マルチモーダルRAG入門―図表・画像を含む文書を扱うRAGの基礎からAgenticRAG・VQA型RAGまで―<会場受講>

技術文書や文献を対象とする上でネックとなる、図表や画像・グラフ等の重要情報を反映させることができるマルチモーダルRAGの実践法について、RAGの基本および実装・構築方法から整理し解説します。

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    セミナー趣旨

      生成 AI の実務応用が広がる中で、外部文書を参照しながら回答を生成する RAG(Retrieval-Augmented Generation)は中核技術として注目されています。しかし、従来の RAG の多くはテキスト中心であり、実際の業務文書に多く含まれる図表、グラフ、写真、スキャン画像などを十分に扱えないという課題がありました。技術文書、論文、マニュアル、医療文書などでは、むしろ図や表に重要な情報が含まれていることも多く、こうした文書を適切に扱うにはマルチモーダル RAG の理解が不可欠です。
      本セミナーでは、まず通常のテキストベースの RAG の基本を整理した上で、画像のテキスト化、テキストと画像の同一ベクトル空間への埋め込み、ColPali を用いたページ画像検索、さらに LangGraph を利用した MMA-RAG まで、マルチモーダル RAG の主要な考え方と実装方法を体系的に解説します。実際に動作するコード例を通して、現在の技術動向と実装上の勘所を理解できる内容です。

    受講対象・レベル

    ・RAG の基礎を理解した上で、マルチモーダル RAG へ発展させたい方
    ・図表や画像を含む PDF 文書を対象とした検索・QA システムを構築したい方
    ・社内文書、技術文書、論文、医療文書などを対象とした生成 AI 活用を検討している方
    ・ColPali や VLM を用いた最新の文書検索技術を知りたい方
    ・LangGraph を用いた Agentic RAG や MMA-RAG に関心のある方

    習得できる知識

    ・テキストベース RAG の基礎知識と基本的な実装方法
    ・マルチモーダル RAG の代表的なアプローチとその違い
    ・画像を含む PDF 文書を対象とした RAG システム構築の進め方
    ・ColPali や VLM を利用した最新のマルチモーダル検索・回答生成の考え方
    ・LangGraph を用いた MMA-RAG の基礎的な実装イメージ

