
産業用ドローンにおける航続距離向上技術と電池・エネルギーデバイスと安全性への要望
★エネルギー密度に優れるリチウムイオンキャパシタの特徴・安全性について紹介するとともに、同キャパシタの高耐熱化メリット、ドローンへのキャパシタの活用方法について解説!
★いままでの水素タンク容器と、FCドローン搭載用容器の安全上の観点での相違点とは?
★時間飛行(~2倍)が実証された、ドローンやeVTOLなどの空を飛ぶ用途に向けた高エネルギー電池の開発とは?
セミナープログラム
第1講 産業用ドローンの現状:実用化の動向と電池への要望・航続距離の課題
【12:30-13:30】
イームズロボティクス(株) 代表取締役社長 曽谷 英司 氏
【講演キーワード】
イームズロボティクス、ドローン、ドローンポート、点検、測量、物流、農業、農薬散布、林業、害獣、鳥獣害、災害、災害対応、UAV、UGV、USV、ArduPilot、自律航行、自律制御
【習得できる知識】
・ドローンビジネスの現状と課題
・レベル3の段階におけるドローン運用の知識
・レベル4の実用化へ向けた取り組みと全体像の把握
【講演のポイント】
レベル4実現に向けたドローン運用について、直近の業界の事例や型式認証に必要とされる課題について解説する。
【講演主旨】
海外ドローンが国内シェアを占める中、国産ドローン導入のメリットやArduPilotの多様性についても触れる。現行のレベル3の段階において、農業、インフラ点検等の分野でドローンの活用が実用化され、既に普及期に入っている。2022年レベル4のより高いレベルの飛行に向けて制度設計や法制度の改定が進んでおり、特に物流分野の利活用においては、LTEの空中利用やリモートID(機体認証)、セキュリティの強化等について導入事例を踏まえて紹介する。
【講演プログラム】
- ドローンの市場環境
- ドローン関連市場の分野別市場予測
- 国産ドローン市場のシェア率
- 経産省ロードマップ(ドローン社会実装レベル4へ向けて)
- 新たなユースケースと社会実装
- EAMSの特長
- ソリューション事業
- ArduPilotとの関連性
- ドローンの利活用
- 点検分野(インフラ点検、3次元測量、プラント、風力発電所など)
- 測量分野(ワンストップサービス、原料ヤード)
- 物流分野(実際の物流事業の紹介)
- 農業分野(農薬散布、リモートセンシング、農作業の省力化へ向けて)
- 林業分野(森林調査、材積調査の最先端技術の紹介)
- 害獣対策分野(イノシシの生態調査や追い払い、駆除活動へのサポート)
- 災害対応分野(衣料品搬送、水難救助者、AIによる被害状況把握)
- ドローンの今後の動向(完全自動化へ向けて)
- 現状の課題
- ドローン運用の基礎知識、導入までのコストなど
- 最先端開発事例 ①準天頂衛星「みちびき」を利用した運用
- 最先端開発事例 ②屋内外自律走行ロボットの開発
- 最先端開発事例 ③ドローン技術を自動車など他モビリティへの自律制御へ応用
- 最先端開発事例 ④完全全自動化へ向けて「ドローンポート」開発レポート
【質疑応答】
第2講 水素燃料電池ドローンの運動性能向上に貢献する高耐熱リチウムイオンキャパシタ
【13:40-14:55】
(株)ジェイテクト 蓄電デバイス事業部 蓄電デバイス開発室 室長 三尾 巧美 氏
【講演キーワード】
ドローン、燃料電池、電力変動、姿勢制御、キャパシタ、高耐熱、長寿命、安全性
【習得できる知識】
・リチウムイオンキャパシタの構造と特長
・リチウムイオンキャパシタをドローンに適用する際のメリット
・リチウムイオンキャパシタのその他活用方法
【講演のポイント】
出力型蓄電デバイスであるキャパシタのうち、エネルギー密度に優れるリチウムイオンキャパシタの特徴・安全性について紹介するとともに、同キャパシタの高耐熱化したことで得られるメリット、キャパシタの活用方法について解説します。
【講座主旨】
ドローンの航続距離・連続稼働時間延長には、水素燃料電池(Fuel Cell: FC)を主電源に適用するのが有効な手段の一つです。しかしながらFCは急峻な電力変動への対応が苦手であるため、入出力性能に優れた蓄電デバイスを併用することが必要です。本講座では、出力性能が従来よりも大幅に向上した高耐熱リチウムイオンキャパシタの紹介と、ドローンに適用した際の効果について解説します。
【プログラム】
- ドローンの航続距離延長
- 水素燃料電池(Fuel Cell: FC)の有用性
- 出力型蓄電デバイスの必要性
- リチウムイオンキャパシタ
- 構造・特長・製造方法
- ドローンに適用する上での技術課題
