法令改正の化学物質の危険性・有害性に関する情報の伝達の強化に対応する。 

セミナー趣旨

  厚生労働省は、本年令和4年5月31日に厚生労働省令第91号を公示し、令和6年までに「化学物質への理解を高め自律的な管理を基本とする仕組」に舵を切った。関連規則の改正は令和4年、令和5年、令和6年の3回にわけて段階的に施行される。これにより、令和6年以降は、国がばく露濃度等の管理基準を定め、危険性・有害性に関する情報の伝達の仕組みを整備・拡充し、事業者はその情報に基づいてリスクアセスメントを行い、ばく露防止のために講ずべき措置を自ら選択して実行することが原則となった。
  自律的管理のかなめとなるSDSによる危険有害性の情報の提供は、現在SDSの作成・提供が必要な通知対象物質(リスクアセスメント対象物質)674物質が、令和6年4月1日に903物質(令和6年4月1日施行)となる。その後、別表9の見直しと追加により令和7年に通知対象物質は1497物質に、令和8年に779が追加され、その後も追加が予定されている。義務化の施行日までにその情報が当該化学物質等の譲渡、提供を受ける全ての者に伝達される必要があるため、労働安全衛生規則第24条の15に基づく努力義務規定にもとづき、優先的に安全データシート(SDS)の作成に努めるよう、関係事業者団体に対して要請が出された(基安化発0111第1号 令和4年1月11日)。また、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について」の改正が先行して公示された(基安化発 0531第1号 令和4年5月31日)。
  SDSの通知方法が緩和され相手方の了承が得られなくても、電子媒体やメールなどでの通知ができる他、記載すべき項目として「推奨用途と使用上の制限」の追加と「推奨用途での使用における吸入又は接触を保護具で防止することを想定した場合に必要とされる保護具の種類」の記載、成分の重量%での記載と営業上の秘密における含有率の幅表記、危険有害性情報を5年以内ごとに確認し、変更の必要がある場合はSDSの記載内容を改正し、一定期間内ラベルを変更するとともにSDSを再交付する。厚生労働大臣が定める濃度の基準の記載、15項へのがん原性がある物として厚生労働大臣が定める成分の記載、皮膚等障害化学物質等の記載などが必要となる。

習得できる知識

・改正されるSDS記載事項の確認とSDS作成の先行対応
・化学物質管理者の選任とSDS関連業務(通知事項等の技術的事項の管理)
・有害性と保護具選択に関する情報入手体制の必要性

セミナープログラム

1.化学物質への理解を高め自律的な管理を基本とする仕組の概要
2.通知対象物質の拡充(674物質からおよそ2400物質へ)
3.情報の伝達の仕組みの整備
 3.1 SDSの人体に及ぼす作用の確認・更新 
 3.2 SDS等による通知方法の柔軟化
 3.3 事業場内別容器保管時の措置の強化 
4.改正通達に従った項目ごとの記載事項(変更・未変更を含む)
 4.1 化学品及び会社情報(推奨用途、使用上の制限)
 4.2 危険有害性の要約
 4.3 組成及び成分情報(重量%の表示、営業の秘密)
 4.4 応急措置
 4.5 火災時の措置
 4.6 漏出時の措置
 4.7 取扱い及び保管上の注意(保護具の種類)
 4.8 ばく露防止及び保護措置(労働大臣が定める濃度の基準)
 4.9 物理的及び化学的性質
 4.10 安定性及び反応性
 4.11 有害性情報
 4.12 環境影響情報
 4.13 廃棄上の注意
 4.14 輸送上の注意
 4.15 適用法令(通知対象予定物質の記載方法)
 4.16 その他(参考出典)
5.SDS作成のための組織体制
 5.1 化学物質管理者
 5.2 有害性情報の変更の有無の確認
 5.3 保護具の選択情報の入手
         (JIST8116:2005 化学防護手袋、JIS T 8150:2021 呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)
6.NITE-Gmiccs(混合物のGHS分類、SDS記載項目の出力)
(質疑応答)

セミナー講師

 日本ケミカルデータベース(株) レギュラトリー・コンプライアンス・サービス部 非常勤
 日本大学生物資源科学部 バイオサイエンス学科(応用生物科学科)非常勤講師
 中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター 元副所長 農学博士   荒木 明宏 先生

■ご経歴
1977.04-1980.03 中央労働災害防止協会、中国四国安全衛生センター:作業環境測定業務
1980.04-1982.10 同協会 労働衛生検査センター:毒性試験業務
1982.11-2005.03 同協会 日本バイオアッセイ研究センター:変異原性試験業務
2005.04-2021.03 同協会 労働衛生調査分析センター:民間からの委託による、化学物質リスクアセスメント、
                                        労働安全衛生教育他、SDSの読み方・活用研修、リスクアセスメント研修など。
                                        国からの委託による、有害性調査、ばく露実態調査、モデルGHS分類/SDS作成、
                                        経皮ばく露実態調査など
2018.11-2020.12 日本ケミカルデータベース(株) コンテンツ・サービス課
2021.01-現在 同社 レギュラトリー・コンプライアンス・サービス部
2012.04-2017.03 日本大学生物資源科学部 応用生物科学科非常勤講師:特別講義Ⅲ(化学物質管理)
2017.04-現在 同大学学部 同学科非常勤講師
■本テーマに関する業界団体でのご活動
厚生労働省委託事業(2009~2012)によるモデル分類・モデルSDS作成
民間受託(2007~2017)ラベル・SDS作成
中央労働災害防止協会主催:SDSの読み方研修、SDS作成研修会等講師
<執筆・監修>
「ラベル・SDSの読み方・活かし方」
「テキスト 化学物質リスクアセスメント」
「化学物質による爆発・火災を防ぐ」
「化学物質管理者 選任時テキスト」中央労働災害防止協会
経済産業省平成28年化学物質安全対策(GHSに関する基盤調査)事業 SDS検討委員会
■ご専門分野・ご研究
<化学物質の有害性評価・主な研究業績>
Araki A, Kamigaito N, Sasaki T, Matsushima T. Mutagenicity of carbon tetrachloride and chloroform
in Salmonella typhimurium TA98, TA100, TA1535, and TA1537, and Escherichia coli WP2uvrA/pKM101
and WP2/pKM101 using a gas exposure method. Environ Mol Mutagen 43 (2), 128-133. 2004. 他
<化学物質のばく露評価/リスクアセスメント・主な研究業績>
Higashikubo I, Arito H, Ando K, Araki A, Shimizu H, Sakurai H. Control Banding Assessment of
Workers' Exposure to Indium and its Compounds in 13 Japanese Indium Plants.
Jornal of Occupational Health 50(3), 263-270. 2018. 他

セミナー受講料

【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円

【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

  • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
    (開催1週前~前日までには送付致します)
    ※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
    (土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
  • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
  • Zoomを使用したオンラインセミナーです
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  • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

41,800円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学技術一般   安全規格   環境規格

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