    セミナープログラム

    (1) RAG の全体像
     RAG は、大規模言語モデル(LLM)に外部知識を組み合わせて応答を生成する手法です。
       本講演の導入として、RAG の基本的な考え方と、なぜ現在これが重要なのかを解説します。
       (1-1) RAG が必要とされる背景
     (1-2) 検索と生成の役割分担
     (1-3) テキストベース RAG からマルチモーダル RAG への流れ
    (2) テキストベースの RAG
     まずは最も基本となるテキストベースの RAG を一から実装し、RAG システムの標準的な構成を理解します。
       (2-1) データベースの元になるテキストの準備
     (2-2) チャンクの切り出し
     (2-3) チャンクのベクトル化
     (2-4) FAISS によるインデックスの作成
     (2-5) 検索器の作成
     (2-6) プロンプトの作成
     (2-7) LLM による回答生成
     (2-8) 全体の RAG システムの実装
    (3) Responses API の file search による RAG
     近年は商用 LLM の API を利用することで、比較的容易に実用的な RAG を実現できます。
       ここでは OpenAI の Responses API の file search を利用した RAG の構築法を解説します。
       (3-1) file search によるデータベースの構築
     (3-2) file search を用いた回答生成
     (3-3) file search をマルチモーダル RAG へ拡張する際の考え方
    (4) マルチモーダル RAG とは何か
     実際の文書には、図、表、グラフ、写真などが多く含まれます。
       こうした非テキスト情報を扱うためのマルチモーダル RAG の考え方と、その必要性を整理します。
       (4-1) テキストだけでは不十分な理由
     (4-2) マルチモーダル文書を扱う際の基本課題
     (4-3) 標準的なマルチモーダル RAG の代表的アプローチ
    (5) PDF 文書から画像を抽出する処理
     マルチモーダル RAG を実現するには、まず PDF 文書内のテキスト、図、表、ページ画像を適切に取り出す必要があります。
       ここではその前処理を解説します。
       (5-1) PDF 解析パイプラインの設定
     (5-2) PDF 文書から Docling 文書への変換
     (5-3) ページごとの出力ディレクトリとページ画像の生成
     (5-4) 文書要素(テキスト・図・表)の走査とページへの振り分け
     (5-5) 全ページ情報の保存と実行例
    (6) 画像のテキスト化によるマルチモーダル RAG
     標準的アプローチは、画像を説明文へ変換し、そのテキストを通常の RAG に組み込む方法です。
       比較的理解しやすく実装しやすい方法として解説します。
       (6-1) 画像のテキスト化のプロンプト設計
     (6-2) 画像のテキスト化の実行
     (6-3) 生成した画像説明文の保存
     (6-4) テキスト化結果を用いた RAG の構築
    (7) テキストと画像を同一ベクトル空間に埋め込むマルチモーダル RAG
     別の標準的アプローチとして、テキストと画像を同じ埋め込み空間に配置し、検索対象として統合的に扱う方法があります。
       クロスモーダル検索の基本を実装を通して解説します。
       (7-1) このアプローチで解くべきタスク
     (7-2) 元データのダウンロードとテキスト・画像の収集
     (7-3) クロスモーダル埋め込みモデルによるテキストのベクトル化
     (7-4) クロスモーダル埋め込みモデルによる画像のベクトル化
     (7-5) ベクトル集合からのインデックス作成
     (7-6) VLM による回答生成
    (8) ColPali を利用したマルチモーダル RAG
     ColPali は PDF 文書の各ページを画像として扱い、レイアウトや図表の位置関係を保持したまま検索するアプローチです。
       近年注目されているページ画像ベース検索を解説します。
       (8-1) ColPali によるページ画像検索
     (8-2) ColPali によるマルチモーダル RAG の処理の流れ
     (8-3) PDF 文書の各ページの画像化
     (8-4) 各ページ画像の ColPali による行列表現への変換
     (8-5) クエリの ColPali による行列表現への変換
     (8-6) クエリとページ画像の類似度計算と検索
     (8-7) 検索ページとクエリを VLM に入力した回答生成
    (9) MMA-RAG(Multimodal Agentic RAG)
     マルチモーダル RAG にエージェント的な制御を組み合わせることで、検索・判定・再試行を含む
       より柔軟なシステムが実現できます。ここでは LangGraph を利用した MMA-RAG を解説します。
       (9-1) LangGraph について最低限知っておくべきこと
     (9-2) LangGraph の簡単な実装例
     (9-3) 検索結果を順次利用する MMA-RAG の考え方
     (9-4) State の設定
     (9-5) 各ノードの処理
     (9-6) add_conditional_edges による分岐
     (9-7) route_after_judge の条件(accept / retry / exhausted)
     (9-8) 外部 LLM の利用
     (9-9) 外部ループによる拡張
    (10) VQA を中核としたマルチモーダル RAG
     RAG の役割を検索そのものではなく、VQA を補助する形で使う考え方もあります。
       ここでは医療画像を例として、VQA 型マルチモーダル RAG を解説します。
       (10-1) VQA 型マルチモーダル RAG の位置づけ
     (10-2) 医療画像に対する画像検索
     (10-3) BiomedCLIP による医療画像データベースの作成
     (10-4) 類似医療画像の検索
     (10-5) MedGemma の利用
     (10-6) VQA へのプロンプト設計
    <質疑応答> 


    *途中、お昼休みや小休憩を挟みます。

    セミナー講師

     茨城大学 工学部 情報工学科 教授   新納 浩幸 氏

    【ご略歴】
     1985年 東京工業大学理学部情報科学科卒業。
     1987年 同大学大学院理工学研究科情報科学専攻修士課程修了。
       同年 富士ゼロックス、翌年松下電器を経て、1993年茨城大学工学部助手。
     2015年 同学部教授。現在に至る。
    【ご専門】
     自然言語処理、機械学習、統計学
    【主な著書】
     『 LLMのファインチューニングとRAG 』
     オーム社 2024年5月22日 (ISBN: 427423195X)

    セミナー受講料

    1名50,600円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき39,600円
    学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。

    主催者

    開催場所

    東京都

    受講について

    • 感染拡大防止対策にご協力下さい。
    • セミナー会場での現金支払いを休止しております。
    • 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
    • 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
    • 希望者は講師との名刺交換が可能です。
    • 録音・録画行為は固くお断り致します。
    • 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
    • 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
      場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    50,600円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込、コンビニ払い

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