用の場合にも、重要な役割を果たします。この表面の状態をより深く理解し、蛍光の耐久性を上げるための各方策・指針を、他の最新の研究とも比較しながら、講師独自の見解を加えて解説します。
  講義の中での質問(「Q&A」投稿)を歓迎します。会場受講者だけでなく、オンライン受講者からも反響を頂き、出来る限り皆様の要望に適った有意義な内容にしたいと思っています。

受講対象・レベル

・量子ドットの研究開発者
・発光材料、発光デバイス・モジュールの研究開発者
・ナノテクノロジー関連技術の研究者・開発者
・新規事業/新規技術テーマの調査・探索担当者
・量子ドット関連の案件を取り扱っている特許庁の審査担当者 など

習得できる知識

・量子ドットの基本・概要、特徴
・コロイド量子ドットの作製方法、サイズの制御技術、評価方法、ガラスコート技術
・量子ドットの耐久性向上に関わる技術情報
・量子ドットの各分野への応用・最新動向と将来展望

セミナープログラム

1.量子ドット研究の経緯と基本的な構造・特徴
 1-1 量子ドット合成法と研究の経緯
  1-1-1 量子ドット研究の経緯
  1-1-2 量子ドットを巡る代表的論文の解説
 1-2 ドープされた量子ドットの構造・特徴
  1-2-1 マンガンイオンドープのZnS量子ドット:その特徴
  1-2-2 各種蛍光体の物性と実現できる輝度:量子ドットとの比較も
 ※ここでは導入として、量子ドットの各種合成法やドープされた量子ドットの構造・特徴について、概観します。
2.量子ドットの基本的な物性と粒成長メカニズム
 2-1 物理的、化学的性質(量子サイズ効果など)
 2-2 エネルギー準位の計算方法と留意点
  2-2-1 簡易な計算方法
  2-2-2 量子力学的計算
 2-3 量子ドットのサイズと濃度の求め方
 2-4 粒成長メカニズムと発光効率
 ※量子ドットの基本的な物理・化学的性質、研究開発の実務に必須の解析方法や指針を説明します。
3.各種量子ドットの合成法・特徴と留意点
 3-1 親水性CdTeの合成法
 3-2 親水散性ZnSeと光化学反応を利用したシェルの付加
 3-3 疎水性CdSeの合成と発展
 3-4 疎水性InPの合成と最近の進展
 3-5 ハロゲン化鉛ペロブスカイト、硫化鉛およびカルコパイライト
 ※各種量子ドットの具体的な合成法・注意点を、講師の経験をもとに解説します。
4.量子ドットのガラスマトリックスへの各種分散法
 4-1 バルク体への量子ドット分散:その方法と留意点
 4-2 薄膜への分散およびファイバー形成の方法と留意点
 4-3 微小ガラスカプセル中への分散・安定化
 ※量子ドットのガラスマトリックスへの分散と安定化について、講師自身の論文を他と比較しながら、
      注意点・優位性を解説します。
5.量子ドットの各種特性評価の方法
 5-1 単一分子検出法の発明の経緯とノーベル賞
 5-2 単一粒子検出とブリンキング
 5-3 発光効率(量子収率)の計算法
 5-4 耐光性の測定・評価法
 ※量子ドットの特性評価について、学会最先端のこれまでの動向を説明します。
6.耐久性向上の具体策
 6-1 ポリマーを用いる方法
 6-2 イオン結晶による閉じ込め
 6-3 アルミナ薄膜による被覆
 6-4 ガラスカプセル化
 ※量子ドットの安定性・耐光性向上について世界中の動向を説明し、ガラスカプセル化の位置づけも示します。
7.量子ドットの各応用分野と今後の課題・展望:先行事例も踏まえて
 7-1 ディスプレイ用蛍光体としての量子ドット:その課題と展望
 7-2 量子ドットの太陽電池応用:その課題と展望
 7-3 量子ドットを用いた医療用の診断薬
 ※量子ドットの特性の説明をもとに、この章ではその特性を活かした応用手法、利点、展望を述べます。
8.量子ドットを巡るよくある質問と回答
 8-1 量子ドットディスプレイと有機ELディスプレイの違い
 8-2 ガラスカプセルの具体的使用法、量産性と価格
 8-3 非カドミウム系材料の候補やカドミウム使用量低減・代替技術は?
 8-4 長期信頼性や熱的な耐久性は?
 ※これまでの説明を振り返り、今後の進展と課題を説明します。
9.まとめ
<質疑応答>

■セミナー受講者の声
「量子ドットについての基礎で大切な論文のご紹介からガラスマトリックスへの分散方法やディスプレイや
   生体応用まで網羅的にご紹介頂き、広い範囲の知識の習得につながるきっかけを頂くことができました。
   ありがとうございました」(研究開発)
「内容が充実していました。丁寧な資料・解説、ありがとうございました」(光学部材設計・解析)
「合成法の所が特に面白かった」(開発技術)
「過去の代表論文の解説も非常に参考になった」(経営企画)
「ガラス中への分散安定化の話題が大変興味深かった」(研究開発テーマ探索)