プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析

自動車用樹脂は、どの時点で破壊に至るのか?
再生プラスチックにおける耐衝撃性向上のポイント
CFRPやCFRTPにおける「繊維の長さ」やフィラーの「形状や配向」の調整、各種添加剤の選び方と使い方

セミナープログラム

【10:00〜11:10】
第1部 ポリマーアロイ、ポリマーブレンドによる耐衝撃性向上
●講師 テクノリエゾン事務所 代表 今井 昭夫 氏

【講座の趣旨】
  構造材料としての高分子材料には耐衝撃性・耐熱性・柔軟性・寸法安定性、耐候性、軽量性、易加工性など様々な性能が要求されるが、これらは相互に二律背反的である場合が多い。これらを同時に解決する手法として、すでに20世紀に非相溶系のポリマーアロイ技術が確立されている。 しかし、最近の市場からの要請はより高水準の性能・機能の要求へと進展しつつある。幸いなことに2010年代以降、ナノ/ミクロの両サイズレベルでモルフォロジーを同時に階層的に制御する「第四世代ポリマーアロイ」技術が顕著に進展している。 本講では、耐衝撃性の改良・向上の視点から第四世代アロイ技術の特徴を捉え、解説する。

【セミナープログラム】
1.高分子材料への要求特性と分子構造
  1.1 耐衝撃性
    1.1.1 衝撃・破壊の機構
    1.1.2 衝撃強度試験法の理解
    1.1.3 耐衝撃強度と高分子の分子構造
    1.1.4 ポリマーブレンド系の耐衝撃強度
  1.2 耐衝撃性と耐熱性
  1.3 耐衝撃性と柔軟性
  1.4 耐衝撃性と加工成形性
2.二律背反的な諸物性の同時改良技術
  2.1 第一世代ポリマーアロイ技術
  2.2 第三世代ポリマーアロイ技術
  2.3 衝撃吸収機構とポリマーモルフォロジー
3 .第四世代ポリマーアロイ技術と耐衝撃性
  3.1 ナノサイズモルフォロジーの形成
  3.2 ナノサイズ分散ポリマーブレンド系の物性
  3.3 第四世代ポリマーアロイ技術を支える要素技術
  3.4 第四世代ポリマーアロイの工業化の実例
  3.5 第四世代ポリマーアロイ技術の今後の進展の可能性
【質疑応答】


【11:20〜12:50】
第2部 フィラーを活用したプラスチックの 耐衝撃性向上技術
●講師 (株)プレジール 副社長 工学博士 野村 学 氏  (京都工芸繊維大学 特任教授)

【講座の趣旨】
  プラスチック材料を工業材料として使用する場合、耐衝撃性は非常に重要な特性となる。ポリマーの耐衝撃性を向上させる技術としては、(1)エラストマーの活用技術、(2)ポリマーアロイ・ブレンド技術、(3)フィラーの活用技術が考えられる。 中でもフィラーを活用する方法は、衝撃強度と弾性率(剛性)の相反する特性を同時に向上できるなどの優れた利点を有している。そのためフィラー強化複合樹脂は、現在ではフィラー形状制御や複合材料の構造制御等により高性能化が図られ、重要な工業材料として幅広く使用されている。今回は、こうした複合材料の高性能化、特に耐衝撃性向上技術に関して概説する。

【セミナープログラム】
1.フィラー形状制御(微粒子化)およびモルフォロジー制御による複合材料の高衝撃化
2.繊維状フィラーの形状制御(長繊維化)と界面制御による複合材料の高衝撃化
3.複合材料成形体の構造制御による高衝撃化
4.成形加工プロセスを活用した成形体の高衝撃化
【質疑応答】


【13:30〜14:30】
第3部 耐衝撃性・機械的物性を向上させる添加剤
●講師 ビックケミー・ジャパン(株) イノベーション ディベロプメント 統括 若原 章博 氏

【講座の趣旨】
  プラステック材料の物性のコントロールに、粒子状・繊維状の無機材料やセルロース系材料が用いられる。しかしながら、低極性であるポリマーに相対的に高極性のフィラー材料はなじみにくい。両者の界面に介在し、分散性・密着性を上げることで、粒子・フィラー材料の能力を最大限引き出すことができる。プラステック材料全体としても各種機械的・熱的物性の向上が図られる。ここではそうした界面制御の添加剤を紹介する。

