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QUESTION 質問No.136

ISO9001について

全体/その他品質マネジメント |投稿日時:
質問させて下さい。

ある会社に訪問したところ、ISO9001について話が出ました。

私は、商品企画の専門でISOの専門ではございません。

自分なりに調べたもので、ISO9001に一部分に
顧客満足がありました。また、分析についてもありました。

ISO9001のこの部分で、顧客満足と分析をどのように行っているか、
お分かりの方がいましたらお教えいただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

顧客満足度の解釈を説明します。

 品質管理の原則として、「後工程はお客様」と広く伝えられています。
 各担当部署で処理した業務が後工程に引き取られた時に、業務品質が満足できるように配慮し、問題点を指摘されたら、その趣旨を理解した上で、意見・改善の提案を行い、調整することが大切なことです。
 営業か接触するお客様についても、要請事項を聞いた上で、相手に最適と思われる提案を行うことが大切なことです。指摘されたことにそりまま従うようでは、満足度を向上させることは出来ません。出来て当然です。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

ISO9001について
 ISO9001:2008には、顧客満足に関して次のように規定しています。
8.2.1 顧客満足
組織は、品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定の一つとして、顧客要求事項を満たしているかどうかに関して顧客がどのように受け止めているかについての情報を監視しなければならない。この情報の入手及び使用の方法を定めなければならない。
 また、ISO9001は2015年9月15日に2008年版が改訂されていて、ISO9001:2015では次のようになっています。
9.1.2顧客満足
組織は、顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について、顧客がどのように受け止めているかを監視しなければならない。組織は、この情報の入手、監視及びレビューの方法を決定しなければならない。
注記:顧客の受けとめ方の監視には、例えば、顧客調査、提供した製品及びサービスに関する顧客からのフィードバック、顧客との会合、市場シェアの分析、顧客からの賛辞、補償請求及びディーラ報告が含まれ得る。
 顧客に提供した製品・サービスを、顧客がどのように思って受け取ったかを阻止測る作業を行うことになります。
 一般的には「アンケート」調査を実施していますが、顧客である発注者の下請け評価を用いる場合もあります。2015年版では注記として様々なデータが明確にされて、こうしたものも使用できるようになっています。
 
 また、ISO9001:2015の「8.2 製品及びサービスに関する要求事項の決定」では、次のように規定し明確にする内容を示しています。
8.2.3 製品及びサービスに関連する要求事項のレビュー
8.2.3.1 組織は、顧客に提供する製品及びサービスに関する要求事項を満たす能力をもつことを確実にしなければならない。組織は、製品及びサービスを顧客に提供することをコミットメントする前に、次の事項を含め、レビューを行わなければならない。
a)顧客が規定した要求事項。これには引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項を含む。
b)顧客が明示していないが、指定された用途又は意図された用途が既知である場合、それらの用途に応じた要求事項
c)組織が規定した要求事項
d) 製品及びサービスに適用される法令・規制要求事項
e) 以前に提示されたものと異なる、契約又は注文の要求事項
 組織は、契約又は注文の要求事項が以前に定めたものと異なる場合には、それが解決されていることを確実にしなければならない。
顧客がその要求事項を書面で示さない場合には、組織は、顧客要求事項を受諾する前に確認しなければならない。
品質マネジメントシステムの用語の定義(ISO9000:2015)では、「顧客満足」を次のように規定しています。
3.9.2顧客満足
 顧客の期待が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方。
 注記1:製品又はサービスが引き渡されるまで、顧客の期待が、組織に知られていない又は顧客本人も認識していないことがある。顧客の期待が明示されていない、暗黙のうちに了解されていない又は義務として要求されていない場合でも、これを満たすという高い顧客満足を達成することが必要なことがある。
 注記2:苦情は、顧客満足度が低いことの一般的な指標であるが、苦情が無いことが必ずしも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。
 注記3:顧客要求事項が顧客と合意され、満たされている場合でも、それが必ずしも顧客満足度が高いことを保証するものではない。
 これらのことから「顧客満足」は、「8.2.3製品及びサービスに関連する要求事項のレビュー」の項のa)からe)について、「3.9.2顧客満足の」注記1~3の尺度で把握することになります。また、その方法は、「9.1.2顧客満足」の注記に書かれている事項の、入手できる資料を用いて行います。

 顧客満足のデータが取集できたら、それを分析して評価を出します。規格ISO9001:2015では次のように規定しています。
9.1.3 分析及び評価
組織は、監視及び測定からの適切なデータ及び情報を分析し、評価しなければならない。
分析の結果は、次の事項を評価するために用いなければならない。
a)製品及びサービスの適合
b)顧客満足度
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性
d)計画が効果的に実施されたかどうか
e)リスク及び機会への取り組みの有効性
f) 外部提供者のパフォーマンス
g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性
 一般的には、入手した顧客満足度に関するデータを分析・評価して、顧客満足度を決定します。しかし、品質マネジメントシステムを効果的に運用するためには、用語の定義にあった注記1~3のことを考慮することが望まれます。
 データの分析では顧客満足の調査結果だけでなく、供給者の評価や製品の検査結果、作業手順の実施状況も含めて行います。その結果として「9.1.3 分析及び評価」のa)~g)の決定を行います。そしてそれは、品質マネジメントシステムの有効性の改善を行うために用います。

ISO規格を経営改善に翻訳する中小企業診断士
竹田将文
mh55takeda@agate.plala.or.jp