次世代通信 5G/6G・ミリ波に対応した電磁波吸収フィルム・シートの開発へ向けた材料技術と要求特性
開催日 |
10:30 ~ 16:45 締めきりました |
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主催者 | (株)AndTech (&Tech) |
キーワード | 電子デバイス・部品 通信工学 磁性体 |
開催エリア | 全国 |
開催場所 | ※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です |
★電波吸収部材の設計からその必要性について解説!
★ノイズ対策は、伝搬モードにより様々な手法が用いられており、対策部材の設計と適用について紹介!
★樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、開発した広帯域の電磁波吸収材の設計コンセプトや開発品の性能について紹介!
セミナー講師
第1部 山形大学 大学院理工学研究科 建築・デザイン・マネジメント専攻 教授 日髙 貴志夫 氏
第2部 マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第3製品課 技師 豊田 将之 氏、
マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第3製品課 技師 藤田 真男 氏
第3部 戸田工業(株) 創造本部 顧問 博士(工学) 山本 一美 氏
第4部 (株)KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室・室長 博士(工学) 中嶋 孝宏 氏
セミナー受講料
【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
セミナープログラム
第1部 5G/Beyond5Gに対応した電磁波シールド・吸収材料設計の考え方
【10:30-11:45】
山形大学 大学院理工学研究科 建築・デザイン・マネジメント専攻 教授 日髙 貴志夫 氏
【講演主旨】
スマートフォンなどの電子機器では5ギガヘルツ以下の周波数帯が用いられてきた。しかし、5Gでは6ギガヘルツ以上の高周波帯が用いられる予定である。磁性粉のスネーク限界を超える周波数帯域でのノイズ対策に新しいビジネスチャンスがある。
【キーワード】
1.誘電率測定法
2.透磁率測定法
3.UWB帯の電磁波吸収体
【プログラム】
- 第五世代移動通信の動向
- 5Gのキーコンセプト
- 3Gおよび4Gと5Gの相違
- 5Gで利用される周波数帯(6~100GHzの帯域における分類)
- 各周波数に対応した電磁波シールド・吸収材料の選択のコツと適用可能性
- 電磁波の基礎
- 電磁波とは何か
- 波の特性1(ヤング干渉)
- 波の特性2(フラウンホーファー回折とフーリエ変換)
- 波の特性3(フレネル反射)
- 電磁波シールド・吸収材料設計
- 電磁波シールド材料の紹介と設計のコツ
- 電磁波吸収材料の紹介と設計のコツ
- 電磁波シールド・吸収の評価法
- 平行金属板法
- 導波管法
- 空洞共振法
- 自由空間法
- TDR法
- マイクロストリップ線路法
- KEC法
- 各種測定法と測定上の注意
- ノイズ発生・伝達と防止
- ノイズ発生源を知る
- ノイズの伝達経路
- ノイズ防止方法
- ノイズ抑制材料の商品化
- ビジネスモデルの構築
- 商品化事例
- まとめ
【質疑応答】
第2部 ミリ波からサブテラヘルツ波に対応した透明電波吸収シート
【12:30-13:45】
マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第3製品課 技師 豊田 将之 氏、
マクセル(株) 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第3製品課 技師 藤田 真男 氏
【講演主旨】
電波吸収部材はハード筐体,アンテナ筐体においてなくしては存在できない技術である。 しかし、不要電波を吸収する手段がミリ波,テラ波帯域になるにつれハード自体の技術では困難になりつつある。本講義では電波吸収部材の設計からその必要性について解説する。
