熱処理工程の一方通行作業とは

 
 熱処理工程は品質管理上とても危ういものと言えます。
 
 熱処理の前後で外観的に区別できるものは問題ありません。例えば、収縮して熱処理前後で寸法が変るもの。他にも色が変わるものなど。外観的に区別できるものであれば、万が一熱処理前品が熱処理後品に混入しても工数はかかるものの選別は可能だからです。
 
 ところが、熱処理前後で外観的な見分けがつかないものはやっかいです。
 
 熱処理によって物性は変化しているので、物性を検査すれば前後どちらかわかります。しかし、物性検査は多くの場合、破壊検査となってしまいます。
 
 熱処理前品が熱処理後品に混入した場合、事実上選別は不可能です。つまり、ひとたび混入が起きれば、対象品は全数廃棄とせざるを得ないのです。
 
 そこで大事になるのが熱処理では、工程で絶対に混ざらない、工程飛ばしが起きない管理をすることです。そのための有効な方法のひとつは、熱処理作業の流れを一方通行にすることです。
 
  
 

1.  熱処理の設備が連続炉の場合

 
 炉の入り口から出口への一方通行にするのです。炉のどの位置でもよいので仕切りを設けてワークが炉の脇を通ることが出来ないようにします。ある工場では、人も炉の脇を通れないようにしています。作業者がワークを誤って運んでしまうのを防止するためです。
 

2. 炉の入り口と出口が同じバッチ炉の場合

 
 バッチ炉の場合は、熱処理前後の工程も含めて一方通行になるように考えることです。
 
 熱処理前品と熱処理後品の置き場(室)を炉を挟んで反対側に位置させます。このときに大事なことは、炉の前や...
横など近くに熱処理前品を絶対に置かないことです。熱処理前品を熱処理中の炉の前に準備しているのを見たことがありますが、これはやってはいけません。熱処理前後のワークをニアミスさせてはダメなのです。ですから、熱処理が完了したワークを炉の近くに置くのもやってはいけません。
 
 炉の入り口と出口は一緒でも、全体の流れを一方通行にするように考えることが必要です。
 

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