Q&Aサービスは終了いたしました。過去のQ&Aの閲覧のみ可能となっております。
新規に質問をする場合は上記「コミュニティ」より投稿してみましょう。


QUESTION 質問No.317

クリーンベンチ前面上部のカーテン

全体/その他 |投稿日時:
クリーンベンチはゴミやホコリ、浮遊微生物などの混入(コンタミネーション)を防ぐために一定の清浄度レベルになるように管理された囲いの付いた作業台と認識していますが、ほとんどのメーカーさんが発売しているクリーンベンチには、前面上部にビーニールカーテンが取り付けられていますが、カーテンを付けている目的を教えてください。
大体30㎝から50㎝の長さのようですが、ビニールカーテンの長さに規範はあるかもご教示下さい。

spacer
ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 ご質問のカーテンの目的、長さについて回答いたします。
 また、私の経験から心配なことなども加えさせていただきました。

 カーテンの目的について
 クリーンベンチは前面にビニールカーテンがついているか、自分たちで取り付けている例が多いです。
 一般的なクリーンベンチの構造は、クリーンベンチ上部(天井側)又は背面上部にファンがついています。
 200Vで動いているもが殆どだと思います。このファンモーターの外側に取り外し可能なプレフィルターがついています。比較的大きなゴミはここで捕捉されます。
 このファンモーターで吸い込まれた空気はフィルターを通し、更に格子状のルーバーを通過して作業台に吹き降ろします。
 この吹き出した空気は清浄度が高いです。前面にビニールカーテンを取り付け、作業台や製品加工エリアまで高い清浄度のまま到達させることが目的です。

 カーテンの長さについて
 ビニールカーテンがない場合や短い場合は、吹き出した風が作業台に届かず、上面または背面のファンに引き寄せられて流れてしまいます。
 従って製品加工部分には綺麗な空気が届きません。
 試しに、清浄度の高い空気が作業台に届いている場合と、ビニールカーテンがない場合とでパーティクルを測定し、比較してみると良くわかると思います。

 ビニールの長さは、気流可視化装置(ハンディタイプで良いです)でフィルターから吹き出した風が作業台、製品加工エリアまで届いているかを確認しながら決めます。
 クリーンベンチは同一製品でも性能が少しずつ違いますので、同じ製品でも同じ長さにはできないです。
 東南アジアでは、簡易のブースやクリーンベンチにFFUを載せ、周囲をビニールで覆う対策をしているところもありますが、日本のメーカーのものでも東南アジアの工場で製造されたものとは差がある場合があります。 同一の長さにはできないので、1台ずつ確認しながら長さを決めています。
 カーテンが全く取り付けてないものもありますが、恐らくクリーンベンチを購入しただけで安心しているのかも知れません。或いはその必要性を認識していないかです。

 手前が開いているのは、そこから空気が流れ出てきます。
 カーテンが短いとか、付いていない場合上面から吹き出した空気が途中で外に出てしまい、中に汚れた空気が入りやすい。作業者の影響も受けやすいです。

 クリーンベンチの内の上には格子状のルーバーというものがついています。
 理論的にはフィルターを通過した綺麗な空気が一旦そこに留まり格子から均等に真下に落とす役目です。層流の気流を作ろうという考え方です。

 注意点
 プレフィルターやファンモーター部分も清掃が必要ですが、強烈な回転ですので、掃除用具や手を近づけると吸い込まれることがあります。その勢いで怪我をすることが考えられますので、清掃や点検の場合は必ず停止させましょう。
 また、ファンは3個並んでついている場合、真ん中の一つが故障していても、両側のファンの回転につられ回転しているように見える場合があり見落としやすいです。(事例があります)

 停電などがあった場合でも最近のものは、通電時自動復帰するものが多いです。旧タイプでは、自動復帰しないタイプがありますが、中の蛍光灯が点灯しているとクリーンベンチがあたかも運転しているものと勘違いし、長い時間気が付かない場合があります。製品が不良になったとか、パーティクルが沢山付着していて初めて気が付いた例があります。
 クリーンベンチ内部の清浄度の点検も定期点検だけでなく、このような非常時の時も実施しましょう。

 ご存じのことも多々あると思いましたが、ご質問の内容以外に、私の経験から心配なことも加えました。
 ご確認をよろしくお願いいたします。