- リチウムイオンキャパシタの高耐熱化
- 改善実施事項
- 耐熱性・低温特性・大電流耐性
- 高耐熱リチウムイオンキャパシタの安全性と輸送法規
- 安全性
- 輸送法規(UN3508)
- ドローンへの高耐熱リチウムイオンキャパシタの活用
- 【基盤技術紹介】電動パワーステアリング(EPS)用補助電源システム
- ドローンへの適用事例紹介:(株)ロボデックス様
- 今後の予定
【質疑応答】
第3講 水素燃料電池ドローンへの展開を踏まえた容器開発と安全性向上
【15:05-16:20】
JFEコンテイナー(株) 高圧ガス容器事業本部 シニア フェロー 兼 グローバル・スチール・パートナーズ(株) 代表取締役 高野 俊夫 氏
【講演キーワード】
水素燃料電池ドローン 航続距離 リチュウムイオンイオン電池、水素吸蔵合金 大臣特認
【習得できる知識】
FC燃料電池ドローン等のマイクロモビリティ搭載用小型複合容器の要求仕様が理解できる。
【講演のポイント】
FCV搭載用容器とFCドローン搭載用容器との安全上の観点での相違点について解説して、FCドローン搭載用容器として提案されているType3 及びType 4 容器の安全上の妥当性について解説する。
各種動力源の比較をシステム重量と航続時間の観点で比較する。更に、FCドローン大臣特認を取得した2例について紹介する。
【講演主旨】
水素燃料電池自動車(FCV)には、500km 走行を目標として、5kgの水素を充填した高圧水素容器が搭載されている。FCVの製造過程、走行中、閉ざされた駐車場等での安全性を考慮して多数の安全要求が高圧水素容器に係る技術基準に掲載されている。これらの、要求事項は、圧縮天然ガス自動車(CNGV)が市場の登場してからの数10年以上の歴史の中で発生した事故を教訓として、再発防止の観点から構築されている。
ドローンの航続時間の更なる延長には、バッテリーと比較して軽量な水素燃料電池(FC)システムの搭載が必要となる。海外では、各種の高圧水素容器及びバルブを搭載したFCドローンが提案されている。主に、軽量性に着眼を置いて提案されている高圧水素容器・バルブが存在する。
日本において、高圧ガス保安法の省令(例えば、一般高圧ガス保安規則)では、高圧ガスの移動や消費において「充塡容器等は粗暴な取扱いをしないこと」と規定されている。高圧ガス保安法の規制の下でFCドローン を安全に運用するための要件を整理し、その成果をガイドラインとして、「水素燃料電池ドローンにおける高圧ガス の安全のためのガイドライン(2020 年4月)」が取り纏められた。
本講演では、(1)①各種高圧容器の種類、②製造方法、③ CFPP 複合容器への要求仕様、④ CFRP 複合容器の設計上の留意点、⑤ CFRP 複合容器の各種の評価試験の事例について解説する。更に、(2)⑥FCV搭載用容器とFCドローン搭載用容器との安全上の観点での相違点について解説して、⑦FCドローン搭載用容器として提案されているType3 及びType 4 容器の安全上の妥当性について解説する。更に、(3)⑧ FC ドローン搭載用容器に係るガイドライン、最後に(4)⑨FCドローン搭載容器の大臣特認を取得した容器について解説する。
【プログラム】
- 各種高圧ガス容器の概要と要求事項
- 各種高圧容器の種類、
- CFRP複合容器の製造方法、
- CFPP 複合容器への要求仕様
- CFRP 複合容器の設計上の留意点
- CFRP 複合容器の各種の評価試験の事例
- FCV搭載用容器とFCドローン搭載用容器の比較
- 安全上の観点での相違点
- FCドローン搭載用容器として提案されているType3 及びType 4 容器の安全上の妥当性
- FCドローンの市場導入に向けて
- 搭載用容器に係るガイドライン、
- FCドローン搭載容器の大臣特認を取得した容器
【質疑応答】
第4講 加圧電解プレドープ技術を用いた高エネルギー二次電池の開発とドローン応用
【16:30-17:45】
ORLIB(株)代表取締役社長 佐藤 正春 氏
【講演キーワード】
高エネルギー電池、高出力電池、長時間飛行、インフラ検査ドローン、物流ドローン、農業用ドローン
【習得できる知識】
・二次電池の構造と特徴
・新型電池の開発動向
【講演のポイント】
実際にデモフライトで長時間飛行(~2倍)が実証された高エネルギー電池を紹介して、新しいデバイスによる新しい世界について考えるきっかけを提供できる。
【講座主旨】
