QC7つ道具の全体像

1.QC7つ道具とは

 ものづくりで使われている手法と聞いて、多くの方が初めに思い浮かべるのはこれ(品質管理7つ道具)でしょう。戦争直後の日本製品品質はひどいもので、若い人は耳を疑うでしょうが、当時Made in Japanは低品質の代名詞でした。これを何とかしようと日本科学技術連盟は米国の統計学者を日本に招聘します。その時代の第一人者はW.A.シューハートでしたが、怪我のために来日は実現せず、W.E.デミングが1950年、J.M.ジュランが1954年に来日し、各種統計手法や、経営品質を全国に指導します。そうやって生まれたQCサークル活動の中で、'60年代末頃から統計ツールを分かりやすく解説するテキストが整理されてきました。いつだれがそう呼んだかは定かでありませんが、誰でもやさしく理解できるように、弁慶の7つ道具になぞらえて命名されたようです。

 その内訳は、パレート図、特性要因図、グラフ、チェックシート、ヒストグラム、散布図、管理図、層別の8つです。おかしいですね。本によって層別が抜けたり、グラフと管理図が合わされたりして、語呂良く7つ道具と呼ぶのです。

 

2.QC7つ道具の使い方

 8つの手法の中で以下の6つはデータの集計、分析に使われます。

(1)パレート図: 不良や故障などを原因や現象別に多い順に並べて、対策の優先順位決定に使います。

(2)グラフ: データを図示して、状況を分かりやすくします。

(3)ヒストグラム: データの範囲を10区間ほどに分けて、各区間の度数を棒グラフにして分布の状態を示します。

(4)散布図: 二組の特性を縦軸と横軸にとり、データを打点することで両特性間の関係を示します。

(5)チェックシート: 検査、測定するごとにシートにマークすることで、即時判断を可能とします。

(6)管理図: 横軸に時間、縦軸に特性をとった折れ線グラフですが、管理限界線が表示されており、不良が発生する前でも異常状態を発見します。

 そして(7)特性要因図は、狙いとする不良などの特性に関連すると思われる要因を魚の骨状にブレークダウンしていくことで、対策への重要項目の漏れを防ぎます。

 (8)層別は、ヒストグラムや散布図でデータを分析する際に、違う傾向を示すグループがあれば分割する考え方で、やや「手法」とは趣が違います。

 

3.QC7つ道具の現状

 6年前に私がMOT大学院に在学中、各種手法の認知/利用/有効度調査をした時に、40歳以上がQC7つ道具を100%知っていたのに対して、40歳未満では知らない人もいました。活用度でも他の手法と比べて高齢者に対して若い人たちが低い傾向が見られました。

 これは若い世代が知らない、使っていないというよりも、知らないうちに使っているのではないかと私は思っています。PCが普及していなかった30年前は、ヒストグラムや散布図を描くのにも研修を受けて習熟する必要がありました。今ではエクセルのワークシートにデータを入力し、散布図であれば該当範囲を選択して「グラフ-散布図」で、ヒストグラムであれば「データ分析-ヒストグラム」で一発で書けてしまいます。

 さあQC7つ道具を使うぞ!という覚悟は、今や不要です。というか、重回帰分析や分散分析といった、当時相当のエキスパートしか使...

えなかった手法ですら、今やクリック二つくらいで瞬殺の時代なのです。

 

4.QC7つ道具のこれから

 私が前職で試作課長だった時に、課員教育としてQC7つ道具を扱おうとしたところ「そんなのはみんな知っていますよ」と反対されました。ところが、みんな使っているかというとそうでもなかったのです。簡単に使えるようになったことは重要性が下がったことを意味しません。そして他の手法と同様に、知っていても使わなければ効果は出ません。

 折角簡単に使えるようになったのですから、日々の監視ではチェックシートや管理図で不良の未然防止、不良が発生したらヒストグラム、パレート図、散布図で分析し、特性要因図を使って対策案をしっかり検討してほしいものです。

◆関連解説『QC7つ道具とは』

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