【キーワード】
テラヘルツ波、λ/4型電波吸収シート
【講演ポイント】
2020年からスタートされた5G(第 5世代移動通信)を含めた無線通信技術の発展の流れにより、これからの人々の生活が変わっていくことが予想される。また、WRC-2019では高解像度イメージセンサー、および陸上移動サービスと固定サービスによる275〜450GHzのテラヘルツ波帯域の使用の可能性について議論された。様々な周波数帯が使われるはずの未来通信環境において電波干渉などを回避するためには不要電波を抑制する技術が必要となる。従って、このようなミリ波帯やテラヘルツ波を利用するという技術動向に対応した周波数帯の不要電波を吸収する技術のニーズがさらに高まることが期待される。
【習得できる知識】
電波吸収シートの開発指針(2次元計算)
電波吸収シートの使用例
【プログラム】
- ミリ波・THz波帯電波吸収部材の現状
- 無線通信の背景
- 基礎・電磁波とは
- 電波の定義
- EMCの分類、単位dBとは
- 電磁波 ~近傍界と遠方界~
- λ/4型電波吸収シートの開発
- λ/4型電波吸収シートの吸収原理
- λ/4型電波吸収シートにおける吸収周波数と誘電体層との関係
- λ/4型電波吸収シートの2次元計算
- 電波吸収シートの評価方法
- 次元計算による開発指針と実測との比較
- 電波吸収シートの作製方法
- 電波可視化技術の紹介
- 電波吸収シートの実験結果
- 電波吸収シートの今後
- 令和3年度SCOPEフェーズ1での成果報告
- まとめ
【質疑応答】
第3部 軟磁性材料を用いた電磁ノイズ対策部材について
~インダクタ・フィルタ・電磁干渉抑制材とその適用事例~
【14:00-15:15】
戸田工業(株) 創造本部 顧問 博士(工学) 山本 一美 氏
【講演主旨】
電子機器の小型高機能化や自動車のCASE対応など、電磁ノイズ対策は重要な課題となっています。
ノイズ対策は、伝搬モードにより様々な手法が用いられており、対策部材の設計と適用について紹介します。
磁性材を利用したノイズ対策部材は、ノイズの磁界成分を減衰させ、信号の磁界成分は極力減衰させない(S/N比が大きい)事が不可欠となる。
従って、ノイズモードの把握と部材設計及び適用方法が重要、その代表的な対策事例を紹介します。
【キーワード】
電磁ノイズ対策、軟磁性材料、インダクタ、コイル、磁気シールド、非接触給電
【講演ポイント】
磁性材料の素材設計から素材の特徴を反映した部材設計・評価及び製造。
【習得できる知識】
ノイズと対策の基礎知識
軟磁性材料の基礎知識
軟磁性部材の測定と等価回路変換
軟磁性材を用いたノイズ対策部材とその適用と評価技術
【プログラム】
- ノイズモードと対策原理
- ノイズ源の特定と伝搬モード
- ノイズ対策の考え方
- ノイズ対策と電磁気学
- 軟磁性材料を用いた対策部材とその応用
- フェライトコアの特性
- 磁性材とコイルデバイス
- 電磁波干渉抑制材のマイクロストリップ線路特性
- フレキシブルフェライトシートの特性と応用
【質疑応答】
第4部 GHz帯用広帯域電磁波吸収材の開発
【15:30-16:45】
(株)KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室・室長 博士(工学) 中嶋 孝宏 氏
【講演主旨】
GHz帯の高周波の電磁波を吸収するためには、低周波とは異なる材料の設計が必要となる。この帯域の吸収材として、樹脂にカーボン系フィラーを添加したものなどが知られているが、吸収する帯域が狭かったり、厚みや形状が限定されたりするという課題がある。KRIでは、樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、これまでに無かった広帯域の電磁波吸収材を開発した。講演では、その設計コンセプトや開発品の性能について紹介する。
【キーワード】
広帯域電磁波吸収材、GHz帯、ミリ波
【プログラム】
- 開発の背景
- 従来の高周波用電磁波吸収材と課題
- 広帯域の吸収材開発の狙い
- 広帯域電磁波吸収材の開発
- 設計コンセプト
- 電磁波吸収フィラーの分散状態制御
- 開発品の性能
- 今後の展望
【質疑応答】