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ものづくり産業は、まだまだ伸び代がある(2012/05/22配信)

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  ものづくり革新便り    2012年5月22日号
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ものづくりに日夜奮闘されている皆様、




16日に東大ものづくり経営研究センター(MMRC)で藤本隆宏教授とお話してきました。


近年の多様化したものづくり社会を固有技術だけで乗り切ることは難しく、
MMRCが提言する戦略的な統合型ものづくりシステムと、団塊世代の専門家活用、
論理的プロセスツールの有効性等、多くの点で意見が一致し、
相互協力の具体化が進んだ1時間でした。


ものづくり産業は、まだまだ伸び代があります。


藤本先生の講演は、28日19時東京丸の内の三菱ビルで聴く事ができます。




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今号の内容
 1.ものづくり課題と有効技法の対照表がダウンロード可能た
 2.関西品質工学研究会で講演してきました
 3.専門家ピックアップ
 4.掲載記事ピックアップ
 5.品質管理学会クオリティートーク報告
 6.経営システム学会春の大会
 7.技法解説#28:商品企画7つ道具その6コンジョイント分析
 8.書籍紹介「商品企画7つ道具:すぐできる編」神田範明他著
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 1.ものづくり課題と有効技法の対照表がダウンロード可能に
ものづくり革新ナビは単なる技法の羅列ではなく、企業課題を索引として
有効な技法に誘導される点が最大の特徴ですが、実はこの仕組みは3年ほど
前から熊坂が各所で紹介している「ものづくり工学マトリクス」という表に
基づいて構成されています。
技法や課題が増えていくため、なかなか更新できなかったのですが、この度
1年ぶりに全面更新したのを機会に、会員の皆様にpdf版をダウンロードでき
るように致しました。是非ご活用ください。
今後もナビサイトの修正に合わせて、マトリクスも更新していく予定です。
また、課題や技法、組合せ有効性などの追加、修正御意見を歓迎します。
 http://www.monodukuri.com/information/detail/8
 
 2.関西品質工学研究会で講演してきました
知人から要請があり、「ものづくり革新技法の有効性と活用」という演題で
1時間お話しして参りました。多様な技法の発展は、産業革命に端を発する
社会変化とものづくり変化に対応してきたものであり、活用経験者の評価は
極めて高いにも関わらず、使われていない技法が多いという趣旨です。
数ある技法の中で、品質工学の活用度は中位以下という報告に衝撃を受けた
会員もいて、さらなる普及の必要性を認識する場面もありました。
今後も関西研究会と当サイトは相互協力して参ります。
 http://kqerg.jimdo.com/活動紹介/2012/




 3.専門家ピックアップ
(1)新たに仲間になった中桐有道氏は、主に外資系企業のマーケティング
界で長く活躍してきた方ですが、生産部長時代にはデミング賞受賞の経験も
あり、ものづくりマーケティングに比類なき力を発揮します。最近はWebマ
ーケティングにも関心が深く研究を進めています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/27
(2)桑原正浩氏は比較的歴史の浅いTRIZ界にあって、当初よりその可
能性に気付き10年以上に渡って専門家として活躍してきました。品質工学も
操るところが強みであり、分かりやすく実践的な指導が好評です。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/15




 4.掲載記事ピックアップ
5月の前半は6件の解説記事と1件の事例が新しく掲載されました。
末吉氏が、組織能力を高める心理的な側面を解説し、福島氏はグローバルな
現代における技術系のリーダーに関して提言を発信、長谷部氏は製品開発に
おける信頼性試験の持つ位置づけを解説しました。
今岡氏のパナソニック自転車の事例は、大手メーカーによる始めてのオーダ
ーサイクルを例にとり、SCMのリードタイムの重要性を示しました。
 http://www.monodukuri.com/gihou/
 http://www.monodukuri.com/jirei/




 5.品質管理学会クオリティートーク報告
5月17日は早稲田大学の永田靖教授による工程能力指数のお話でした。いつ
もながら講演の前にビールから始まるこのイベントは、飲兵衛熊坂のお気に
入りで、しかもくじ引きでテーブルが決まるため、各界の品質関係者と情報
交換ができて非常に有益です。
普段何気なく使っていた工程能力指数ですが、推定区間への注意や、多変量
への拡張など、新たな知識を仕入れる事ができました。どんな技法も奥が深
いものです。
 http://www.jsqc.org/q/news/events/index.html#h240517




 6.経営システム学会春の大会
文系と理系の会員がほぼ半々という点で、貴重な存在である日本経営システ
ム学会ですが、第48回発表大会が6月2日(土)と3日(日)に早稲田大学にて
実施されます。
統一論題は「ネットワーク時代の経営システム」で、ものづくり系の発表と
しては、SCM、品質、イノベーション、ベンチャー、中小企業経営、製品
開発などのキーワードが目にとまります。
熊坂は3日午前「情報件数で評価したものづくり革新技法の活用度と時系列
変化」というテーマで、インターネット上の技法情報調査の結果を報告しま
すので、御聴講をお待ちします。
御依頼があれば同内容での講演もお引き受けいたします。
http://www.jsqc.org/q/news/events/98kenkyu.pdf




 7.技法解説#28:商品企画7つ道具その6コンジョイント分析
ここまでに各種調査とアイデア発想法で、多様な仕様案が生まれているはず
です。仕様項目が多い場合に、全ての案の組合せを評価しようとすると、例
えば数千通りにもなってしまいます。組合せの合理的な削減と言えば直交表
です。色、サイズ、機能などの仕様項目毎に(黒/赤)(大/小)(有/無)な
どの水準を設定して、直交表で生成した組合せ毎に対象顧客に評価してもら
い分析することで、最適な組み合わせを判断します。




 8.書籍紹介「商品企画7つ道具:よくわかる編」神田範明他著
この日科技連3部作のよくわかる編は、7つの手法に関する解説はもちろんの
こと、大学生とその先生が売れる入浴剤を商品企画していく過程を、イラス
トや図表を多用しながら会話形式で進める事で、まさに「よくわかる」参考
書に仕上がっています。もし関連書籍を一冊だけ購入ということであれば、
本書を推薦します。
 http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN4-8171-0333-7




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昨日の金環日蝕は個人的にあまり関心はなかったのですが、
実際その時間になってみるとやはり気になるもので、
妻が買っていた専用メガネを借りて大分楽しませてもらいました。


どうせ曇るからと諦めずに、前もって準備しておくことが肝要ですね。


反省しました。