
化粧品GMPと品質保証のポイント
化粧品GMP(ISO22716)、実際はどこまで対応しておけばいいの?
GMPの運用だけでは品質は保証されない?
化粧品を安全にお客様に届けるための品質づくりを考えましょう!
セミナー趣旨
化粧品の品質保証は薬事法改正により、平成17年(2005年)に製販分離制度がスタートした。一方、化粧品GMP(化粧品の製造管理と品質管理の技術基準)は2007年に制定されたISO22716(化粧品-GMP-GMPガイドライン)を業界推奨GMPと位置づけた。よって、化粧品製造業者として国際標準となったISO22716を順守することが化粧品業界の推奨となった。
GMPは製造品質の作りこみに役立つが、GMPを運用していれば品質が保証されるわけではない。品質の作りこみには設計段階での取り組みが大切である。市販後の品質を確保するには、リスクマネジメントの考え方が大切で、再発防止と予防措置(CAPA)の取り組みが求められる。
このように品質保証は、設計段階から市場段階までライフサイクル全体に求められる。ICH Qトリオでは「製剤開発」「製造工程開発」「商業生産」の各段階におけるそれぞれの役割を次のように示している。Q8は製剤開発の指針であり、Q10はマネジメントシステムとして、市場でのCAPAに重きを置いている。一方Q9はライフサイクル全体での運用が求められる。
本講座では、更にGMPの肝である「間違い防止」「再現性」「結果の頑健性」などについて、製品品質の照査を参考に、最新の手順を紹介して更なる品質保証を目指したい。化粧品がこれからもJapan品質を確保するために。
習得できる知識
・化粧品GMP(旧技術情報からISO22716への変遷)
・化粧品の品質保証(設計品質・製造品質・市場品質の確保と管理)
・化粧品の品質保証に重要なポイント(QbDの考え方・DEの手法・QEの手法・SQCの活用)
セミナープログラム
第1章:薬機法における化粧品製造業者の役割
0.導入部
1)今回の講習で得られること
2)私の実体験を通して考えること
3)マネジメントの変遷
1.化粧品製造業者
1)製販業者と製造業者の関係
2)製造業者の組織要件
3)構造設備の要件
4)届出制度
2.化粧品と薬事法
1)化粧品製造業者の役割
2)製販業者との関係
3)薬事法での化粧品の位置づけ
第2章:化粧品GMP
1.GMPの基礎
2.化粧品GMPの変遷
3.ISO22716(化粧品GMP)の概要
4.ISO22716(化粧品GMP)の認証制度
5.GMPの運営方法
6.化粧品GMPと医薬品GMP
7.包装・表示・保管、輸入化粧品のバッチ、保管サンプル、製品標準書について
参考:
1.化粧品GMP実施のポイント
2.化粧品GMPの運用(実務編)
第3章:化粧品の品質保証(設計品質、製造品質、市場品質)について
0.プロセスバリデーションとICH Qトリオの考え方
1)ICHが目指している新しいパラダイム
2)ICH Qトリオの概要
3)FDAのプロセスバリデーションとICH Qトリオの関係
1.製剤開発に関するガイドライン(ICH Q8)-QbDを用いた頑健設計モデル-
2.品質リスクマネジメント(ICH Q9)-QRMを用いた未然防止対策モデル-
3.品質マネジメントシステム(ICH Q10)-PQSを用いた継続改善モデル-
1)ICH-Q10の概要
2)ライフサイクルとQRMの関係
3)PQSのプロセスマップ
4)PQSにおける上級経営者の役割
5)品質システムの実践
4.PQSを用いた継続改善モデル
1トレンド解析
2データのばらつき解析
3層別の重要性
4QC7つ道具を用いたデータの層別事例
5.継続改善のすすめ
1)継続改善の手順
2)テーマの選定
3)現状把握
4)目標設定
5)実施計画の策定
6)要因解析
7)対策の検討と実施
8)効果の確認
9)標準化と管理の定着
6.品質保証を確実なものとするために
1)経営層の考え方
2)GMPの取り組み
3)性善説に基づく企業風土(文化)創り
