メールマガジン バックナンバー

工学におけるタグチメソッドの功績(2012/06/05配信)

*************************************************
  ものづくり革新便り    2012年6月5日号
*************************************************


ものづくりに日夜奮闘されている皆様、




先ほど田口玄一博士御逝去の知らせが届きました。


戦後日本の工業界に最も貢献した人物を一人挙げる時に、
この人を選ぶ人が相当数いるはずです。


国外でも、分野によってはタグチメソッドの名前が日本以上に有名です。


数々の貢献の中でも、品質を価値(金額)換算し、
「社会の総合損失価値を最小化する」という明確な方針を示した事が秀逸で、
その為の手段もパラメータ設計として進化していました。


それらが世界に広まったのは、私利を求めず献身的に多くの企業を直接指導し、
奇跡的な成果を上げ続けた博士の人間性にあることを、誰も否定できません。


もう少しお元気でしたら、工学の世界はさらに進化したであろうと確信しつつ、
心よりご冥福をお祈りいたします。




*******************************************************************
今号の内容
 1.ものづくり寄席初回報告
 2.機械新聞と月刊技術士に掲載されました
 3.専門家ピックアップ
 4.掲載記事ピックアップ
 5.第53回全国IE年次大会の御紹介
 6.経営システム学会で発表しました
 7.技法解説#29:日本経営品質賞
 8.書籍紹介「」著
*******************************************************************




 1.ものづくり寄席初回報告
5月28日東京駅前三菱ビルのエムプラス会場は150人の定員を遥かに超えて
立ち見多数が出る中で、ものづくり経営研究センターの藤本所長が、関係
者の暴行に備えてヘルメットをかぶる物々しい雰囲気の中、リスクを取る
のは高齢者の責任と軽いジャブから寄席噺をスタートし、災害対応、匠の
技、法人税、温暖化、TPP、電力などあっという間の1時間50分でした。
同様の内容は下記のURLで読めますので、是非クリックして下さい。
http://www.keizaiclub.or.jp/wp-content/uploads/ca91c737e3fe6304004b6e439cc09338.pdf




 2.機械新聞と月刊技術士に掲載されました
工作機械業界紙である機械新聞の5月24日版第5面で、ものづくり革新ナビ
の運用開始とその内容が紹介されました。
また日本技術士会の会報である月刊技術士の6月号に4ページに渡り、熊坂
の原稿「ものづくり革新への技法活用」が掲載され、ものづくり革新ナビ
についても一部紹介しています。




 3.専門家ピックアップ
(1)新たに仲間になった末吉進氏は、企業在職中から品質工学、QFD、
経営品質向上、BSCなどの指導、普及を推進していましたが、最終的に
組織活性度の重要性に行きつき、退職後はポジティブ心理学を応用した組
織活性の指導で活躍されています。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/26
(2)笠井肇氏は、企業在職中にQFD、TRIZ、品質工学の推進業務を
担当し多くの実績を残しました。退職後はTRIZに軸足を置きながらも、
これらを統合した指導が貴重であり、柔軟な対応、考え方も好評です。
 http://www.monodukuri.com/specialists/profile/16




 4.掲載記事ピックアップ
5月の後半は11件の解説記事と2件の事例を新しく掲載しました。
原氏が、品質工学を通じた技術者のあり方、信頼性の考え方、QCDトレー
ドオフの解消について解説し、手島氏はMTシステムの基本解説、今岡氏は
サプライチェーンに関して解説しました。
今岡氏によるベネトンの事例は、サプライの流れ再検討による大幅な納期短
縮の実現を示しました。原氏の自動止水栓の事例では、評価方法を変える事
で5倍の寿命改善を短時間で実現しています。
 http://www.monodukuri.com/gihou/
 http://www.monodukuri.com/jirei/




 5.第53回全国IE年次大会の御紹介
日本IE協会主催する年次大会が7月4日(水)~6日(金)にかけて福岡市の
西鉄グランドホテルにて開催されます。
IEはテイラーの科学的な生産管理法から端を発していますが、この大会で
は5S,SCM、TOC、情報システムから人材育成まで、ものづくり革新
に関わるあらゆる課題と実践が報告され、議論されます。
 http://www.j-ie.com/activity/meeting/national-meeting/post-11500/




 6.経営システム学会で発表しました
熊坂は3日午前「情報件数で評価したものづくり革新技法の活用度と時系列
変化」というテーマで、インターネット上の技法情報調査の結果を報告しま
した。ものづくり革新ナビで使われる課題先行の考え方についても、多数の
技法を使いやすくする方法として高い評価を受けました。
http://www.jsqc.org/q/news/events/98kenkyu.pdf




 7.技法解説#29:BSC(バランススコアカード)
BSCは、1992年にハーバードのキャプラン教授とコンサルタントのノート
ン氏により発表されました。
一般に組織の状態を評価すると、財務的な指標に偏ったり、指標が多すぎて
的確な判断が困難だったりします。そこでBSCは、財務の視点(売上、利
益など)、顧客の視点(満足度、苦情など)、プロセスの視点(生産性、不
良率など)、学習の視点(教育、従業員満足度など)の4つの角度から、バ
ランス良く指標を設定し、評価してゆく方法です。
現場ではプロセス指標だらけになったり、本社では財務の視点が偏重された
り、 アンバランススコアカードにならないように、またすべての指標が全
社ビジョンの元に帰結するように注意が必要です。




 8.書籍紹介「バランス・スコアカード入門」吉川武男著
キャプラン&ノートンの著書を全て和訳している吉川教授が、両者の著書を
下敷きにして6つのステップごとに要点を説明しています。要所要所に、ト
ヨタ自動車、モービル、スコットランド銀行といった事例が展開されて、理
解を助ける構成になっています。
これ一冊を頼りに全社を動かすのは困難ですが、初めの一冊としては良書と
言えます。
http://bookstore.jpc-net.jp/detail/books/goods002087.html




********************************************************


朝走ると非常に疲れる体質のため、ずっと走っていなかったのですが、
あまりに運動不足のため一昨日8年ぶりくらいで朝走ったところ、
いつも夜10時過ぎに走る時は閑散としている近所の公園は、
ウォーキング、ジョギングの老若男女がひしめいていました。


でもやはり疲労度は1.5倍の印象で、5キロで切り上げ。


また夜の怪しげなランナーに戻ります。