医薬品工場フォーラム2024 ~QCDを意識して、お互いの弱みを補完し、強みを生かす~

医薬品工場を取り巻く環境に、今後どのような変化が起こるでしょうか?
10年先を見据えて、今、対応しなければいけないことは?
今回で5回目となり、一区切りとして医薬品工場フォーラムは最終回を迎えますが、
ぜひ、工場間の横の繋がりを継続してください!

●申込締切り:2024年5月30日(木)

セミナー趣旨

 医薬品工場フォーラムは、医薬品製造を担う工場のマネージャー層を対象に2018年に第1回を開催して以降、一貫して医薬品の「モノづくり」に思いを寄せて、「強い工場を目指す」を共通テーマに開催してきました。
 本フォーラムでは、毎回、講演による最新情報の提供の加え、参加者全員によるグループ討議により、共通テーマに沿った幅広い工場マネジメントの課題について議論を重ねてきました。その間、新型コロナ感染拡大によりWeb開催を余儀なくされましたが、第一線で活躍されている多くの工場マネージャーに参加していただき、同業他社の皆さんの交流の場、そして、人脈作りの場としても、その役割を果たしてまいりました。
 第5回を迎える今回は、これまで皆さんと議論してきました「強い工場を目指す」を総括するフォーラムとして一旦区切りを置き、次世代のマネージャーに引き継ぐ会とさせていただきます。
 そこで、最終回となる本フォーラムは、主旨の一つでもあった工場間の横のつながりを作る機会として、皆様の会場参加の調整を行いやすくするために、これまでの2日間開催を1日のみとしました。また、これまでの講演の中で最も関心の高かった「医薬品工場のDX化事例」、「グローバルにおける日本の医薬品工場の競争優位性」に関する特別講演2題の最新版とグループ討議を通して、「強い工場」の総括を皆さんと共にさせていただきたいと考えています。
 工場マネジメントの共通課題ともいえる人材確保と人材育成の在り方、技術革新への対応、品質や安定供給に対する信頼、DX活用などによる生産性向上など、今後、工場運営にどう対応すべきか、未来志向で一緒に考え、議論を通して、皆さんと共に〝強い工場を目指して″いきたいと思います。
 これまでご参加いただいた工場マネージャーの皆様に感謝を申し上げつつ、今回も多くの皆様にご参加いただき、しばし現業から離れ、工場マネジメントの有り様に思いを巡らしながら、熱い議論と有意義な時間を過ごしていただくことを期待します。

※今回初めてご参加の方も大歓迎です!

セミナープログラム

▼10:00~10:05
主催者挨拶
株式会社シーエムプラス

▼10:05~10:15
開会挨拶
川越製薬株式会社
川越工場長 黒米 正憲 氏


▼10:20~11:20
講演①

日本の医薬品品質と競争優位
~再生医療製品の例から医薬品のものづくり競争力の原点を考え直してみる~

ノバルティスファーマ株式会社
血液腫瘍領域事業部 細胞遺伝子治療 ファーマテックエコシステム
シニアリード 片山 博仁 氏

■サマリー(講演要旨)
 工場の競争優位を築く方法をいくつか考察したい。日本のものづくりの強さの源はクロスファンクショナルなすり合わせの強さや、品質の作り込みという継続的な磨き上げのカルチャーにある。これはインテグラル型のモノづくりとしてすでに学問的に説明されている。医薬品業界でもそれが生かされるはずであるが、グローバル共通規制の中で文書通りが強調されすぎると、日本的な品質改善の能力の高さは必ずしも力を発揮できていないと考えられる。技術とは別に品質課題は社会環境に大きく影響を受けている。裏側に薬価の問題やグローバル価格競争、開発競争、政策競争があると考えられる。
 それでも工場がグローバルに生き残って行ける方法として、開発と一体化した新製品、新分野開拓、イノベーションによって、会社収益アップの見込める活動に参加する方法がある。そう簡単に経営に影響力を発揮できない生産のみの工場であれば受託、スケールアップ、テールエンドの販売停止、オペレーショナルエクセレンスの小さなイノベーションでの磨きあげなどの方法がある。どちらの場合も、日本のカルチャーにフィットした組織の戦略が重要である。再生医療製品の工場では生産と医療現場、開発の距離が短く、また小規模組織のケースが多いので、経営と一緒に素早い決断のできる工場が多い。このことはすり合わせを必要とされる日本型の、いわゆるインテグラル型モノづくりを確立できる可能性を示していて、日本のモノづくりカルチャーで優位に競争できる可能性を示唆している。
 品質カルチャーを考えるとき、それが決まりきった手順の書かれたことだけを繰り返すのみで終わってしまうモノづくりだと、いわゆるモジュール型の誰が作っても同じ低付加価値の標準品を低コストで作るだけの工場になるので、日本で作っても世界では勝てない。いかにして工場の従業員がイノベーション(小さなことでも)に関わって品質を磨く能力を持った組織を維持し、インテグラル型のモノづくりで品質を作りこんでゆくかが、最終的に労働生産性を高め、品質とコストを成り立たせる鍵ではないかと考える。トヨタの改善の仕組み、京セラのアメーバ経営、そして再生医療ベンチャーの組織を見直してみて、個々人が大きな組織の歯車とならず、それぞれの想像力と何かを生み出す力が生かされる仕組みが重要ではないかと考察する。日本品質の競争の原点を今一度考えてみたい。