4)性弱説の概念と仕組みの構築
5)エラーはどうして起こるのか
6)Quality Cultureの醸成
第4章:更なる改善を目指して-製品品質照査の活用-
1.製品の品質照査の概要
2.製品品質照査の目的
1)言葉の意味
2)各指標の意味
3)製品品質照査と健康診断
3.損失関数の考え方
1)品質とコスト
2)機能のばらつきによる損失とは「損失関数」L(y)
3)比例定数kの決め方
4)損失関数のばらつき(y-m)2の平均の求め方
5)L(y)損失を低減する3つの方法
6)工程能力指数と許容差の決定の違い
4.オンラインフィードバック制御における管理限界の決め方
1)ロット検査と工程検査
2)オンラインフィードバックシステムの設計
5.調整限界の決め方(具体例を通して)
6.CAPAの有効性確認
7.加速試験へアレニウス式の導入(反応速度論の考え方)
0)ICHの安定性ガイドライン
1)反応速度論の概要
2)反応速度論の安定性試験への応用
3)1次反応とは
4)化粧品の経時変化例
5)パウダーファンデーションの経時変化例
6)アレニウス式を用いた検討
8.長期保存試験の予測式の考え方(回帰分析について)
1)経時変化の信頼区間について
2)具体的な計算方法
9.製品品質のばらつきの構造を理解する
1)ばらつきは階層構造
2)枝分かれ分散分析の解析手順
3)枝分かれ分散分析の結果の解釈
10.製品品質照査の事例検討
1)製品品質照査事例
2)照査後の対策検討の難しさ
まとめ
<質疑応答>
セミナー講師
株式会社ウテナ
技術顧問 深澤 宏 氏
略歴
1977年 群馬高専工業化学科卒
同年 株式会社小林コーセー(現コーセー)入社
1992年 株式会社アルビオン転籍
2018年 株式会社ウテナ 品質管理管掌 執行役員
専門
品質管理(統計解析、実験計画法、多変量解析、抜き取り検査、QCサークル活動)
品質工学(パラメータ設計、機能性評価、オンライン管理)
品質マネジメントシステム(認証マネジメント、運営管理)
化粧品GMP(薬事監視、GMP運用管理、ISO22716認証支援)
化粧品薬事(広告・宣伝、製造販売届出業務、市販後安全管理、品質保証)
本テーマ関連学協会での活動
粧工連(広告・宣伝委員会) 前委員
埼玉県化粧品工業会(GMP委員会) 前委員
日本品質管理学会(会員)
品質工学会(代議員)
日本技術士会(会員)
セミナー受講料
●受講料(昼食付):1名44,000円(税込)
1社2名以上同時申込の場合、1名につき33,000円(税込)
●テキスト:開催前日までにPDFデータ提供(印刷物の配布はございません)
※会場受講の方は、必要に応じ印刷の上、ご持参ください。
●申込締切り:2025年11月7日(金) 15時まで
●よくあるお問合せ一覧はここをクリック
■Web受講の場合:
●受講料:1名44,000円(税込)
1社2名以上同時申込の場合,1名につき33,000円(税込)
※申込フォーム内、Web受講をご選択されるとテキスト送付先住所の記入を求められますが、
同上にチェックを入れてください。実際にはPDFデータ提供となります。
●Web(オンライン)セミナー申込要領を必ずご確認ください
■アーカイブ配信をご希望の場合
●利用料:上記受講料に加えて、1名につき9,900円(税込)のオプション料金が追加されます。
●視聴期間:2025年11月24日(月)~2025年12月7日(日) ※期間内、繰り返し視聴が可能です
●申込方法:申込フォーム「3お支払情報 連絡事項」欄に【アーカイブ配信オプション付】とご記入ください。
●備考:
・本オプションを希望され、複数名同時申込された場合、全員がアーカイブ配信付のお申し込みとなります。
・講師との質疑応答は当日のLive受講(会場/Web)のみとなります。
・原則として当日の質疑応答はアーカイブ配信からカットされます。
・会場受講の方もアーカイブ配信をご希望いただくことが可能です。
受講料
44,000円(税込)/人