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全戦全勝はありえない、早く負けて早く修 正する!(2011/09/05配信)

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  ものづくり工学通信    2011年 9月5日号
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ものづくりに日夜奮闘されている皆様、

ユニクロ柳井社長語録に「全戦全勝はありえないので、早く負けて早く修
正する」があるそうです。市場反応の不透明性が増すものづくり産業にお
いても、この原則は使えそうです。タグチメソッドが、早く開発するとい
うよりも悪い技術を早く見つける手法と言われるのも同じ趣旨であり、素
性の悪い技術は早めに手当をする事が重要です。

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今号の内容
 1.経営工学会MOT研究部会のお知らせ
 2.TRIZソフトウェア更新発売
 3.経営システム誌より「エレクトロニクス産業の研究開発投資と収益性」
 4.技法解説:#11 TRIZ(6)SLP
 5.書籍紹介「ものづくりの教科書 革新のための7つの手法」
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 1.経営工学会MOT研究部会のお知らせ
誰でも気軽に参加できるMOT研究部会の9月17日例会は「知の視点からIE~
経営工学の諸技術の適用を拡大する」というテーマで、クリエーション・
プロジェクト代表の河野善彌氏に工学院大学(新宿)でお話頂きます。
工程の定量化とそれを使う最適化に始まった経営工学を、最上流の経営レ
ベルから・中流のハードウエアおよびソフトウエアレベルにまで広い範囲
に展開するお話で、経営工学の新しい適用分野が見えてきそうです。
http://www.geocities.jp/motbukai/

 2.TRIZソフトウェア更新発売
TRIZ支援というより、開発総合支援ソフトというべきInvention Machine
社Goldfire Innovatorの最新版6.6がリリースされました。
提携先知識ベースが更に増強されたことに加え、より迅速で手軽にリサー
チ作業を始められる「One-click Search」や、Goldfireユーザー以外にも
リサーチ結果を自動提供する機能などが搭載され、さらにコラボレーショ
ン機能が強化されています。
またセキュアな環境構築に向けた改良もなされ、お客様の様々な要求に即
しながら、製品ライフサイクルの随所でイノベーションを支援する環境構
築が可能となりました。
http://www.cybernet.co.jp/inventionmachine/news/

 3.経営システム誌より「エレクトロニクス産業の研究開発投資と収益性」
日本企業の低収益性が指摘されているため、売上と営業利益率の相関を取っ
たところ、エレクトロニクス業界も日本産業全般と同様、売上規模が大きく
なるにつれて低収益状態に収斂している事が分かった。
さらに売上高の大きい企業は研究開発効率も低い傾向があり、米国大手平均
の半分以下となっている。
両国企業の事業を分析すると、米国企業は大手であっても事業ドメインが少
なく、日本企業でも比較的研究開発効率の高い企業は事業ドメインが少ない
傾向がある事から、研究テーマの分散が効率低迷要因の可能性がある。
http://www.jimanet.jp/journal/paper/system/index.html

 4.技法解説:#11 TRIZ(6)SLP
新しい技術発想が必要なのにどうしても従来発想から抜け出せない時に、賢
い小人たち(Smart Little People=SLP)だったらどうするだろうと考える、
言わば工学的擬人法です。
例えば防水型の接着を考えると、まず小人たちが水を避けるために「傘をさ
す」「合羽を着る」「水を汲み出す、吸い出す」「長靴をはく」などと想起
し、これを現実の問題に当てはめて技術的アイデアに転換します。
TRIZから発展したUSITにおいても、パーティクル法として同様の発想が使わ
れています。
http://ishiirikie.jpn.org/article/34977879.html

 5.書籍紹介「ものづくりの教科書 革新のための7つの手法」
「日経ものづくり」の'04年4月号から'06年7月号にかけて「なるほどtheメ
ソッド」シリーズとして掲載された中から、7つの手法を加筆修正して発行
された書籍です。
数多の中から私が選んでも、これらになると思う有効な手法ばかりですし、
各分野の第一人者が執筆しているため、概要を知るのに適しています。
この本をきっかけとしてさらに学習し、実践で成果をあげてほしいものです。
既に絶版で、昨年10月に4つの手法を加えて価格15000円の「商品企画・開発
・生産現場の組織力を高める実践ものづくりイノベーション」と衣替えしま
したので、書店で見つかればお買い得です。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/167320.html

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技術士会の6月総会で広報委員会委員に選任され、先日初会合に参加してき
ました。軽い気持ちで引き受けましたが、毎月発行される機関紙のチェッ
クや執筆依頼などでかなりヘビーな印象です。基本は会員向けの啓発を目的
とするものの、外部への発送も多いようなので、会員外に実力を示す場に
できないものかと考えています。

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