MPM導入の進め方(2) 【快年童子の豆鉄砲】(その71)

 
  

1.MPM導入ステップ

MPM導入ステップは次のような6ステップになっています。順次ご説明していきますが、コンセプトが一般的な設備管理・保全と著しく違いますので、できるだけ丁寧にご説明するつもりですが、もしご不明な点がありましたら、お気軽にご質問を投げかけて頂ければと思います。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その70)へのリンク】

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2.MPM導入ステップの説明

前回のStep 1:現有設備の状態把握と分類に続けて、解説します。

 

Step 2:オペレーターの設備管理能力把握とクラス分け

現有設備の状態把握と分類が終わったら、次に取り組むべきことは、MPMの主役であるオペレーターの設備管理能力把握とクラス分けです。

 

その作業に入る前に、確認しておく必要があるのは、MPMがオペレーターに求める設備管理能力の内容です。と言いますのは、MPMの基本理念「設備は生き物であり、その生死のカギを握るのは“オペレーター”であると言う認識に立ち、目指す設備管理(メンテナンス)を“オペレーターによる完全自主保全”とする」が示す通り、オペレーターに求められる設備管理能力は、自主保全に関するもので、生技が担当する専門保全と合わせて設備管理全般をカバーすることになります。

 

設備管理に求められる能力には、機能維持、異常発見、機能復元、機能改良の4つがあり、それぞれ、自主保全レベルと専門保全レベルが存在するのですが、その内容をまとめた表51-1を確認のために下記に再掲します。

表51-1 分担の基準となる「設備管理能力」

 

このステップでは、オペレーターの設備管理能力を把握し、上表のa~dにクラス分けするのですが、次のような順序で進めます。

 

1)設備毎の必要能力の再確認

上表のa~dの内容ですが、設備に共通するものと、各設備に特定されるものがありますので、事前に各設備に求められるa~dの内容を再確認し、設備ごとに「必要設備管理能力表」(略称:必要能力表)を作成します。

 

2)管理者によるクラス分け

「必要能力表」を使って、管理者によるオペレーターのa~dに対する能力評価を5点法で実施し、クラス分けをします。

 

3)オペレーターとの面接をもとにクラス分けの決定

直属上司が、「必要設備管理能力表」の説明をして、オペレーターが理解したことを確認のうえ、本人に、必要能力a~dに対する自己評価をしてもらい、管理者の評価結果とのすり合わせを行い、両者合意のうえで、最終評価を決定しま...

す。

 

上記の評価結果は、次の「Step 3:オペレーターの設備管理能力と設備の状態とのマッチング」のベースとなります。

 

【このステップの狙い】

このステップの狙いは、オペレーターが、担当設備に対する必要設備管理能力を理解するとともに、自分の能力を自覚することにより、MPM活動キックオフに備えた、自己研鑽、自己啓発の起点となることです。従って、面接においては、その点をうまくリードすることを心掛ける必要があります。

 

次回に続きます。

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