ハザードやリスクを検知する視点、「慣れ」から発生する見逃しとは

【目次】

    多くの工場・職場を訪問すると、案内をしてくださる担当者から、よく言われることがあります。それは「よく気付きましたね!」です。どうやら、担当者は、職場の風景に「見慣れ」てしまっていて、変化や異常に気付きにくい「意識」になっている様なのです。そこで、今回は「慣れから起きる、見逃し」についておはなしします。

     

    1. 見逃しのケースは色々

    【見逃しケース1】

    品質管理上「異物の付着源」があってはならないプロセスなのに、油がプロセス上部から垂れているのを見つけたことがあります。これについて、その現象と想定される不具合の話を担当者の方に伝えると「よく気付きましたね。私達には、見慣れた風景の一部になっていました。」とのこと。

     

    【見逃しケース2】

    ある工場で、工場長が毎日現場を回り、気付いたことをメモしたり、周囲に伝えながら、日々の改善ネタの提供をしていました。そんな中、ある日、私がその現場を回ったとき、工場長が気付いていないことを見つけ、それを、工場長に伝えました。すると工場長は「よく気付きましたね。私は、気付いていませんでした。」と。

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    私達の脳は、急激な変化に対しては「直ぐに気付く」ことができますが、緩慢な変化に対して「気付く」ことなく「見逃し」を起こしやすくなる特徴があります。きっと、担当者の方も、工場長も「見慣れた風景」として、モノゴトを見ていたために、気付かなかったのでしょう。

     

    その場所を見て、状況や状態を何度も見ていると、それが「普通」になってしまい、物珍しさへの意識が薄くなる状態が起きているのです。この状態は、不具合や異常を認知しにくくなるので、ハザードやリスクの見逃しの原因となり、不適合現象を潜在化させます。

     

    2. モノゴトを気付きにくくする「見慣れ」を無くすためには

    普段と違った視点で職場を見つめるようにしましょう。例えば、次の2点です。

     

    例えば「労働安全の意識を高める」「5S活動」の無料診断で職場を見せて頂く時、担当者の方が、職場を案内してくださるのですが、担当者の方と「同じ視点」で見歩くと、同じことにしか気付かなくなってしまいます。

     

    そこで意識的に、許可を頂いて案内して頂くコースを外れてみたり、歩きながら振り返ってみたりしながら、別視点で職場を見るようにしています。時には、次のようなことを意識すると良いと思います。こうすることで、別視点が得られ、リスクやハザードの潜在化を軽減することが出来るのです。

     

    また、チームで職場巡回をするときには、メンバー同士「同じ視点」で見る傾向が強くなるようです。チームでは、あらかじめ「別視点で職場を見てみよう!」と意識付けを行うことも大切です。

    れは、見落とし/見逃しが起きる。
  • 時には、逆方向から見てみる。
  •  

    職場のハザードやリスクを見逃さずに、普段気付かない事に気付くには「見慣れ」を無くすことが大切です。新しい別視点で職場を見つめてみましょう。

     

    次回に続きます。

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