・PFAS規制を踏まえて
・フッ素を用いずにそれと同等の性能を発現させる
セミナー趣旨
本セミナーでは、まず最初に固体表面のぬれ性(撥水、撥油、親水性)をどのように評価し、いかに制御するかについての基礎知識や、応用・実用上ポイントとなる動的ぬれ性についての理解と取得を目指します。次いで、ぬれ性を制御するための各種表面処理・改質技術について、国内外の最新の研究開発動向を紹介します。
さらに、PFOA・PFOS等の長鎖有機フッ素化合(PFAS)への法規制を鑑み、講師らが開発している各種機能性薄膜(単分子膜、ゲル、ポリマーブラシ、ハイブリッド皮膜等)を用いた脱フッ素・フッ素代替表面処理・改質技術について、例を挙げて分かりやすく詳細に解説します。
受講対象・レベル
・表面処理・改質技術に従事している方
・各種基材表面への撥液、防汚、親水、防曇性付与技術・方法を研究している方
・特にフッ素(PFAS)代替技術、フッ素フリーの表面処理・改質技術に関する研究開発に取り組まれている方
・具体的には、
・機能性コーティング
・各種基材の表面処理
・ディスプレイ/タッチパネル表面
・塗装/塗料
等の技術開発・研究開発者
習得できる知識
・ぬれ性に関する基礎的な知識/理論
・ぬれ性評価技術(静的/動的接触角、滑落/転落角)の正しい知識
・フッ素を用いずに、それと同等の撥水性、撥油性、防汚性、難付着性を有する表面・界面を作るための技術情報
セミナープログラム
1. 脱フッ素・フッ素代替を考えるためのぬれの基礎とこれまでの評価法の問題点
1.1 Youngの式
1.2 表面張力の定義と測定方法
1.3 表面自由エネルギーとは?
1.4 Cassieの式(凹凸表面におけるぬれ)
1.5 Wenzelの式(複合表面におけるぬれ)
1.6 CassieとWenzelの式は本当に正しいのか?
1.7 既存理論を否定する研究事例
1.8 3相接触線の重要性
1.9 これまでのぬれ性評価法とその問題点
1.10 静的接触角とぬれ性との関係
2. 脱フッ素・フッ素代替に取り組むあなたも知っておきたい動的ぬれ性の考え方と測定・制御方法
2.1 動的ぬれ性とは?
2.2 動的ぬれ性制御の重要性
2.3 動的接触角の定義と近年の役割
2.4 動的接触角の測定方法
2.4.1 Wilhelmy法とその特徴
2.4.2 滑落/転落法とその特徴
2.4.3 拡張収縮法とその特徴
2.5 接触角ヒステリシスの定義と発生原因
2.6 自然界における高/低接触角ヒステリシス表面
2.7 接触角ヒステリシス制御に関する過去の研究
2.8 接触角ヒステリシスを抑制するためのコンセプト
2.9 接触角ヒステリシスと滑落性の関係
2.10 低接触角ヒステリシス表面の応用事例
3. 撥水/撥油(撥液)処理の最新研究開発動向
3.1 バイオミメティクス(生物模倣技術)とは?
3.2 超撥水/撥油(液)性を得るための表面設計指針
3.3 これまでの超撥水/撥油(液)性表面の問題点・課題
3.4 耐久性アップ/長寿命化のためのコンセプトと研究事例
3.5 最近の超撥水/撥油(液)性の定義
3.6 超撥水/撥油(液)処理の最新研究開発動向
3.7 SLIPS(Slippery Liquid-Infused Porous Surfaces)の特徴・設計・課題
4.長鎖有機フッ素化合物に依存しない各種撥水/撥油(液)/難付着性処理技術~PFAS(PFOS/PFOA)規制への対応として~
4.1 フッ素フリー撥水/撥油(液)処理の最新研究開発動向
4.2 各種機能性薄膜を利用したフッ素フリー撥水/撥油(液)/難付着性表面の開発事例
4.2.1 単分子膜を利用した撥水/撥油(液)性表面の作製方法とその特徴
4.2.2 有機-無機ハイブリッド皮膜による撥水/撥油(液)性表面の作製方法とその特徴
4.2.3 フッ素化合物よりも優れた耐熱性を示す撥油(液)性皮膜の作製方法とその特徴
4.2.4 オルガノゲルを利用した難付着性表面の作製方法と各種応用事例(着氷雪防止)
5. 親水/超親水性処理
5.1 親水性/超親水性を得るための表面設計指針
5.2 これまでの親水性/超親水性表面の問題点・課題
5.3 親水性/超親水性処理の最新研究開発動向
5.4 自己修復する親水性/超親水性材料
5.5 防曇性を得るための各種表面処理と研究事例
5.5.1 曇りのメカニズムとぬれ性制御の重要性
5.5.2 防曇処理の最新研究開発動向
5.5.3 これまでの防曇処理の研究事例と問題点・課題
5.6. 魚類体表の多機能性を模倣した透明ヒドロゲル皮膜
5.6.1 ヒドロゲル皮膜の優れた防曇性と多機能性(抗菌性・抗カビ性、水中防汚性、自己修復)
5.6.2 スプレー法による大面積成膜技術/ゲル化抑制技術
5.6.3 水蒸気を利用した自己修復とその速度を高めるためのコンセプト
5.6.4 透明ヒドロゲル皮膜を利用した各種応用事例
6.現状の課題と最近のトピックス
6.1 親水性と滑水性を並立させることができる特異な表面処理
6.2 傷が植物並みに長期間、自己修復する超撥水性材料
<質疑応答・名刺交換(来場者)>
※途中、お昼休みと小休憩を挟みます。
■受講者の声(過去同講師セミナー受講者アンケートより)
「先生のお話を一度聴いてみたくて参加。大変興味深かった」(基礎研究)
「先生の説明や事前にいただいた資料がとても分かりやすく、普段の仕事で疑問に思っていた点や最近の研究動向について
理解が深まる内容でした。ありがとうございました」(表面処理・コーティング)
「大変分かり易く進めていただいたと思います。自然界の事例を交えての説明、いいと思います」(複合材料研究)
「滑落性について等、勉強になりました」(表面技術・研究開発)
「とても面白かった」(自動車材料研究開発)
セミナー講師
(国研)産業技術総合研究所 極限機能材料研究部門 光熱制御材料グループ 上級主任研究員 博士(工学) 穂積 篤 氏
セミナー受講料
【オンライン受講または会場受講:見逃し視聴なし】 1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
【オンライン受講または会場受講:見逃し視聴あり】 1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
【会場受講ご選択の方】
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡し(紙媒体)となります。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
【オンライン受講ご選択の方】
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です
開催日時
10:30 ~
受講料
47,300円(税込)/人
※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます
※銀行振込、コンビニ払い
開催場所
東京都
【大田区】大田区産業プラザ(PiO)
【京急】京急蒲田駅
主催者
キーワード
薄膜、表面、界面技術 塗装・コーティング 汚染物質排出抑制技術
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キーワード
薄膜、表面、界面技術 塗装・コーティング 汚染物質排出抑制技術関連セミナー
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