メールマガジン バックナンバー

知識/サービス労働の生産性を上げる事とは(2013/02/06配信)

*******************************************************************
  ものづくり革新便り    2013年2月6日号
*******************************************************************




皆様のところでは、雪はどうですか?




51年ぶりに製造業就業者が1000万人を下回ったと、総務省が2月1日に発表
しました。
企業が生産拠点の海外移転を積極化した影響と報じられています。
同様の動きを示した40年前の米国は、サービス業がその余剰人口を吸収し
給与水準は下がったものの、物価も下がったおかげで生活水準は下がらな
かったと言われています。
その後1991年にドラッガーが「新たな生産性革新の挑戦」の中で、農業
革命によって人口の8割を占めた農民が1%でも足りるほど生産性が上がり、
そこで不要となった人々が第二次産業に移り、工業生産性の向上によって、
就業人口の半分を占めていた工員が2割に減りながらも社会を豊かにし、
これからは人口の過半を占める知識/サービス労働の生産性を上げる事で、
社会を豊かにすることができると予想しています。
これまでものづくりで培った改善の考え方、手順、手法が、そのまま知識
サービス業に活かされて行くべきとも提起しています。
供給過多の社会にあって、量をこなす生産性ではなく、価値を増大する
生産性の向上が我々に求められています。




*******************************************************************
今号の内容
 1.日本型MOT研究会参加報告
 2.専門家ピックアップ
 3.掲載記事ピックアップ
 4.利益分析と費用計画への応用セミナーのお知らせ
 5.科学技術者フォーラム交流会のお知らせ
 6.技法解説#46:Q7その2パレート図
 7.書籍紹介:「SQC教育改革」永田靖著
*******************************************************************




 1.日本型MOT研究会の参加報告
2月2日に開催されたこの研究会では、アプライド・ブリッジ代表の野尻寛
氏が「グローバル競争に打ち勝つためのモジュラー&プラットフォーム化と
PLM」というテーマでビジネス戦略論を展開しました。
経産省が毎年発行する「ものづくり白書」の変化をまとめると、近年の製造
業はグローバル市場を前提とした製品戦略、開発であり、そのために自社の
コア技術を核としながらも、旧来のすりあわせ設計から、プラットフォーム
化&モジュラー化を進めて、少数のモジュールを組み合わせて多彩な製品を
開発する戦略が重要で、自動車開発もそうなりつつあります。
プラットフォーム化は5~10年先を見通した戦略が必要で、マーケットイン
はすぐにキャッチアップされるため、プロダクトアウトの意識が重要と提案
していました。
 http://www.geocities.jp/motbukai/




 2.専門家ピックアップ
新たに仲間になった青山利幸氏は中国進出・委託生産支援の専門家で、
香港在住10年の経験を活かして海外/日本企業の経営戦略や生産改善を
支援しています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/39




 3.掲載記事ピックアップ
1月後半は、6件の解説と3件の事例記事を新たに掲載しました。
解説:
(1)品質工学が戦略と言われる理由
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/98
(2)インドのビジネス事情
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/99
(3)ISO9001で品質、環境とコスト一体化の活動を
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/100
(4)経営システム1月号「IEの拡がりと進化」を読んで
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/101
(5)改善を推進するための考え方
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/102
(6)ISO9001の活性化に内部監査の改革を
 http://www.monodukuri.com/gihou/article/103
事例:
(1)ボーイング787機のトラブル続出に思う
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/54
(2)消費者の立場で行った開発事例-マッサージ機を品質工学で-
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/55
(3)パラメータ設計-発振回路とプランジャーの事例-
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/56




 4.利益分析と費用計画への応用セミナーのお知らせ
CVP分析は費用構造分析とも呼ばれ、企業経営において極めて有効な手段で、
あらゆる業種で経営計画や費用管理に適用が可能です。
2月12日(火)10時から東京芝浦のパズル芝浦で開催されるこのセミナーでは、
CVP分析について分かりやすく解説し、さらに経営の計画を具体的に数値
を用いてシミュレーション(Excel)します。
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/20




 5.科学技術者フォーラム交流会のお知らせ
多様な分野の企業OB、現役の技術者や研究者が組織の枠を超えて集い、
科学技術を通して社会に貢献するNPO科学技術者フォーラムは、参加者の
情報交換を主たる目的に毎月交流会を開催しています。
2月23日(土)は13:30から港区生涯学習センター(ばるーん)303号室にて
石川麻由氏による「スマートフォンを活用したヘルスケアサービス」と、
木村新次氏による「日本の中小企業の未来」の二本立てです。
参加申し込みは、直接フォーラムへお願いします。
 http://www.stf.or.jp/top/news.php?SN=252&page=1&cate=cate09




 6.技法解説#46:Q7その2パレート図
主に不良原因分析をする際に、原因毎に件数あるいは発生率を棒グラフで
大きい順に並べ、累積構成比を折れ線グラフで記入した複合グラフです。
イタリアの経済学者パレートが提唱した「2割の原因が8割の不良を引き起
こす」を表現するものとされます。
QC活動では、重要な問題から優先的に対策していく事が基本であり、多少の
手間はかかってもパレート図を作成してからの活動開始が、改善の早道と
なります。




 7.書籍紹介:「SQC教育改革」永田靖著
SQCだけではありませんが、各種改善活動は内容の理解よりみんなに実行
してもらうのが大変です。
統計や実験計画法の良書を多数出版している著者が、統計的品質管理の
重要性と典型的な導入手順を、若干趣向を変えて小説風に解説しました。
革新活動の担当者が、試行錯誤しながら組織内に活動を根付かせ成果を
上げていく経緯は、実際の担当者の参考になることでしょう。




*******************************************************************
2年ほど前に始めたFacebookですが、友だちが本日780人になりました。
カミさんが初売りの福引で1等賞を当てた時の「いいね!」が最高記録の
112人でしたから、おそらく常時見ている人は2割くらいだろうと思って
います。
手軽な情報交換の手段として、リアル交流とともに充実させて参ります
ので、友達申請をお気軽にお願いします。