
先端半導体デバイスにおける多層配線技術と2.5D/3Dデバイス集積化技術
異種デバイス集積化(ヘテロジニアスインテグレーション)についても詳しく解説!
※本セミナーはZOOMを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はございません。
セミナー趣旨
IoT、AI、5G/ポスト5G、自動運転、ロボティックスなどのデジタル社会を支える重要基盤であるマイクロプロセッサ(MPU/CPU)やDRAM、NAND、パワーデバイスなどに代表される先端半導体デバイスにおいて、デバイスを構成する微細トランジスタ同士を接続して論理回路を構成する多層配線に対する微細化、高密度化、低抵抗化、低容量化、高信頼化の要求が益々厳しさを増している。配線寸法やViaホール径の微細化に伴う配線・Via抵抗及び配線間容量の増大や、これらに伴う信号伝搬遅延と消費電力の増加、信頼性の低下は世代とともに極めて深刻になりつつある。
そこで、本講ではこれまでの多層配線技術の歴史的変遷を振り返るとともに、Cuダマシン配線の製造プロセスや微細化に伴う配線抵抗増大の課題について詳しく解説した上で、Cu代替金属材料(Co, Ru, Mnなど)やナノカーボン材料(CNT、グラフェン)の最新の開発動向について述べる。
また、Cu配線を取り囲む誘電材料(絶縁膜)として、配線間容量低減のために低誘電率(Low-k)材料を導入した経緯や課題、更なるLow-k化のための多孔質(Porous)材料の課題と対策、究極のLow-k技術であるAir-Gap(中空)技術についても詳細に述べる。
さらに、配線長を大幅に短縮化でき、超ワイドバス化や大容量・高速の信号伝送が可能になるSi貫通孔(TSV) やウエハレベル貼合プロセスを用いたメモリデバイスの3次元積層化や、複数の半導体チップ(或いは従来のSoC(System on Chip)チップを機能ごとに分割したチップレット)をパッケージ基板上に近接配置して高性能システムを構成する異種デバイス集積化(チップレットインテグレーション)についても詳しく解説する。
習得できる知識
半導体デバイス技術、半導体製造プロセス技術、多層配線形成技術、三次元デバイス集積化技術、材料強度学、金属疲労学、固体物理学、薄膜材料物性学に関する知識
セミナープログラム
1.多層配線技術の役割とスケーリング,材料・構造・プロセスの変遷
1.1 多層配線の役割と要求,階層構造,フロアプランの実例
1.2 配線長分布と配線階層(Local, Intermediate,(Semi-)Global)毎のRC寄与度の違い
1.3 下層(Local)・中層(Intermediate)及び上層((Semi-)Global)配線のスケーリング理論
1.4 多層配線技術の進化の足跡
1.5 配線・コンタクト・Viaホールの材料・構造・プロセスの変遷
2.微細Cuダマシン配線技術及びPost-Cu配線形成技術の基礎~最新動向
2.1 配線プロセスの変遷(Al-RIE⇒Cuダマシン)
2.2 金属材料の物性比較とCu選定の考え方
2.3 Cu酸化拡散防止膜(バリアメタル)の要件と材料候補(Ta(N),Ti(N),Nb(N),W(N))
2.4 Ta(N)の課題(対Cu濡れ性,対酸化性)とTi(N)の優位性
2.5 バリアメタル及びSeedスパッタ法の変遷と課題
2.6 CVD-Ru,Co, RuCoライナーによるCu埋め込み性の改善
2.7 Mnを利用した超薄膜バリア(MnSixOy)自己形成技術
2.8 Cu電解めっきプロセスの概要と無電解法, Cuリフロー法,
MOCVD法との比較, Additiveの重要性,役割,選定手法
2.9 CMPプロセスの概要と研磨スラリーの種類,適用工程の拡大
2.10 Cu-CMPにおける低機械強度Low-k対応施策
(低荷重, 複合粒子スラリー, Pad表面改質)
2.11 Cuダマシン配線における微細化・薄膜化による抵抗増大
2.12 平均自由行程からみたCu代替金属材料候補の考え方
2.13 W,Co,Ru,Mo,Ni, Al2Cu, NiAl, CuMgなどの
最新開発動向から見た有力候補
2.14 金属配線の微細化限界についての考察とナノカーボン材料への期待
2.15 多層CNT(MWCNT)によるViaホールへの埋め込みと課題
2.16 多層グラフェン(MLG)による微細配線形成と低抵抗化検討結果
3.低誘電率(Low-k/Air-Gap)絶縁膜形成技術の基礎~最新動向
3.1 Cu配線に用いられている絶縁膜の種類と役割
3.2 各種配線パラメータの容量に対する感度解析結果
3.3 ITRS(国際半導体技術ロードマップ委員会)Low-kロードマップの課題と大改訂
3.4 比誘電率(k)低減化の手法と材料候補(SiOF, MSQ/SiOC, PAr, BCBなど)
3.5 層間絶縁膜(ILD)構造の比較検討(Monolithic vs. Hybrid)
3.6 材料物性から見たLow-k材料の課題
(低機械強度, 低プラズマダメージ耐性など)
3.7 Porous材料におけるPore分布の改善とEB/UV-Cure技術の適用効果
3.8 Porous材料におけるダメージ修復技術の効果
3.9 Pore後作りプロセスの提案とLow-k材料の適用限界の考察
