品質確保の方法は作業者レベルで変わる 中国企業の壁(その14)

 
 天津工場の作業者レベルは、東莞やシンセンのそれに比べると低いという内容の話を前に書きました。ただし、これは作業者たちがさぼっているとかではありません。
 
 この工場の生産品は鉄製の支柱で重量物です。1人では持つことはできず、2人で持ち上げて機械にセットして加工します。それを彼らは文句も言わず黙々と作業しているのです。彼らの作業を見ていると「考える」ということはしていません。
 
 言われたことを言われた通りに作業しているのです。指示をする管理者は彼ら作業者よりもはるかに若い年代の人間です。そうした若い人間の指示に従って作業しています。
 
 言われたことをその通りやっているならいいじゃないかと思うかもしれませんが、それは単に作業をするということに関してのことです。その作業に守るべき注意点があった場合、作業はしますが注意点を守るとは限らないということなのです。
 
 ひとつ例を挙げると、製品の材質が鉄なので表面に溶融亜鉛メッキをしています。その関係で、やらなければならない作業の1つにメッキ外観の補修があります。メッキが剥げていたり、表面が汚れていたりした場合にスプレーで補修します。
 
 表面の汚れなどは実際の使用には関係ないのですが、日本の顧客では汚れもクレームになりまので外観のチェックと補修はきちんとやらないといけません。
 
 その作業をずっと見ていると若い検査員が「ここを補修しろ、あそこを補修しろ、補修が終ったものはすぐには重ねてはいけない」などといちいち指示をしていました。しかし、その指示がないと作業者たちは補修が必要なところを補修しないで梱包しようとしていました...
 
 これを見て、例え作業指示書にこうした注意事項を書き込んでもこの作業者たちがその通りに作業するのは無理だと思いました。通常は作業指示書に書き込んで、それに従って作業させるようにしますが、ここの作業者にはそれは難しいということです。
 
 ではこのメッキ外観の品質を確保するにはどうしたらよいか。現時点では、管理者の監視の下で作業をするしかないのです。

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