私たち社会の一つの目標である「持続的で豊かな社会の実現」には必要な時にエネルギーを出し入れできる二次電池は欠かすことができません。現在、より多くのエネルギーをより効率的に取り扱うことができる新しい二次電池を目指して、さまざまなアプローチが行われています。私たちは充放電の化学反応を担う活物質に注目し、新しい材料で高エネルギー電池を実願しようとしています。今回は私たちが取り組む技術のうち負極技術について説明します。これは従来の1.5~2倍の高エネルギーで、特に、ドローンやeVTOLなどの空を飛ぶ用途に適しています。これらに加えて新たな用途を探索することで、二次電池使用の刷新、および新型電池を核とする新たなデバイス、システムの創生も可能であると考えています。さまざまな分野のみなさまとの交流、情報交換に期待しています。今回の講演がそのきっかけになれば嬉しいです。
【プログラム】
- 二次電池の技術動向
- リチウムイオン二次電池
- 次世代二次電池
- 多電子系二次電池
- 有機化合物を正極活物質とする二次電池
- Si系化合物を負極活物質とする二次電池
- Si電極の加圧電解プレドープ技術
- 加圧電解プレドープしたSiを負極活物質とする二次電池
- 製造プロセス、および基本的な性質
- LIB正極と組み合わせた高エネルギー電池
- Si系高エネルギー電池への期待と市場の反応
- インフラ検査ドローン用高エネルギー二次電池の開発(2020年度NEDOプロジェクト)
- インフラ検査ドローンの課題
- 高エネルギー電池の小型ドローンへの搭載とデモフライト
- 大型ドローン用高エネルギー電池の開発(2021年度NEDOプロジェクト)
- 今後の予定
- ORLIBについて
- 提供できる技術と提案
- 今後の技術開発戦略
【質疑応答】
セミナー講師
第1部 イームズロボティクス(株) 代表取締役社長 曽谷 英司 氏
【著作・受賞・経歴】
【ドローン事業での実績】
国外アライアンス イギリス Sky-Future社ほか
海外事業 JICAよりフィリピン橋梁点検
協業推進 パスコ・大日本コンサル・日本海事協会・三井物産 他多数
提案件数 全業種に数百社提案
受注案件 点検・測量を中心に約100件以上
講演 各種セミナーで講演 100回以上
執筆 「建設コスト研究」「ドローンの産業活用のすべて」「日立評論」他
ERA(環境ロボティクス協会) 理事兼務
【ロボット事業での実績】
ソフトバンクPepper for Biz 事業立ち上げを共同で実施。全国保守を対応
はま寿司全国400か所へ展開
日立のコミュニケーションロボット EMIIW3開発プロジェクト参画
マッスルスーツ販売
第2部 (株)ジェイテクト 蓄電デバイス事業部 蓄電デバイス開発室 室長 三尾 巧美 氏
【著作】
自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術(技術情報協会)
二次電池の材料に関する最新技術開発(技術情報協会)
電動パワーステアリング用補助電源システムおよび高耐熱リチウムイオンキャパシタの開発(月刊JETI:日本出版制作センター)
【受賞】
第72回 自動車技術会賞 技術開発賞(2022)
中日産業技術賞 経済産業大臣賞(2021)
Young Investigator Award-EVS31 & EVTeC 2018(2018)
材料技術研究会 論文賞(2014)
【経歴】
2004年 ジェイテクト入社 材料技術業務に従事
2010~2015年 リチウムイオン電池製造設備 研究開発
2013~現在 高耐熱リチウムイオンキャパシタ開発・量産立上げ・次世代品開発
2020~現在 高耐熱リチウムイオンキャパシタ 応用製品開発を兼務
第3部 JFEコンテイナー(株) 高圧ガス容器事業本部 シニア フェロー 兼 グローバル・スチール・パートナーズ(株) 代表取締役 高野 俊夫 氏
第4部 ORLIB(株)代表取締役社長 佐藤 正春 氏
【著作】
白川英樹博士と導電性高分子(分担執筆;第3章 導電性高分子の応用、6「ポリピロール」)、化学同人(2002年2月)
【受賞】
1.2002年10月 機能性高分子コンデンサの開発で電気科学技術奨励賞(オーム技術賞)
2.1996年6月 高分子分散液晶に関する発表でSID Asia Display 96、Best Poster Award
【経歴】
1981-91 花王株式会社
1991-2007 NEC
2007-14 村田製作所
2015-16 山形大学
2017-20 東京大学
2020- ORLIB株式会社
セミナー受講料
【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
受講料
55,000円(税込)/人