追番管理機能をつける 受注生産型企業のための在庫管理法とは(その5)

 

◆追番管理で部品加工メーカーの仕掛品在庫を管理する 

 
 部品加工を主体とする繰返し型の製造受注生産(MTO)型の中小製造工場には、仕掛品在庫の推移を的確につかめるシステムの構築がもっとも重要です。そして、こうした仕掛品在庫の管理方法としてうってつけの手法が「追番管理」です。生産の状況をタイムリーに把握できるとともに、急激な需要増の際の納期回答にも活用できます。
 
 

4. 現行生産管理システムに追番管理機能をつける

 
 追番管理を使うと、今まで述べたような従来の生産管理システムの弱点を補うことができるようになります。特に繰返し型の部品加工を主体としている工場では、実際に流動数曲線グラフを作ってみることを推奨します。すでに何らかの生産管理システムを使っている繰返し型の部品メーカーが追番管理を導入することはそれほど難しくはないでしょう。
 
 既存の生産管理システムの生産実績データを取り出して累積管理すればいいからです。簡易的に行うのであれば、各工程の着手数量データや完了数量データを毎日Excelに転記して集計グラフを作ることでもできます。さらにこの作業をシステム化してグラフ生成までを自動化できればより便利になります(図6)現在何らかの生産管理システムを使っている企業であれば、ゼロからシステムを作り直さなくても簡単に追番管理機能を追加することができる可能性があるのです。
 
図6. 既設の生産管理システムに追番管理を追加する
 
 そんなに簡単に機能追加できるのであれば、既存の生産管理パッケージにも追番管理機能もしくは流動数曲線グラフ作成機能を持っているものがあってもおかしくないのですが、なぜか追番管理機能を売り物にしているパッケージをほとんど聞きません。
 
 なぜ生産管理パッケージのベンダーが追番管理機能を組み入れないのかはよくわからないのですが、部品加工メーカ...
ーに原価管理機能の強化を提案するベンダーがいることなどから考えて、単に工場経営に対する勉強不足のせいかもしれません。
 
 この文書は、月刊「工場管理」Vol.60 No.10掲載記事から連載にしたものです。 
 
  
◆関連解説『生産マネジメントとは』

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