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QUESTION 質問No.135

ジャストインタイムを実現するSCM

生産サプライチェーンマネジメント |投稿日時:
 私は、ライン停止中のトヨタの工場で、期間従業員として働いている者です。工場で働き始めてから、ものづくりに関連した用語を検索するようになり、いつも検索の上位に登場するこのサイトに関心して、昨年の11月に会員登録しました。質問番号113にありますが、TPSでいう、ジャストインタイムを実現するSCMと、リスクアセスメントについての回答を読んでも今回のライン停止の経過に納得出来ません。何万台もの生産が停止するようなリスクでも、適正在庫の考え方はないのでしょうか。在庫が断たれた時の経営リスクをどのように解釈したら良いのか、一般人に、分かりやすく解説して下さい。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

 考え方につきましては質問133で皆さんが回答していますので、金額で計算してみたいと思います。

 トヨタの昨年度の売上高は27兆円ですが、自動車組み立て産業は部品材料費比率が7割近いと言われますので、たとえば1週間分の在庫を持ったとすると3800億円の追加キャッシュが必要になります。もちろん1週間の売り上げ5400億円が消えるならば甚大な問題ですが、国内では基本的に受注生産であり、納期が1週間伸びることで購入を控える人は少数と思われます。
 海外は見込み生産ですが、その場合は当然機会損失を避けるために製品在庫を1週間以上は確保しているはずですから、最大生産能力が平均需要量を上回っている限り、こちらもほとんど影響を受けません。

 需要予測が当たっていれば上記の3800億円は単なるキャッシュの問題ですが、需要予測を誤ったときはこの在庫がそのまま不良資産になることを考えると、在庫の恐ろしさが分かります。
 たった1週間の在庫ですらこれだけの問題を引き起こします。3週間分だったら1兆円を超えるリスクを常時抱えることになり経営を揺るがしかねません。

 上記はいずれも購入部品材料費7割という原価構造が要因となっており、この比率が小さい製品は違った考え方を取る必要があります。