■講演ポイント
・公表データから医療産業領域の世界のものづくりの現状俯瞰と歴史の考察
・GMPだけでは品質問題は無くならないことの考察
・日本にフィットするものづくりカルチャーと競争力復活シナリオの再考


▼11:20~11:50
グループ討議に先立ち
討論テーマ:将来(例えば、10年先)の医薬品工場の姿をイメージし、今すべきことを考える
太陽ファルマテック株式会社
顧問 菱田 純 氏

▼11:50~12:20
グループディスカッション①
・自己紹介、課題の認識共有


▼13:00~14:00
講演②

中外製薬工業の目指すスマートファクトリーの現在とチャレンジ

中外製薬工業株式会社
生産技術研究部
部長 上野 誠二 氏

■サマリー(講演要旨)
 2年ほど前に本会にて、「製薬工場におけるデジタライゼーション戦略 ~未来の医薬品工場と働き方の変革~」と称し、弊社でのデジタル技術との親和性が高い製造・品質管理のオペレーション改革に向けての方針及び弊社浮間工場へのデジタルを活用した業務変革DX概要について報告をさせて頂いた。これは現場情報のリアルタイムな把握・分析による生産・試験計画・実行指示、その実施計画に基づいた要員の自動最適化アサイン、さらに個々人への作業指示や必要教育指示についても、各種デジタル技術を活用し、効率的運用を図る事を目的としていた。
 現在、いくつかのデジタル施策は弊社浮間工場にて導入まで完了し、運用を開始したため、その各システムの概要と実際の運用状況、並びに当初設定したKPIへの達成状況を簡単に報告する。また、このDXプロジェクトで、もっとも難易度が高かったのはシステムに合わせた既存業務の変革であり、その変革をサポートするシステムとして開発したナビゲーターやダッシュボードについても簡単に紹介する。
 さらにソフトだけでなくハードウェアをも含めた弊社におけるスマートファクトリーの構想とその進捗について、現在建築を進めている無菌注射剤製造ラインを例に報告させて頂く。

■講演ポイント
・業務の複雑化、増加に対応する為の、デジタル技術の導入とその運用状況
・さらなるデジタルで業務変革をサポート
・スマートファクトリー実現に向けた新たな取り組み


▼14:00~16:00
グループディスカッション②
・①の続き(同グループ、同テーマの討議)となります
・発表準備

▼16:00~17:00
発表、全体討論とまとめ


▼17:00~17:10
閉会挨拶


▼17:10~18:40
懇親会
・活発な意見交換、交流の時間をお楽しみください。
・軽食をご用意いたします。

 

セミナー講師

■講演者プロフィール

【片山 博仁 氏】
1985年 4月    藤沢薬品工業株式会社 入社
2005年 4月    アステラス製薬株式会社 入社
       創剤研究所 注射剤研究室室長
2009年10月    バイエル薬品株式会社 入社
2010年  1月    同社 執行役員 プロダクトサプライジャパン本部長
2020年  8月 ノバルティスファーマ株式会社 入社
       細胞遺伝子治療事業部 サプライヤーリレーションシップマネジメント 部長
2023年 3月 同社 血液腫瘍領域事業部 細胞遺伝子治療 エコシステムグループ シニアリード
2024年 3月 同社 血液腫瘍領域事業部 細胞遺伝子治療 ファーマテックエコシステム シニアリード

【上野 誠二 氏】
中外製薬株式会社 技術本部 製剤技術センター(当時)に入社し、主に注射剤処方設計、製法設計研究に従事、その後、弊社宇都宮工場にて新規注射剤のライン立ち上げから当局査察までを担当後、工場製造グループのマネージャーを経験。その後、製剤研究の部門に戻り、統括マネージャーを経て、弊社浮間工場長を担当。2021年10月より中外製薬工業株式会社に生産技術機能を付加すべ生産技術研究部を立上げ部長に就任し、現在はその運営を担っている。

■医薬品工場フォーラムアドバイザー

● 川越製薬株式会社
  川越工場 工場長 黒米 正憲 氏

● シミックCMO株式会社
  静岡工場 工場長 杉本 宣治 氏

● 太陽ファルマテック株式会社
  顧問 菱田 純 氏

● 村田兼一コンサルティング株式会社
  代表取締役 村田 兼一 氏

セミナー受講料

●受講料:1名33,000円(税込)
     1社2名以上同時申込の場合,1名につき22,000円(税込)

●開催形式:会場(オンライン配信はありません)

●定員:40名 ※昼食付、懇親会にご参加いただけます

●申込締切り:2024年5月30日(木)

●備考:
・当日はご入場の際に、お名刺を1枚頂戴いたします
会場アクセスはこちらをご確認ください


申込締日:2024/05/30

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

33,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

神奈川県

MAP

【横浜市中区】(公財)神奈川産業振興センター

【JR・地下鉄】関内駅

主催者

キーワード

医薬品技術   情報マネジメント一般   品質マネジメント総合

申込締日:2024/05/30

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

33,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

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神奈川県

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【横浜市中区】(公財)神奈川産業振興センター

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医薬品技術   情報マネジメント一般   品質マネジメント総合

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