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日本経営工学会春季大会、ものづくり革新ナビの活動を発表!(2013/05/22配信)

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時代はイノベーション! 【ものづくり革新便り2013年5月22日号】
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皆様、こんにちは!




山梨は昨日の最高気温が30度で真夏のようでしたが、




慶大矢上キャンパスで開催された日本経営工学会春季大会は、
20日に学会、技術士会経営工学部門とIE協会の3団体連携セッションがあり、
技術士代表3名の一員として、ものづくり革新ナビの活動を発表しました。
2000年前からの産業発展の歴史を振り返り、
その流れに従って進歩してきた汎用(ものづくり)工学を解説し、
普及推進する仕組みとして当サイトを高く評価していただけたようです。




他のセッションに比べて圧倒的に聴衆が多く、
その関心の高さに驚いたことと、
他の発表者とのコラボレーションも生まれつつあり、
準備してきた成果を実感してきました。




この勢いをバネとして、さらに強力にものづくり革新を支援していきます。




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今号の内容
 1.田口伸氏品質工学講演会の報告
 2.共催セミナーご案内
 3.AICOS次世代ものづくりイノベーション講演会の報告
 4.掲載記事ピックアップ
 5.経営システム学会発表大会のお知らせ
 6.技法解説#53:直交表
 7.書籍紹介:「実験計画法」(R.A.フィッシャー)
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 1.田口伸氏講演会のご案内




5月15日に甲府市で開催された山梨県品質工学研究会に、
タグチメソッド創始者故田口玄一氏の御子息である田口伸氏を迎えて
お話を伺いました。
今から60年前に田口式実験計画で、当時世界最高峰だったベル研よりも
優れた電話交換機を開発した件に始まり、
タグチメソッドが次第に洗練されていく過程を
数々のエピソードを交えながら、身近な視点で語っていただきました。
今の技術に対してはValidationとAssessmentを分ける考え方の重要性を説き、
今後は中高生への教育に力を注ぐなど、底辺を広げる提案がありました。
また来ていただいてお話頂く機会もありそうです。
 http://yqes.web5.jp/index.html





 2.共催セミナー案内




ものづくり革新ナビの登録専門家が講師をつとめる日刊工業新聞社主催の
セミナーです。
サイト上の解説を読むのとはまた違い、直接話を聞く機会は貴重です。




(1)5月22日「海外ビジネス、中国委託生産の要点」青山利幸
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/34
(2)5月22日「ステージゲート法」浪江公一
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/32
(3)5月23日「人材育成型人事制度のススメ」熊原徹司
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/33
(4)6月6日「設計起因の品質問題を直す設計と設計審査」本田陽広
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/17
(5)6月11日「ヒットを生む顧客価値創造の商品開発」石川朋雄
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/36
(6)6月12日「事例で学ぶ生産財メーカーのHP活用法」宮本栄治
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/37




また、先日好評裏に終了した海外生産セミナーの続編として、
次の企画も共催しています。




(7)7月6,7,13,14日「必ず成果の上がる鈴木流5Sのノウハウ 」鈴木甫
  http://www.monodukuri.com/seminars/detail/35





 3.AICOS次世代ものづくりイノベーション講演会の報告




5月8日に秋葉原で開催されたセミナーは、
慶応大学の田中浩也准教授による
「パーソナルファブリケーション」の現状についてでした。




三次元スキャナーや三次元プリンターの進展によって、
誰もが製品を創造できる時代になってきました。




現状の3DプリンターをPCの歴史で言えば、
「画期的な」マイコンとしてTK-80が売り出された
30年前の状況に似ています。
人によっては「高価なおもちゃ」という評価しか受けていない3Dプリンタですが、
現在が完成形では全くなく、
むしろ正におもちゃとして好奇心旺盛なイノベーターたちが
寄ってたかって遊び回すうちに、
機能や使い勝手、応用範囲がどんどん改善、拡大され、
気づいたら産業の中心に来ていた、
というポテンシャルを十分に備えているように感じました。




ものづくり革新ナビは、AICOS、田中先生に敬意を表して、
早速革新技法リストに3Dプリンタを追加しました。
 http://nposangaku.org/aicos.html





 4.新着掲載記事




5月前半は、3件の解説と1件の事例を新たに掲載しました。
解説:
(1)インターネットを活用したお客様情報の集め方
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/136
(2)グローバルスタンダードに席捲されるモノづくり
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/137
(3)ステージゲート法における事業評価項目
    http://www.monodukuri.com/gihou/article/138
事例:
(4)国際生産成功のための基本的要点(追補)
 http://www.monodukuri.com/jirei/article/66





 5.経営システム学会発表大会のお知らせ




6月1日(土)、2日(日)東洋大学の川越キャンパスで開催されます。
ものづくり関連の発表プログラムには、
アイデア発想、高付加価値製品研究、ビッグデータ、新製品開発、
サプライチェーンなどのキーワードが散見される他、
株式会社亀谷の山崎嘉正社長による「稼業は世の進歩に順ずべし」
情報処理推進機構の田中久也理事の「IT人材の育成について」など
実践的な講演も用意されています。
 http://www.jams-web.jp/information/2013spring.html





 6.技法解説#53:直交表




工業実験の成果を上げるためにはより多くの因子を扱う事が有効ですが、
それによって掛け算式に実験数が増えてしまいます。
そこですべての組み合わせを評価せず、
一部の組み合わせだけを実験して有効な結果を出したいものです。




直交表は一部実施法にもかかわらず、
高次の交互作用を断念することで
少ない実験で要因効果を知るためのツールです。




戦後日本の製造業の発展は直交表の効果と言う人もいるほど
重要かつ有用な手法であり、
もっともっと活用されてしかるべきと考えます。
 http://www.monodukuri.com/gihou/article_list/47





 7.書籍紹介:「実験計画法」(R.A.フィッシャー)




1935年に"The Design of Experiment"として初版が出た本書は、
英国の農事試験場で成果を上げた方法をフィッシャーがまとめたもので、
当然ながら事例はすべて農業実験で示されています。




ここで効率的な無作為化の方策として使われた「ラテン方格」が、
後に工業分野でも使いやすい現在の直交表に発展していきます。




実験の考え方から始まり、検定、推定、分散分析と、
現代につながる実験統計の大元がここから始まる歴史的な書です。




私が持っているのは71年に日本で刊行された8版の訳本ですが、
お師匠さんは全版持っておられるようです。





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先週長女が1年の予定でドイツに旅立ちました。
直前に交通事故に遭い、1週間遅くなりましたが
Skypeのビデオ電話で見ている限り、元気なようで安心しました。
1万キロ離れても無料で話ができるとは、世の中進んだものです。




ところでこのメルマガを書くと結構一日仕事になるのですが、
7項目だから一日おきに1項目ずつ配信したら
どうなるだろうと、ふと思いつきました。




御意見お待ちします。