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QUESTION 質問No.221

生産ラインの設備管理、清掃の外注化について

生産生産マネジメント |投稿日時:
精密機器製造会社で従業員は200名です。私は管理部門の責任者をしている50代です。
工場の設備管理、清掃の外注化についてご指導ください。
現在、定年間近のベテラン社員がその個人的な経験を活かして工場の電気設備、空調設備、清掃の作業を行っていますが、定年退職後はその仕事を引き継ぐ人材がいません。
そこで外注化を検討してますが、企業秘密も多い生産ラインに第三者が入り込むこと、そして作業レベルに不安を感じています。
一般的な設備管理会社でこのような専門的な施設管理が可能なものでしょうか。
また、委託するにあたり留意すべき事項があればご指導いただきますようお願いいたします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

クリーン化が専門の清水です。
団塊の世代が退職すると、このような状況になることを想定し、その危機意識で十数年前からものづくり企業だけでなく、色々な業界で対応策を考え、実施してきました。
その例の一つに、早いうちからそれを見越した採用をするとか、不況時も採用を止めることなく、社員数を毎年平準化し、ベテランにつけて技術、技能の伝承を試みてきたところもあります。
今からでも可能な限り対応しておくことで、自社が将来にわたって存続できる仕組みを作っておきたいですね。

ご相談の現場は精密機器製造とのことですが、クリーンルームでの作業かどうかはわからないのですが、そのことにこだわらず気になること、および対応案など列記いたします。
私は長くクリーン化という仕事をしてきましたので、現場側からの視点で記します。

 定年間近な方ですと相当のノウハウを保有していると思います。 
長い間日々改善や工夫の積み重ねがされてきたと思います。単純なことに見えても、その技術、技能の深さは計り知れないと思います。これは大切な財産です。これがそのまま消えてしまうことは非常にもったいないことです。
 設備管理面では、長年使いこなしてきて設備の癖なども熟知していたり、修理、保全の場でも効率的なメンテナンスの仕方などのノウハウを沢山持ち合わせていると推測します。

 これを外注化した場合、突発故障などには対応ができないとか、遅れることが推測されます。また計画保全であっても、設備の癖などを知らないと時間がかかったり、遠回りすることも考えられます。部品の調達など事前準備にも手落ちがあるかもしれません。
 そうならないよう日頃から社員と外注会社の方との連携も良くしなければなりません。でもそれにあまり時間もかけられないので、連係ミスも出て来ます。

ものづくり企業は、最近では余裕時間をあまり考慮していません。また設備故障やそれによるロスも生産計画には含んでいない企業が多いと思います。つまり生産が止まると挽回でできないと思います。これは納期遅延や売上げの減少に直結します。
対応次第では、会社の信頼性にも影響するかもしれません。その影響を少なくしようとすると、外注会社の常駐化も考えなければいけません。これは人頼みであり、思い通りにいかないことや多額の費用も必要になります。

 清掃は、電気設備や空調設備の清掃についてだけなのか、作業エリアの清掃も含めてなのかわかりませんが、単に掃除の意識ではなくここにも貴重なノウハウがあるはずです。
 これも途切れることなく継承し、また伝承していきたいです。

 OJTで後継者育成
 そのベテランの方が退職し、単に外注化したり、社員を充てても、今まで蓄積されてきた技術はいったん途切れてしまいますから、これまでのノウハウをいきなり失ってしまいます。その大きさに気づいた時には遅いと思います。
 そこで、まずその方に残ってもらうことはできないでしょうか。そのうえで現場の方を育成する。
つまりOJTでの育成。それを期間を決めて、要領、勘、コツなどを抑えるような育成、併せて標準書の整備。つまりOJTでの指導と文書化の両面でノウハウを残すことです。
作業標準書には、勘、コツ、抑えどころは落ちなく記載し残すことをしておきたい。
OJTで育成された人がその過程で標準書も作ることで、引き継いだ後不明なことがあっても、見直せば思い出すでしょう。そしてそれを充実させて引き継いでいくという仕組みを作りたいです。
 現場の清掃であれば、自社の現場をよく知っている人、つまり現場の人がやるのが良いと思います。
 清掃業者は、その現場の特徴、製品製造、品質についてかかわることはありません。逆に清掃の仕方によって、色々な不具合が出ることが考えられます。
 また、安全面でも、現場を熟知していないと、事故、災害が起きることも考えられます。
 ただし、自社メンバーを充てる場合、電気、機械、使用する洗浄剤、薬品などの知識は必要ですから、文書だけでなく体験学習も必要です。
 やって見せ、言って聞かせて、やらせて見せて、褒めてやらねば、人は動かじ。これは山本五十六の言葉ですが、そのような育て方をしたいです。

 定年間近の方ですので、指導、育成の時間もロスを最小に抑え、効率的に進めたいです。
 短期間で人を育てるには、今となっては綱渡りのようですが、その中で精いっぱいやるしかない気がします。
 もちろん、つなぎで並行して業者を使うことも必要な場合もあるかもしれませんが、最終的には自前でやりたいです。 併せて、同じことの繰り返しにならないよう、自社の存続も考慮して、上記のような継承できる仕組みも考えておきたいです。どのくらい重複させバトンタッチをするか。

 このほか、従業員の方も作業だけでなく、色々な業務もこなせるようにして、幅を広げることで、お互いに応援し合うこともできます。また作業習得した人が不在の場合も対応できるようにしておきたいです。単に外注化するよりも従業員を如何に育てるかを追求すると会社の経営に貢献してくれると思います。人材ではなく、人財育成です。

 私のアドバイスは平凡かもしれませんが、参考になれば嬉しいです。