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東アジア経済セミナー報告(2011/02/19配信)

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  ものづくり工学通信    2011年2月19日号
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ものづくりに日夜奮闘されている皆様、

東京大学ものづくり経営研究センターの藤本教授とお話しする機会が、先
日ありました。
日本ものづくり産業は、容易ならざる環境ながら数兆円の貿易黒字を産み
出しており、元気な現場はまだ各地に存在している。これらを国内に残し、
育てていかないと本当の災難になる、と各方面へ主張する先生から、たく
さんのお土産と課題を頂きました。
誰のせいではなく、我々産業人のひとりひとりが方向感を持って活動して
いく必要があります。

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今号の内容
 1.MTシステム初心者講習会の報告
 2.東アジア経済セミナーの報告
 3.4県合同品質工学研究会の報告  
 4.品質工学会企業交流会のお知らせ
 5.日本ものづくり企業の知財と競争力セミナーのお知らせ
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 1.MTシステム初心者講習会の報告
2月1日(火)13:30より山梨県中小企業人材開発センターのOA研修室にて、
山梨県品質工学研究会主催の講習会が開催されました。研究会の中山副会
長が講師となり、MT法、T法を中心に、概要、適用手順、事例を解説し、最
後に実験シミュレータを使った実習まであり、約20名の参加者は立体的な
理解が進みました。
 http://yqes.web5.jp/MT20110201.pdf

 2.東アジア経済セミナーの報告
2月 2日(水)甲府市アイメッセにて開催され、JETRO海外調査部アジア太
平洋課の若松課長が東アジアの経済情勢と消費市場の現状を報告、解説し
て下さいました。
中国市場の魅力は増大していますが、賃金上昇、外資優遇措置の廃止など
があり、製造拠点戦略としてはベトナム、タイなどチャイナプラスワンが
注目されています。ただしこの地域においても賃金上昇、電力不安などの
問題が顕在化しています。
アジアでは人口の増加×所得の伸びが同時進行する事から、生産地という
よりも消費地としての認識が重要であること、状況の変化が激しいため
中期的な展望とともに機を見た迅速な対応が必要との説明でした。
グローバル化戦略が当然視される時流なのか、100名以上の参加者が熱心に
聴講していたのが印象的です。
 http://www.yiso.or.jp/topics/59.html

 3.4県合同品質工学研究会の報告
2月5日午後甲州市ぶどうの丘センター会議室にて、恒例の合同研究会が開
催されました。
今年は山梨研究会が主催という事で、木下幹事が張り切って準備してくれ
ました。最近注目度が上がっているMTシステムを特集するということで、
この分野の専門家であるアングルトライ(株)の手島社長を招待し、最近
の動向を解説して頂きました。学会ではRT法の報告が多いながら、判別
能力ではMT法が強力である事、異音、圧力、外観などのパターン認識応
用で多くの成果が上がっている事など、活用の上で非常に参考になる内容
でした。
研究会終了後も宿泊施設内で夜更けまで、参加者各位は議論が尽きません
でした。
 http://yqes.web5.jp/meeting.html
 
 4.品質工学会企業交流会のお知らせ
品質工学会では活用している企業を会場として交流会を継続していますが、
第22回である3月4日は、近年大きく業績を伸ばしているコマツ(株)の研
究本部(平塚市)で開催されます。
ホスト企業であるコマツはもちろん、マツダ、三菱、いすゞを始め、自動
車、建機、関連部品企業が多数発表しますので、機械専攻の技術者には特
に参考になりそうです。
 http://www.qes.gr.jp/workshop/22nd_workshop_info.html

 5.日本ものづくり企業の知財と競争力セミナーのお知らせ
2月23日(水) 18:30から東京丸の内のコンファレンススクエアM+にて東京
大学総括プロジェクト機構の知的資産経営総括寄付講座として開催されま
す。
正式タイトルは「21 世紀の日本の企業」~ アジアの成長と共に歩む新た
な競争優位構築に向けて ~で、東京大学の小川紘一特任教授が、現代の
日本企業が圧倒的な競争力を維持する領域と、ものづくりや知財で優って
いながらビジネスで勝てない領域を整理・峻別することで、競争優位力強
化に向けた方策を浮かび上がらせていきます。
ゲストで元・京セラ社長の西口泰夫同志社大学教授も議論に加わり、入場
料がフリードリンク付き1,000円という破格値ですので、産業関係者に大推
薦です。3月18日には妹尾堅一郎先生のセミナーが続きますので、併せて
御検討下さい。
 http://www.iam.dpc.u-tokyo.ac.jp/event/pdf/article_110111.pdf

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寒い冬は続いていますが、時折温かく春の気配を感じる日が混じるように
なりました。大学講師と大学院生の二股生活も一旦春休みに入り、手をつけ
られずに半年棚上げにしていた執筆を再開しようと思います。

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