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製品だけでなく生産プロセスのモジュール化も進む(2012/09/04配信)

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  ものづくり革新便り    2012年9月4日号
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日経ものづくり最新号は「モジュール化」の特集でした。


テレビを典型的な例として、元来すりあわせ型だった製品が、
デジタル技術や設計の合理化を進めることによってモジュール化し、
日本にとって不都合な方向に進化するのが一般的です。


しかし一方でファナックのように、あえて都合の良いモジュール化を戦略的に進めて、
30%を超える高い利益率を達成している日本企業もいるわけです。


嘆く前に業界の競争状態を分析し、好ましいポジショニングを考える必要性が
一段と増しているといえましょう。


ものづくり革新ナビで紹介する一連の手法は、
ある意味ものづくりプロセスのモジュラー化という側面があります。


必要な手法は競合より先に取り入れることが重要です。




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今号の内容
 1.クオリティトーク「FMEA辞書」聴講報告
 2.無料で使えるeラーニングに「設計品質向上」コースが新設
 3.専門家ピックアップ:飯田氏と森氏
 4.掲載記事ピックアップ
 5.ソフトウェア品質シンポジウムのご案内
 6.中小企業高度グローバル経営人材育成事業費補助金公募のご案内
 7.技法解説#36:5フォース分析
 8.書籍紹介:「競争戦略論」マイケル・ポーター
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 1.クオリティトーク「FMEA辞書」聴講報告
8月28日に日科技連のイベントに参加しました。
デンソーで長年設計品質の向上に従事してきた本田陽広氏が、「品質問題
を無くす設計と設計審査の考え方」という副題の通り、5年で品質関連の設
計変更ゼロ、クレーム率3分の1を達成したノウハウを惜しげもなく発表
して下さいました。
FMEAというツールを単に受け身で使うのではなく、グループウェアとの
連携によって設計ノウハウ蓄積を徹底しています。
これを活用するDR(デザインレビュー)をPQ(パーフェクト・クオリテ
ィ)DRと名付け、要求仕様をあらゆる角度から確認し、人材育成の手段と
しても有効とのことでした。
本件の内容は、5月に日本規格協会から出版された同名の書籍にも詳しく
掲載されていますので、御一読をお勧めします。
 http://www.jsqc.org/q/news/events/index.html#h24082




 2.無料で使えるeラーニングに「設計品質向上」コースが新設
科学技術振興機構(JST)が運営するWebラーニングプラザは、機械、
電気、化学などの固有技術から、環境、安全、倫理、知財などの汎用技術
まで100件以上の技術教育が、個々人の好きな時間に無料で学習できる
ということで、東芝をはじめとした企業教育の一環でも使われています。
 http://weblearningplaza.jst.go.jp/
このたび総合技術監理分野の一つとして「技術者のための設計品質向上」
コースが新たに追加されました。このプログラムは、「全体像」「QFD」
「TRIZ」「パラメータ設計」「MTシステム」「プロジェクトマネジメント」
の6レッスンで構成されており、熊坂が監修した事もあり、ものづくり革
新ナビの思想が色濃く反映されています。
是非多くの技術者がこれらを活用して、設計レベルを向上していただく
事を期待します。
 http://weblearningplaza.jst.go.jp/cgi-bin/user/top.pl?next=lesson_list&type=simple&field_code=37&course_code=780




 3.専門家ピックアップ
(1)8月に仲間になった飯田伸司氏は、元SEとしてのプログラマー経
験を活かし、中小企業診断士として独立後はITに強いマーケッターとし
て企業を指導しています。補助金や公的支援制度も詳しく、中小企業の身
近な相談相手として活躍しています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/33
(2)森英樹氏は20年50社以上に対して戦略・マネジメントのコンサルテ
ィングを経験し、ベンチャー・中小・中堅企業の中期経営計画策定とその
実現推進指導を最も得意としています。
経営コーチ育成にも手腕を発揮しており、経営者の右腕となって一緒に戦
略を考えています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/23




 4.掲載記事ピックアップ
8月の後半は4件の解説記事と1件の事例を新しく掲載しました。
森友宏氏は現在進行中の米国の特許制度の改正、川上成年氏は特許情報の
活用と実際、中桐有道氏は現代におけるマーケティングの必要性について
解説してくれました。
 http://www.monodukuri.com/gihou/
事例は、10年前にほとんどゼロから出発し、今では2500社から多くの注残
を抱えるようにまでなった中小企業ミナロを、日本経営品質賞の観点で分
析したものです。
 http://www.monodukuri.com/jirei/




 5.ソフトウェア品質シンポジウムのご案内
現代の製品はソフトウェアによって新たな機能を実現する例が多くなって
いますが、一方で巨大化するソフトウェアは、作るにも評価するにも一筋
縄ではいかないようになってきています。
9月12日~14日にかけて日科技連の主催で東京都文京区東洋大学キャンパス
にて開催されるこのシンポジウムでは、26件の発表に加えてチュートリア
ルや参画型プログラムなど、ソフトウェア品質向上の知識を実践的に習得
できるように企画されています。
 http://www.juse.or.jp/sqip-sympo/




 6.中小企業高度グローバル経営人材育成事業費補助金公募のご案内
関東経済産業局では、中小企業者が新たな事業をグローバルに展開する際、
事業計画の策定から専門人材の育成までを支援し、経営力の強化を図るこ
とを目的に補助事業の対象を募集しています。
対象経費の2/3以内が補助されますので、対象となる活動を計画してい
た企業は応募すべきでしょう。応募期間は9月3日~10月9日です。
応募書類の作成は、当サイトの専門家も支援できますのでご相談ください。
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chusho/20120901globaljinzai_23fy3ji_3jikoubo.html




 7.技法解説#36:5フォース分析
ポーターが提唱する競争分析のフレームワークであり、競争相手の力(フォ
ース)には5種類あるという理論で、(1)同業他社、(2)買い手、(3)売り手、
(4)新規参入、(5)代替の5つの視点を検討します。
まず自社の業界で重要な競争視点を評価し、その中での競争ポジションを
決定します。同業他社を見逃すことはまずありませんが、代替品は軽視し
がちで対応が遅れると致命的になるので、注意が必要です。
 http://president.jp/articles/-/2644




 8.書籍紹介:「競争戦略論」マイケル・ポーター
本書は1979年から96年にかけて「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲
載された論文から10本を収めたもので、上下2巻に分かれています。ポータ
ーは出版当時まだ50歳を過ぎたばかりでしたが、40歳にしてハーバードの
スーパースターと呼ばれた天才のベスト集は、今でも十分に通用します。
特に多くの日本企業が顧客の声を聞きすぎて、多くの同じセグメント上で
競争し共倒れになっているという指摘は的を得ています。
5フォースをしっかり見極め、業界内でお互いのポジションを尊重しあう
健全な競争戦略が求められています。
 http://www.diamond.co.jp/book/9784478200506.html




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今年のメインレースだった8月26日のトライアスロン珠洲大会では、35度の
猛暑の中を何とか完走して参りました。
何が楽しいの?とあきれる妻の視線を背中に浴びつつも、1年に1度だけ8時
間以上無心で運動し続ける日がある事が重要かと思います。
きっちり練習量に応じた成績になるところも、なんだか清々しいですね。




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