【セミナープログラム】
1.高分子量を保持しながら極性基を導入したSCONAシリーズ
2.ポリオレフィン等への無水マレイン酸の付加技術
3.フィラーとマトリクスの密着性の向上メカニズム
4.相溶性の向上と耐衝撃性
5.曲げ強度の向上
6.引張強度の向上
【質疑応答】


【14:40〜15:50】
第4部 繊維複合材料や発泡樹脂における耐衝撃性向上について
●講師 サンワトレーディング(株) 代表取締役 馬場 俊一 氏

【講座の趣旨】
  強化繊維複合材料や発泡体コア材の利用のみならずリサイクルにおいても その耐衝撃性は重要なファクターとなる。 グローバルな市場は、軽量化や耐衝撃性向上はもちろんそれ以外に、何を求めてどこ へ向かっているのかについて解説する。 また、2022年5月にパリで開催されたJEC Paris 2022から見た連続繊維と熱可塑性樹 脂 の複合材料と特徴と応用事例紹介をする。

【セミナープログラム】
1.強化繊維複合材料の種類とその耐衝撃性の考え方
  1.1 熱硬化性複合材料と熱可塑性複合材料の違い
  1.2 繊維長と耐衝撃性
  1.3 エネルギー吸収
  1.4 CFRP vs CFRTP
  1.5 GFRP vs GFRTP
2.発泡体の種類とその耐衝撃性の考え方
  2.1 硬質プラスチック独立気泡発泡体
  2.2 カーボン発泡体
3.JEC Paris 2022
  3.1 展示会の概要
  3.2 サステナブル熱可塑複合材料
  3.3 繊維とマトリックスの組合せ
  3.4 熱可塑性複合材料の特徴
  3.5 サンドイッチ構造
  3.6 主な展示品
    自動車部品、スポーツ用品、通信機器
4.今後の展開 
  4.1 リサイクル
  4.2 バイオベース
  4.3 難燃性
【質疑応答】


【16:00〜17:00】
第5部 ナノレベルで相構造制御した高耐衝撃プラスチックの開発と部品軽量化への応用(発泡成形ドアトリムを題材として)

●講師 トヨタ紡織(株) 材料技術開発部 プリンシパルエキスパート 鬼頭 雅征 氏
 
【講座の趣旨】
 私どもが開発したPP/PAアロイは,ナノオーダの相構造制御により世界トップレベルの衝撃強度を達成した高耐衝撃プラスチックである。今回のセミナーでは,この耐衝撃プラスチックの材料設計の考え方(リアクティブプロセッシングを適用),耐衝撃特性の向上メカニズム,PP向け衝撃改質剤としての活用法を紹介するとともに,発泡成形ドアトリムへの応用(クラウンに搭載)について解説する。

【セミナープログラム】
1.高耐衝撃プラスチックの開発
  1.1 開発の背景(バイオプラスチック採用部品の拡大)
  1.2 相構造制御のための材料設計手法(リアクティブ・プロセッシングの適用)
  1.3 耐衝撃特性の向上メカニズム
  1.4 高耐衝撃プラスチックの主要特性
2.ポリプロピレン用衝撃改質剤としての活用
  2.1 衝撃改質剤とは?
  2.2 一般的なPP用衝撃改質剤に対する有用性
3.発泡成形ドアトリムへの適用
  3.1 開発の背景(軽量化および安全性ニーズ)
  3.2 射出発泡成形とは?
  3.3 射出発泡成形の開発変遷
  3.4 高耐衝撃プラスチックを衝撃改質剤とした発泡ドアトリムの開発
4. 今後の材料拡販に向けて
  4.1低コスト高耐衝撃プラスチックの材料設計の考え方
  4.2 三井化学 「タフマーTM CR-1202」としての一般発売
  4.3 新型クラウンへの採用
【質疑応答】

セミナー講師

【第1部】 今井 昭夫 先生   テクノリエゾン事務所 代表 
【第2部】 野村 学 先生   (株)プレジール 副社長 工学博士 (京都工芸繊維大学 特任教授)
【第3部】 若原 章博 先生   ビックケミー・ジャパン(株) イノベーション ディベロプメント 統括 
【第4部】 馬場 俊一 先生   サンワトレーディング(株) 代表取締役 
【第5部】 鬼頭 雅征 先生   トヨタ紡織(株) 材料技術開発部 プリンシパルエキスパート 

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込み,資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕

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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   複合材料・界面技術   機械材料

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