3.10 Air-Gap技術の導入の考え方と構造・方式の比較、課題、現実的な解
4.ウエハ裏面への電源供給配線網(BS-PDN, PowerVia, SPR)の形成技術の最新動向
4.1ウエハ裏面への電源供給配線網(BS-PDN)形成の経緯・背景と特徴、課題
4.2 埋め込み電源線(BPR)と裏面の電源供給配線網(BS-PDN)の接続形態と構造
4.3 BS-PDNを形成するための貼合プロセス例と接続断面構造
4.4 BS-PDNにおける回路ブロック面積及びIRドロップの低減効果
4.5 IntelによるPoweViaの概要と特徴, テストチップの評価結果、
20A世代からの採用計画
4.6 TSMCもA16世代からSPRを採用へ、Samsungも2nm世代(SF2Z)から
BSPDNを採用へ
5.2.5D/3Dデバイス集積化技術の基礎~最新動向
5.1 Si貫通孔(TSV)によるデバイス集積化のメリット
5.2 TSVを用いた3次元チップ積層の実例(DRAM/HBM,NAND/SSD)
5.3 メモリデバイスにおける積層化ロードマップ(チップ積層⇒ウエハ積層(貼合))
5.4 ウエハレベル貼合技術の種類と比較, 有力候補
5.5 ウエハレベル貼合技術の課題と対策(貼合の低温化,貼合前平坦化,ベベル制御)
5.6 チップレット技術による異種デバイス集積化とMooreの法則の継続
5.7 各種チップレット技術(CoWoS,InFO,EMIB,Foverosなど)の概要と特徴
5.8 各社のチップレット技術の整理と業界団体「UCIe」の設立
5.9 国内のコンソーシアム設立の動き(「PSB」, 「BB Cube 3D」, 「ASRA」, 「SATAS」)
5.10 ウエハレベルパッケージ(FO-WLP)技術の特長と変遷,代表的なプロセス
5.11 FO-WLPとPLPの使い分け,FO-PLPの要求仕様
5.12 FO-PLPにおける微細再配線(RDL)の低コスト形成プロセスの候補
5.13 5G以降の高周波対応低伝送損失絶縁材料の候補
5.14 パッケージ基板の最新開発動向(樹脂・シリコン基板⇒ガラス基板)
5.15 CoC, CoW, WoWの主要アプリとPros/Cons,
先進パッケージ技術のロードマップと市場動向
6.総括
キーワード:
回路,LSI,IC,シリコン,TSV,IoT,AI,WEBセミナー,オンライン
セミナー講師
名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授 兼 技術コンサルタント(半導体分野)
元 (株)東芝 研究開発センター 首席技監 柴田 英毅 氏
【専門】
半導体デバイス・プロセス技術、半導体集積回路技術、多層配線形成技術、三次元デバイス集積化技術、MEMS技術、光伝送技術、材料強度学、金属疲労学、固体物理学、薄膜材料物性学
<公的機関や大学との兼任>
名古屋大学、芝浦工業大学の客員教授、慶應義塾大学の訪問教授
【学会・委員会活動】
・JEITA STRJ(半導体技術ロードマップ専門委員会)配線WG委員長/ITRS(国際半導体技術Roadmap)Interconnect-TWG(Co-Chair)(2007-2009年度)
・Selete(半導体先端テクノロジーズ)研究運営委員及び先端コアBEPプログラム委員/半導体MIRAIプロジェクト/Selete-NSI(Nano. Silicon Integration)技術委員 (2006-2009年度)
・ADMETA論文委員(2009-2011年度)
・応用物理学会集積化MEMS技術研究会副委員長(2010-2011年度)
・LEAP(NEDO国プロ)技術委員(2010-2014年度)
・FIRST(内閣府国プロ)の東芝側研究開発責任者(2014-2017年度)
・日本工学会ECEプログラム委員会委員/産総研「ナノテク製造中核人材養成PGナノエレ講師(2013-2019年度)
・SSDM組織委員(2013-2014年度)
・内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の東芝側実用化・事業化責任者(2018-2022年度)
【著書,論文】
・ロジックLSI技術の革新(培風館)
・半導体プロセス技術(培風館)
・応用物理ハンドブック(丸善)、Cu配線技術の最新の展開(サイペック)
・異種機能デバイス集積化技術の基礎と応用(シーエムシー出版)
・審査付き学術論文及び主要国際学会での論文発表:計91件
・国内学会・セミナー・学術専門委員会等での講演:計70回
・登録特許数:計73件
【受賞歴】
・日刊工業新聞社十大新製品賞
・IEEE IITC2005 Best Paper Award受賞
・IMAPS2009 Best Paper Award受賞
・ADMETA2009 Best Paper Award受賞
・ADMETA2012 Best Paper Award、Technical Achievement Award受賞
・社長特別表彰(功績賞)
・電気学会センサ・マイクロマシン部門「優秀技術論文賞」
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
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