JIS G4053 機械構造用合金鋼鋼材 SMn SMnC:金属材料基礎講座(その107)

 

 

炭素鋼にクロムなどの合金元素を添加した鋼材です。マンガン鋼SMn△〇〇、マンガンクロム鋼SMnC△〇〇、クロム鋼SCr△〇〇、クロムモリブデン鋼SCM△〇〇、ニッケルクロム鋼SNC△〇〇、ニッケルクロムモリブデン鋼SNCM△〇〇、アルミニウムクロムモリブデン鋼SACM645などの種類があります。

 

機械構造用合金鋼鋼材はキルド鋼から製造されます。SはSteel、Mnはマンガン、CとCrはクロム、Mはモリブデン、Nはニッケル、Aはアルミニウムです。アルファベットの次の数字(△)はクロムなどの合金元素の主な量を、その後の数字2桁(〇〇)は少数以下の炭素量を表しています。

 

なお、機械構造用合金鋼の中には浸炭用に使用される鋼種もあります。これら鋼種ははだ焼き鋼とも呼ばれます。はだ焼き鋼には炭素量0.2%程度の鋼種が使用されることが多いです。浸炭は表面だけを硬化した材料であり歯車、ピストン、軸類などに適用されます。またSACM645は主に表面窒化用に使用されます。

 

マンガン鋼、マンガンクロム鋼の化学成分を表1に示します。マンガンは炭素鋼にも含まれており、鉄鋼の基本的な元素です。マンガン鋼は炭素鋼にマンガンを添加した鋼種です。

 

マンガンは引張強さと靭性を高める効果があります。また硫黄と結合して硫化マンガンとなることで硫黄の悪影響を緩和します。また、マンガン量12%程度添加した鋼を高マンガン鋼、SMnのようなマンガン量1%程度の鋼を低マンガン鋼と呼び区別しています。マンガンクロム鋼はマンガン鋼にクロムを0.3~0.7%添加した鋼種になり、耐衝撃性に優れます。SMn420、SMnC420ははだ焼き鋼となります。

 

 

次回に続きます。

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